百日紅の育て方
育て方①苗選び
百日紅の苗は、春~夏頃に市場に出回ります。枝のつきがよく、葉がみずみずしくツヤのあるものを選びましょう。百日紅は品種が豊富なので、種類によって花の色や樹高、適した栽培環境が変わってきます。そのため、育てたい花の色や、自宅の栽培環境、成長した後の樹高イメージを持って選ぶと失敗がないでしょう。
育て方➁植え付け
百日紅の植え付けのときは、穴を少し深めに掘り、たい肥や遅効性の肥料を混ぜ込んでおきましょう。根がすっぽりとおおわれるくらいの深さが理想です。ポットから植え替える際は、根が傷まないように気をつけましょう。植え替え当初は根が安定しておらず、倒れやすいので、支柱で支えるようにしてください。植え付けに適した季節は、気温が暖かくなってきた4~5月、または9月がおすすめです。
育て方③用土
地植えの場合は、植え付けの数週間前によく耕し、たい肥を混ぜ込んでおきましょう。鉢植えの場合は赤玉土と腐葉土を混ぜたものか、市販の花用の培養土などがおすすめです。
育て方④水やり
百日紅を植え付けてから1年の間は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりを行いましょう。庭植えの場合は、根づいたあとであれば水やりの必要はありません。雨が降らず、乾燥が続いた場合のみ行います。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。特に夏の間は水切れに注意してください。
育て方⑤肥料
肥料は、寒肥として1~2月の冬の季節に有機肥料を与えましょう。また、花が咲き終えた後には、お礼肥として即効性の液体肥料を与えると効果的です。
育て方⑥管理場所
百日紅は太陽が好きな植物なので、庭植えの場合は日当たりがよく、水はけのいい場所を選びましょう。また、大きく育つ品種の場合はその分のスペースをあけておくことをおすすめします。鉢植えの場合は、日光がよく当たる場所に置きましょう。百日紅は耐寒性があるので、ベランダやテラスでも育てられます。しかし、蒸れには弱いので、風が通る場所が好ましいです。
百日紅のお手入れ方法
お手入れ方法①剪定の方法と最適な時期
百日紅は基本的に冬の季節に行う年1度の剪定で問題ありません。しかし、百日紅の木は小枝が出やすいので、風通しをよくするために見つけしだい剪定すると、病気の予防になります。
夏の時期の剪定方法
百日紅は夏咲きの品種であれば、8月上旬~中旬頃に咲き終わりの花の枝を剪定することで、ひと月後にもう1度花を楽しめます。開花時期が長い百日紅ならではの楽しみ方ですね。
冬の時期の剪定方法
冬の時期の剪定は11~3月頃の葉が落葉している最中に行います。その際は、春から伸びた枝を剪定し、形を整えましょう。強く切り戻すと、その分強い枝が生えやすく、花の房は大きく堂々とした姿に育ちます。弱く切り戻すと細かい枝が多くなり、花の房は小さめですがたくさん開花します。剪定によってお好みの樹木の姿にできるのも百日紅の魅力のひとつです。
お手入れ方法②植え替え
百日紅は、地植えの場合は植え替えの必要はありません。鉢植えの場合は2~3年に1度、植え替える必要があります。根が成長してきた段階でひと回り大きい鉢に植え替えましょう。植え替えに適した季節は花が咲き終わった10~11月か、咲き始める前の3~4月が最適です。
植え替えをする際の注意点
植え替えをするときは根が弱らないように、土の温度が下がりにくい季節に行います。そのため、植え替えに適切な季節であっても、極端に気温が低い日は避けたほうがいいでしょう。植え替えるときは、根のダメージを減らすために元の土を少しつけた状態で、やさしく植え替えます。
お手入れ方法③増やし方
百日紅の増やし方は種まき、挿し木の両方で可能です。しかし、種から育てる場合はかなりの時間がかかりますので、挿し木で増やす方法が一般的です。
挿し木のやり方
挿し木で使う枝は、初夏に挿し木用として切りましょう。枝の長さは15~30cmほどが好ましいです。また、挿し木用の枝はなるべく新しい枝から採取しましょう。切り口を水揚げし、赤玉土などの用土を入れた鉢に挿し木して育てます。ある程度育ったら、ひと回り大きい鉢に植え替えるか、地植えにして育てましょう。
注意点
挿し木した直後は枝が安定しないため、支柱を挿して管理するとよいでしょう。また、根がつくまでは、直射日光を避けた明るい場所に鉢を置いてください。
百日紅を育てる際に注意すべきこと
注意すべきこと①縁起について
百日紅の名前は、猿が登れないほどツルツルとした幹の特徴が由来です。しかし、「すべる」という言葉には、落ちる、落選する、下がるという意味があるため、庭木で使用すると出世運が下がるという説があります。もし縁起を気にするようだったり、プレゼントに使用したりするときは、避けたほうが無難でしょう。
注意すべきこと➁病気
百日紅はとても強く育てやすい種類の樹木です。しかし、湿気や蒸れに弱いため、剪定を怠り枝が蒸れてしまったり、長期間雨が続いてしまったりすると、病気にかかりやすくなります。病気の予防も大切ですが、もし病気になってしまったら、発病している部分をこまめに取り除き、広がらないようにしましょう。
すす病の特徴
すす病は、葉に黒いブツブツとした斑点ができる病気です。そのままにしておくと光合成ができなくなり、枯れにつながります。この病気は、害虫のアブラムシやカイガラムシが原因なので、防虫を徹底することで防げます。
うどんこ病の特徴
うどんこ病は、葉に白い粉状のカビがはえ、そのままにしておくと枯れてしまう病気です。葉が蒸れているときにこの病気になりやすいため、枝をほどよく剪定し、手入れを行って風通しをよくしましょう。また、よく日光に当てることで病気の予防ができます。
かっぱん病の特徴
かっぱん病は、糸状菌と呼ばれるカビの仲間によって発生する病気です。葉に茶色の丸い斑点ができ、広がると枯れてしまいます。春~秋の季節の多雨、多湿で発症するため、風通しをよくして予防しましょう。また、病気になった部分の葉は早めに取り除き、広がらないようする必要があります。
まとめ
百日紅は、中国原産の落葉樹で、英語で「Crape myrtle」という名前のとおり、縮れたような花びらが特徴です。従来の百日紅の花は濃いピンク色が主流でしたが、品種改良により、白や薄いピンク、薄い紫の花も出回るようになりました。手入れは、剪定を定期的に行うだけで問題なく育つので、初心者でもチャレンジしやすい植物です。庭木を彩る華やかな花姿を、ぜひ楽しんでくださいね。
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