アカンサスとは
地中海沿岸が原産地のアカンサスは、ギリシャの国花に指定されるなど、ヨーロッパではなじみ深い植物です。日本には大正時代に渡来し、街中での植栽や一部地域で野生化したものを見られます。とても大きな花を咲かせるため、名前は知らなくても見たことがある方が多いのではないでしょうか。
アカンサスの基本情報
和名 | ハアザミ(葉薊) |
学名 | acanthus mollis |
英名 | sea holly |
科名 | キツネノマゴ科 |
属名 | ハアザミ属 |
原産地 | 地中海地方 |
形態 | 多年草 |
開花期 | 6~9月 |
名前の意味
学名の「Acanthus」は、ギリシャ語で「トゲ」を意味します。茎に鋭いトゲがあるため、アカンサスと名づけられました。また和名のハアザミは、葉の形がアザミに似ているという意味ですが、アザミと同じ仲間ではありません。
アカンサスの花言葉
アカンサスの花言葉は「芸術」「技巧」「離れない結び目」です。古代ギリシャの建築物の柱は、アカンサスの葉がモチーフにされていたことから、「芸術」「技巧」の花言葉が付けられたとされています。また、アカンサスの葉はいくつも繋がっていることから「離れない結び目」と付けられました。
アカンサスの特徴
アカンサスは特徴的な形状をしていますが、意識して観察したことがある方は少ないかもしれません。よく観察してみると、面白い特徴があります。ここでは、アカンサスの特徴を紹介していきます。
特徴①葉
アカンサスの葉は、アザミの葉に似ています。深い切れ込みと、ギザギザとした葉縁が特徴です。成長すると、長さ50cm前後、幅30cm前後になります。葉の色は緑色で、模様などはありません。
特徴②花
長さ50cm以上にもなる大きな花穂にたくさんの花を付けます。花穂からは、苞(ほう)と呼ばれるトゲのある紫色の葉が出て、その中から白色や淡いピンク色の花を咲かせます。花が咲き終わった後も紫色の苞は残るため、花後も観賞を楽しめるのです。
アカンサスの見分け方
一般的にアカンサスと呼ばれるのは、アカンサス・モリスと言う種類です。アカンサスの仲間はいくつかの種類が存在するため、ほかの種類との見分け方を紹介していきます。
①アカンサス・アルバ
モリスの苞が紫色なのに対して、こちらは緑色をしているため、花穂が伸びる時期であれば簡単に見分けられます。また花の色は白色で、淡いピンク色のモリスと違うこともわかるでしょう。ただし、葉の見た目はほとんど一緒で、花穂が伸びていない時期は見分けるのが困難です。
②アカンサス・スピノサス
モリスは成長すると1.5mほどになるのに対して、アカンサス・スピノサスは1mほどにしかなりません。草丈が低く開花していれば、すぐに本種と気づけます。また、葉の切れ込みが深く、葉に光沢があるのも特徴です。葉の形や光沢の有無でも見分けられます。
まとめ
アカンサスの特徴について紹介しました。アカンサスは花壇などにもよく使用される、実は身近な植物です。長い花穂を伸ばして花が咲く姿は圧巻です。見かけたらぜひ観察してみてくださいね。