③カイガラムシ
カイガラムシもハダニ同様アレカヤシでよく見られる病害虫ですが、ハダニが葉の裏に寄生するのに対して、カイガラムシは葉や茎に寄生します。しかもカイガラムシの排泄物は「すす病」という厄介な病気の原因となるため、初期段階で駆除する必要があります。
主な症状
茎や葉に白い塊のようなものがついていたり、表面がべとべとしたりします。さらにカイガラムシが原因ですす病になると、葉の色が黒くるので注意が必要です。
駆除方法
カイガラムシの駆除は、幼虫と成虫で異なります。幼虫の段階であれば殺虫剤で駆除ができますが、成虫には殺虫剤が効きません。そのため歯ブラシなどを使って1つずつこすり落とすのが、成虫駆除の唯一の方法です。
間引きと風通しのよい場所で予防できる
カイガラムシはいくら駆除しても何度でも発生するので、カイガラムシが好む環境を作らないことが重要です。そのため葉や茎が密集している部分は間引きをし、風通しのよい場所を置き場にすることで、カイガラムシの発生を予防します。
アレカヤシ病害虫の発生原因
アレカヤシの栽培はそれほど難しくないのですが、定期的な手入れは必要ですし、手入れの仕方で病害虫にかかってしまうことがあります。そこで病害虫の原因になりかねない手入れの注意点を解説します。
①日照不足
アレカヤシは基本的に日光が大好きな植物ですが、日本で栽培する場合はアレカヤシの成長適温を保つことが難しいので、室内での栽培が多いです。耐陰性のある植物なので室内でも成長しますが、日当たりが全くない場所だと日照不足を起こし病害虫が発生しやすくなります。
②直射日光
ベランダや庭でも栽培できる植物ですが、急に直射日光があたると環境の変化に追いつけず葉焼けを起こしますし、日当たりの悪い場所から日当たりのよい窓際に置き場を移動するだけでも葉焼けします。なお屋外で栽培する場合も、直射日光があたる場所で栽培すると葉焼けの原因になります。
③低温
南国系の植物なので暑さにはとても強いのですが、反対に温度が低い環境が苦手です。特に10℃以下の環境はアレカヤシの成長適温とはいえないため、全体が茶色に変色し枯れてしまいます。なお夏~秋にかけてベランダなどの屋外で栽培する場合も、1日の温度が20℃以下になった時点で室内に移動させましょう。
④根腐れ
乾燥が苦手なアレカヤシは水やりと加湿作業が手入れの基本なのですが、水やりをしすぎると根腐れします。ちなみに水やりのしすぎはコバエの原因にもなるので注意しましょう。
⑤根詰まり
原産地では樹丈が10mに達するアレカヤシは、成長に合わせて鉢のサイズを変えるのが手入れの基本です。鉢が小さすぎると根詰まりがおこり、根詰まりが原因で葉が茶色に変色し枯れてしまいます。
⑥乾燥
乾燥を防ぐには、水やりだけでなくこまめな加湿が必要です。霧吹きなどで葉を加湿する「葉水」が手入れの基本ですが、この際も葉の両面に行わなければいけません。