タブノキの特徴
ここでは、タブノキの部位別特徴を詳しく見ていきましょう。厳しい環境の中でも枯れずに成長できる進化をしてきたことが分かりますよ。
花
3枚の花弁とガクが同じ長さであるため、一見6枚の花弁に見えます。直径5mmほどの小さな黄緑色の花を円すい状にたくさん咲かせます。
葉
葉の長さ8~15cm、幅3~7cmの長楕円形の形をしています。互生単葉で葉の表面がつるつるの照葉樹木であるため、塩分が浸透しにくく海の近くでも成長できるように進化しています。早春には若葉がピンク色に色づき、花のように華やかに芽吹きます。
実
8月~9月頃に、黒褐色で直径1cmほどの実がなります。中を割るとアボカドと似たような、真ん中に大きな種があり黄緑色の果肉が詰まっていますが、食べてもえぐみがあり食用には向きません。鳥類が食べて種を落としていくことによって、自生していきます。
枝
枝は大きく横に張るため、成長するには広いスペースが必要です。老木になると木目に巻雲紋が出て、高級木材として利用されています。
樹皮
若い頃は明灰色で皮目が点在していますが、老木になると裂け目が出てきます。樹皮の成分である「タンニン」は染料として利用されるほか、粉にして線香の粘結材としても使われています。
タブノキの管理方法
タブノキは大きくなる樹木ですが、十分なスペースがあれば庭木としても育てられます。家庭での育て方のポイントを見ていきましょう。
栽培カレンダー
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | |
移植期 | |||||||||
剪定 | |||||||||
開花期 | |||||||||
果熟期 |
植付けは真冬・真夏を除いた時期にできますが、植替えに弱いのであまり強く剪定しないようにしましょう。春には小さな花を咲かせ、夏~秋にかけて黒紫色の実がなります。
管理のポイント
- 乾燥に弱いので、水管理に注意する
- 追肥は葉の状態に応じて行う
- 日なたや半日陰で育てる
- 大きくなるので植えるスペースを十分検討する
育て方はそれほど難しくなくとても丈夫な樹木ですが、乾燥には弱いので夏場は特に十分水やりをしましょう。追肥は特にしなくても大丈夫ですが、葉が弱々しくなった場合には肥料を与えます。大木になるため、周りに十分スペースがある場所に植えたほうがよいでしょう。
害虫対策
アオスジアゲハの幼虫が若葉を食べるほか、テッポウムシ(カマキリムシの幼虫)が幹を食べることがあります。また、葉の裏にタマバエが寄生して「虫こぶ」を作ることもあり葉の栄養を吸い取ります。いずれも見つけたら駆除しましょう。
まとめ
タブノキは神社を守る鎮守の森やお線香の材料として古くから人々の間で親しまれてきた樹木です。そのどっしりとした強さから海岸の防風林や、建材としても幅広く利用されています。樹木の違いが分かるようになれば、見かけたときにまた違った楽しみ方ができるかもしれませんね。
- 1
- 2
出典:写真AC