バラ新苗の特徴
新苗(1年生苗)とは、秋に芽つぎしたものや、冬に切りつぎしたものを春に鉢上げした苗で、春苗ともいいます。まだ幼いバラ苗で病害虫にも弱く、夏の暑い時期には水切れすると枯れるため、地植え鉢植え問わずこまめな観察が必要です。バラ苗のなかでも価格が安い特徴があり、大苗の価格が高くて悩んでしまったときには新苗がおすすめです。
バラ新苗の種類
「木立性バラ新苗」
新苗の仮植えポットは小さいため、購入後はできるだけ早く植え替えを行います。いきなり地植えにするのではなく、一回り大きい鉢植えに植え付け、遅霜にあてないように管理します。根や枝も細い新苗は、はじめの年は開花のエネルギーを株の成長を促すために使います。夏の終わりまでつぼみをすべて摘みとり、病気や害虫被害がなければ秋バラから咲かせましょう。
「つる性バラ新苗」
つる性バラの新苗は、大苗よりも安い価格で購入できます。大苗に比べて充実した株に育っていないため、はじめの1年は花が咲かないことが多く、太くいきおいのある枝も出てきません。誘引や開花までは1年以上の時間がかかりますが、鉢植えでも年を追うごとに大きく育つので、じっくり育てたい方におすすめです。
バラ新苗の選び方
バラの新苗が流通する時期は、バラの新芽がでて枝が伸びる生育時期です。そのため、サイドシュートがよくでており、葉が多く、病害虫の発生のないものがよい新苗といえるでしょう。流通後の管理が行き届かず、水切れや病害虫が原因で株元の葉色が悪いものや、枝の上部が不自然にカットされているものはおすすめしません。
新苗の選び方まとめ
- 病害虫が発生していない
- 新しい枝が出ている
- 緑色の葉が出ている
- 枝が間延びしていない
バラ仕立て苗の特徴
バラの栽培環境が整わない場合や、はじめてのバラ栽培で育て方がよくわからないという方なら、3年生苗以上の充実した株に育った「仕立て苗」の購入がおすすめです。成木に近い生育状況のものは価格が高いという特徴がありますが、購入してすぐ開花が楽しめるほか、バラを含めた庭のイメージもつきやすくなりおすすめです。
バラ仕立て苗の種類
「開花苗」
カタログだけではイメージがつかない花びらの形や大きさ、花の色や香りをみて選べる開花苗は、花が咲くまで管理してから流通させたもので、鉢苗ともいいます。購入後すぐに植え替える必要はありませんが、なかには開花までハウスで育てているものがあるため、強い寒さにあたらないよう置き場所に注意しましょう。
「長尺苗」
長尺苗とはロング苗ともいい、つる性のバラ苗に支柱を立てて枝を2~3本に制限し、1m以上つるを伸ばしてある苗のことをいいます。誘引は購入してすぐできますが、植え付けや植え替えは休眠期に行いましょう。価格は大苗よりも高いですが、成木に近い生育状況のため半日陰など環境が整わない場所でも育てやすいです。
「スタンダード苗」
スタンダード苗とは台木を長く伸ばし、枝の上部に穂木を接木してあるもので、スタンダードローズともいいます。木立性で横張り性の樹形で、庭植えでもベランダの鉢栽培でも楽しめます。仕立てるのに数年かかるため価格も高めですが、人気の高いバラ苗のひとつです。
まとめ
バラがあまり咲かない、地植えで丈夫なはずなのに病気で枯れるなど、バラ栽培はむずかしく手間がかかると感じるかもしれません。安い苗だから枯れるのではなく、大量の根がちぎれていたり、病気のある苗を選んだりするとうまく育たず咲かないこともあるのです。健康でよく育つバラ苗を選び、ローズガーデンを楽しんでくださいね!
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出典:筆者撮影