梨の木の特徴
花の特徴
梨の花は、リンゴにも似た白くかわいらしいものです。1カ所に5~7個のつぼみを付けます。満開になるととても美しく見ごたえがあり、花見にもおすすめです。しかし、すべての花を咲かせると、梨の実付きに影響します。つぼみのうちに、1カ所に1つの花が咲くように余分なつぼみや花はとってしまいましょう。これを摘花といい、残った花に栄養分が行き渡らせる大切な作業です。
実の特徴
梨の実は、ざらざらした肌触りが特徴です。青梨にはつるつるしたものもありますが、赤梨の皮は非常にざらついています。また赤梨の皮は硬く、分厚いのも特徴です。大きさは種類によって違いますが、大きいものでは大人の手のひらより大きな品種もあります。また梨の実は、カリウムと水分を多く含んでいます。ミネラルバランスを崩しやすい晩夏にぴったりの果物です。
実は大きく2つの種類に分けられる
梨には青梨と赤梨があり、二十世紀梨に代表されるのが青梨、幸水や豊水に代表されるのが赤梨です。青梨は、みずみずしくシャリシャリした食感がありますが、糖度はそこまで高くありません。一方の赤梨は、食感は柔らかめですが、非常に甘いのが特徴です。
梨の種類
二十世紀梨 | ・青梨 ・中生種 ・食感がいい |
かおり | ・青梨 ・流通が少なめ ・甘い |
新興梨 | ・赤梨 ・超大型 ・やわらかい |
新高梨 | ・赤梨 ・晩生種 ・大型 |
幸水梨 | ・赤梨 ・早生種 ・夏に収穫 |
愛宕梨 | ・赤梨 ・晩生種 ・超大型 |
豊水梨 | ・赤梨 ・中生種 ・味のバランスがいい |
でも種類が多すぎて、どれを選んだらいいのかわからないよ。
そうね。ここではいくつかおすすめの梨を紹介するわ。梨の特徴を見て、自分の味覚に合った種類を栽培してみてね。
種類①二十世紀梨
二十世紀梨は、青梨の代表的な品種です。みずみずしく、シャリシャリした食感と上品な甘さが特徴です。袋をかけて栽培する有袋栽培と、袋をかけない無袋栽培がありますが、袋をかけたほうが鮮やかな緑色になります。収穫時期は9月中旬ごろで、主な産地は鳥取県です。
種類②かおり
かおりは樹勢が弱く、実も長持ちしないため大量に栽培されていません。栽培も難しく、流通量が少ないため非常に貴重な梨です。華やかで独特の香りは人を惹きつけます。大玉で肉質もよいのも魅力です。
種類③新興梨
新興梨は、梨の中でも超が付くほどの大型の梨です。みずみずしく、ジューシーな食感が人気を博しています。9月~10月ごろにスーパーなどに出回りますが、貯蔵性が高く、新聞紙などに包んで冷暗所に置くことで1か月ほどは持ちます。その際、上下逆にして保存します。お尻を下向きに置いておくと傷みやすくなるからです。
種類④新高梨
新高梨は、赤梨の晩生種の代表的な梨です。かなり大型の梨で見栄えがするため、贈答品としても人気が高いです。上品な甘さと独特の香りは「梨の王様」とも呼ばれるほどです。
種類⑤幸水梨
幸水梨は果肉が柔らかく、非常に甘いのが特徴の赤梨です。収穫時期は早いものは7月下旬から出荷されます。傷むのが早く、保存期間は短めです。熟成すると濃厚な甘い香りがします。
種類⑥愛宕梨
日本一大きい、それが愛宕梨です。ものによっては2㎏を超えます。赤梨にしてはしゃきしゃきな食感で、みずみずしい果汁の甘みとほどよい酸味が特徴です。なしの中でも貯蔵性が高く、春ごろまで美味しく新鮮な愛宕梨が出回ります。家庭でも冷暗所に置くことで、1カ月近く保存できます。
種類⑦豊水梨
豊水は甘みと酸味のバランスがよく、梨の中でも人気のある品種です。丸い形の中生種で、柔らかい果肉を楽しめます。同じく赤梨の中でも人気のある幸水梨より少し大きめで、日持ちもします。収穫時期は9月ごろです。
まとめ
一説には弥生時代から食べられていたというほど、梨は日本人にとってなじみのある果物です。育て方も難しくありません。収穫した実は、そのまま食べるのはもちろん、コンポートやジュース、ケーキなどにも加工してみてくださいね。
昔から日本人に愛されてきた梨には、本当にたくさんの種類があるのよ。