多肉質の枝
ミルクブッシュは枝の形に特徴があり、多肉植物のように円筒形をしています。バラの仲間に分類されますが枝にトゲはありませんし、多肉植物に見られる多肉質の枝をつけることから、園芸店では「多肉植物」として販売されることが多いです。
葉はほとんどない
育て方次第では高さ5m以上にもなるミルクブッシュには、多肉質の枝に小さな葉がつきます。葉の大きさはわずか6mm以下しかなく、しかも枝が成長すると落葉します。このような葉の特徴も、ミルクブッシュが多肉系の観葉植物と認識される理由の1つです。
乳液に有毒成分
茎を切ったときに白い乳液が出ることが名前の由来のミルクブッシュですが、乳液には葉有毒成分が含まれています。しかも毒性が強く、手入れ中に乳液が皮膚に触れると皮膚炎をおこしたり、誤飲すると吐き気や下痢などの症状を起こしたりする可能性があり危険です。
乳液がついた時の対処法
手入れの最中にミルクブッシュの乳液が皮膚についてしまった場合は、石鹸を使って念入りに手洗いをしてください。なお誤って乳液が目に入ってしまった場合は、手でこすらず流水で洗い流し、すぐに専門の医師の診察を受けるようにしましょう。
ユーフォルビアの一種
ミルクブッシュは「ユーフォルビア」と呼ばれる植物の一種です。ユーフォルビアはトウダイグサ属の植物のことで、野生で見られるトウダイグサのほかにも、トウダイグサ属のハナキリンなどもユーフォルビアに分類されます。
白い乳液もユーフォルビアの共通点
ユーフォルビアに属する植物には、ミルクブッシュの特徴である白い乳液を持つことが共通点に挙げられます。しかもどの植物の乳液にも人体に害をおよぼす有毒成分が含まれています。なおクリスマス花材として人気のポインセチアもユーフォルビアなので、手入れなどの際にはゴム手袋をつけるなどの注意が必要です。
ミルクブッシュの育て方
気温が高く乾燥した地域が原産地といわれている植物なので、インテリアや観賞用として流通している種類でも、日本で栽培する場合には育て方にさまざまな工夫が必要です。そこで初心者でも失敗が少ない育て方のポイントを紹介しましょう。
①用土
乾燥した環境を好む植物なので、栽培用の用土も通気性のよいものを選びます。気候の条件さえ整っていれば地植えでの栽培もOKですが、雨が続く梅雨時期には、少しでも水はけが悪い用土だと根腐れを起こしてしまいます。そのため地植えで失敗しないためには「いかに通気性のよい用土にするか」がポイントです。
鉢植えでも用土次第で根腐れを起こす
地植えよりは気候の変化による調整がしやすい鉢植えですが、鉢植えの場合の用土も水はけのよいものを選ぶ必要があります。特に湿度が高くなると鉢植えで屋内栽培しても、土がじめじめして根腐れしやすくなります。さらに根腐れは厄介な病害虫の発生原因にもなるので要注意です。
地植えの場合はナメクジに要注意
地植えの場合はハダニやアブラムシなどの病害虫にも注意が必要ですが、通気性があまりよくない用土の場合はナメクジにも注意しなければいけません。特に梅雨時期にはナメクジが大量発生しやすく、たとえ根腐れをおこさなくても、ナメクジの食害で枯れることがあります。
ボタニ子
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