梨の木の育て方!苗木を植えてから収穫までの歳月や管理のコツを解説!

梨の木の育て方!苗木を植えてから収穫までの歳月や管理のコツを解説!

秋の味覚に挙げられる梨は、自宅でも育てられます。育て方も難しくなく、管理のコツをつかめば初心者でも栽培できます。庭植えでも鉢植えでも育てられるところが魅力です。この記事では、梨の育て方や栽培のコツ、梨の種類などを紹介します。

記事の目次

  1. 1.梨とは
  2. 2.季節ごとの梨の木の栽培作業
  3. 3.梨の木の育て方
  4. 4.梨の木の管理のコツ
  5. 5.梨の木の病気と害虫
  6. 6.梨の木の特徴
  7. 7.梨の種類
  8. 8.まとめ

梨の木の管理のコツ

おいしい梨を育てるには、日々の管理が大切です。初心者でも管理のコツを押さえれば、失敗せずに育てられるでしょう。

剪定

Photo byCarlottaSilvestrini

冬に収穫後から新芽が出るまでの間、いらない枝を切り落とす剪定作業をします。農家では棚を作り、枝を広げて栽培されます。家庭で庭植えで育てる場合は、立ち木仕立てで十分です。込み合っている枝や伸びすぎた枝を切り落として、奥まで日光が届くように仕立てましょう。風通しのよさも確保します。

鉢植えの剪定

梨は放っておくとかなりの大木に育ちます。しかし、鉢植えで育てる場合は、あまり大きくなりすぎても困りものです。剪定の時期にいらない枝とともに、大きく伸びすぎた部分を切って、小さめに仕立てましょう。全体的に小ぶりの木に仕立てても、実はしっかりなります。安心して小さく仕立ててください。

夏の剪定

よく伸びる新しい枝は、夏に切り落とします。放っておくと込みあって日光が届かず、夏でも日照不足になるかもしれません。また、大きくなりすぎると庭植えでは問題なくても、鉢植えの場合は注意が必要です。2~3節以上伸びるものは、長くなりすぎる前に切ってしまいましょう。

授粉

授粉樹を植える

品種にもよりますが、梨は受粉樹があるほうがよく実がなります。授粉樹とは、1本では結実しづらい木のそばに植える別品種の木のことです。結実を促すために植えられます。家庭で育てるときにも、種類の違う梨の木を近くに植えるのがおすすめです。

ボタニ子

ボタニ子

でも、ベランダで育てている場合はどうすれば…。もう1本鉢植えで育てるのって、スペース的に大変だよね。

そういうときは、1本で実をつけられる自家結実性の品種を選びましょう!

人工授粉をする

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人工授粉は、名前のとおり人の手による授粉です。花摘み後、花粉のある花をちぎり、花粉のない花にこすりつけるだけで授粉できます。花粉のある花から筆や綿棒で花粉をこすり取り、花粉のない花にこすりつけるのもよい方法です。満開の時期の朝に何度か行うと、実ができる確率が高くなります。

まとめて花粉を購入する、もしくは前年に集めておいた花粉を使うという方法があります。しかし、これは農家向き。販売されている花粉は高いため、家庭で授粉するには、現実的ではありません。

梨の木の病気と害虫

梨につく病気や害虫は多くあります。どのような病気や害虫に注意すべきなのか、対処法あわせて覚えておきましょう。きちんと病気や害虫に対処できれば、梨の寿命が延びます。

病気①黒斑病

黒斑病は、二十世紀梨に多く発生する病気です。農家でも毎年大きな被害が出ています。春に気温が大きく上昇すると発生しやすく、農薬などでは防ぎきれません。実が黒斑病にかかるとあっというまに腐って落ちてしまいます。実だけでなく葉や枝などにも感染する病気です。感染した枝は切り落としたり、樹脂ペーストを使用したりして病原菌を封じ込めましょう。

病気②赤星病

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赤星病は、オレンジの病斑が葉にできる病気です。春先に農薬を一度散布するだけで、ほとんど発症を抑えられます。たとえ発症しても、農薬を散布しておけば重症化は免れるでしょう。ただし、農薬を使わないで発症すると、木の勢いが衰えてきます。ひどいときには枯れる寸前まで追い込まれることもあるため、農薬散布で予防するのがおすすめです。

病気③紋羽病

フリー写真素材ぱくたそ

紋羽病は、果樹の根を枯らせてしまう病気です。根から枯らするため、一度かかると木全体が枯れてしまいます。梨の場合は10年前後の木に発症の多い病気で、気が付くと手遅れということが多いです。ほかの木よりも紅葉が早すぎる場合には、この病気を疑いましょう。

消毒が必要

紋羽病は土壌に菌が残るため、木を抜き取るだけではいけません。菌糸が広がり、ほかの植物を汚染する前に土壌の消毒が必要です。早期発見できればよいですが、病気が進行していては農薬も効果がありません。植え替えが有効ですが、植え替える場合には、菌に侵されている根をすべてきれいに取り除く必要があります。

害虫①カイガラムシ

カイガラムシは、木全般に付く害虫です。幹や枝にくっつき、養分を吸い取ってしまいます、大量に発生してしまうと、養分を吸い尽くされて木が衰弱してしまうのです。カイガラムシの種類は多く、中には実に吸い付き汁を吸い取るものもいます。カイガラムシには農薬があまり効きません。そのため、大量発生すると農園などでも駆除は困難です。

対処法

庭植えでも、1本~2本しか植えていないときや鉢植えなどで発生した場合には、濡れた布巾でこするようにして取り除きましょう。いらない歯ブラシでこそげ落とすのもおすすめです。剪定で常に風通しをよくして、日当たりも確保することが予防になります。

害虫②シンクイムシ

シンクイムシは、果実の中に入りこんで芯を食い荒らす厄介な害虫です。果実を切ったときに中から虫が出てくることもあるため注意してください。袋がかかっている場合は中まで入り込まず、果実の表面を食害することもあります。農薬を散布するか、早めに袋掛けすれば防げます。鉢植えで室内で育てる場合には、庭植えほど心配はいりません。

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梨の木の特徴

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