万願寺とうがらしはどのような野菜?
万願寺とうがらしは、京都のおばんざいでよく使われています。一般的に見かける唐辛子よりサイズが大きいです。万願寺とうがらしとはどのような野菜なのか、名前の由来と日本の唐辛子の歴史をあわせてご紹介します。
万願寺とうがらしの基本情報
種属 | トウガラシ属ナス科 |
収穫時期 | 5月上旬~9月中旬 |
産地 | 京都府舞鶴市、綾部市、福知山市の一部 |
別名 | 万願寺、万願寺甘とう |
万願寺とうがらしの選別基準は、えぼを含まない長さが13cm~23cmで色艶、形がよいものなどが「秀品」とされています。
万願寺とうがらしは交雑種
万願寺とうがらしは江戸時代に京都、奈良地域で栽培された辛みのない京の伝統野菜である「伏見とうがらし」と北米原産の「カリフォルニア・ワンダー」を掛け合わせてできた唐辛子です。大正末期から昭和初期に京都市の北部である、「丹の国」現在の京都府舞鶴市が発祥です。
日本の唐辛子の歴史
もともと、唐辛子を発見したのはコロンブスです。コロンブスはインドと間違えて上陸したカリブ海イスパニョーラで、唐辛子を発見しました。その後スペインへ持ち帰り、世界へ徐々に伝わっていきました。唐辛子が日本に伝来したのは戦国時代(室町時代後期)ごろといわれています。伝わった唐辛子は辛みが強く、漢方薬などの薬用として利用されるほか、観賞用としても人気がでました。
万願寺とうがらしの名前の由来
万願寺とうがらしの名前の由来は、鎌倉時代に京都府舞鶴市に創建された「満願寺」のある周辺地域の字(あざ)の名前とされています。その地域の農家が栽培したことをきっかけとして広がりました。ちなみに現在の満願寺の本堂にあるご本尊は33年に1度公開される秘仏です。
万願寺とうがらしの特徴
とうがらしは辛い料理によく使われます。万願寺とうがらしは見た目や名前と違ってとても食べやすいです。万願寺とうがらしの味や栄養素をあわせてご紹介します。
万願寺とうがらしの味
万願寺とうがらしは甘味があります。万願寺とうがらしの大きさは15cmほどあって唐辛子よりも大きいので肉厚で食べごたえもあります。
万願寺とうがらしの栄養素
万願寺とうがらしに含まれる主な要素はビタミンCです。ビタミンCは疲労回復効果や、肌を健康的に保つサポートをしてくれます。またβカロテンも豊富に含まれています。βカロテンは抗酸化作用による風邪予防などの免疫保持、粘膜の健康維持を助けてくれます。万願寺とうがらしのおいしい季節は、体調を崩しやすい季節でもあります。旬のものを食べて体調維持につなげましょう。
万願寺とうがらしとししとうの違い
ししとうと万願寺とうがらしの大きな違いはサイズです。万願寺とうがらしの大きさが15cmほどあるのに対して、ししとうの大きさは10cmほどです。ほかにも実の厚さは、万願寺とうがらしのほうが厚く、実の色も万願寺とうがらしは緑色のままですが、ししとうは時が経つと、ピーマン同様に赤くなります。
万願寺とうがらしの食べ方とレシピ
万願寺とうがらしは京都のおばんざいの中でも夏の京野菜として人気のある野菜です。万願寺と人気の食べ方である焼き唐辛子の焼き方の目安や、ご飯のおともになる食べ方、お弁当にピッタリの食べ方もご紹介します。
レシピ①焼き万願寺とうがらし
材料(2人前)
- 万願寺とうがらし:6本
- しょうゆ:お好みで
- かつおぶし:お好みで
- サラダ油:適量
作り方
- 万願寺とうがらしをよく水洗いする
- 万願寺とうがらしが爆ぜないように皮に切れ目を入れる
- フライパンを中火で熱して、サラダ油をひき焼く
- 焦げ目がついてきたらひっくり返して両面焼く
- お皿にのせ、お好みでかつおぶしとしょうゆをかければ完成です
レシピ①焼き万願寺とうがらしの焼き方のポイント
- フライパンより、グリルのほうが焦げ目がつきやすく香ばしいです
レシピ②万願寺とうがらしとなすの焼き浸し
材料(2人前)
- 万願寺とうがらし:6本
- なす:1本
- だし汁:200mL※
- しょうゆ:大さじ1※
- 砂糖:小さじ2※
- お酒:小さじ2※
- お酒:小さじ2※
- ごま油:大さじ3
- みょうが:2個
作り方
- なすを洗いへたを切り、縦に割り、4等分する
- 等分したものを斜めに3等分し、あく抜きのため水にさらす
- 万願寺とうがらしをよく水洗いし、爆ぜないように切れ目を入れる
- フライパンを中火で熱しごま油を入れます
- 1と3をフライパンに入れ、皮目がしんなりしてくるまで炒めます
- ※の調味料をフライパンに入れ、沸騰後、5分程度煮る
- 火を止めて味を染み込ませる
- 7をお皿に盛り、千切りにしたみょうがを薬味としてのせ完成です
レシピ②万願寺とうがらしとなすの焼き浸しの調理ポイント
- ※の調味料を作るのが面倒であればめんつゆで代用を可能です(そうめんで食べるときの濃度より少し濃いめで作るのがおすすめです)
- ごま油を使うとコクがでます(サラダ油でも可、さっぱりとした味わいになります)
レシピ③万願寺とうがらしと塩こんぶ炒め
材料(2人前)
- 万願寺とうがらし:3本
- 塩こんぶ:10g
- サラダ油:適量
作り方
- 万願寺とうがらしを半分に割り、種を取りながらよく洗う
- 洗ったらへたを切り落とし、斜めに2mm程度に切っていく
- フライパンを中火にかけサラダ油を入れ、万願寺とうがらしを炒める
- ややしんなりしてきたら塩こんぶを入れ共に炒める
- 塩こんぶが万願寺とうがらしになじんできたら完成です(炒めすぎに注意しましょう)
レシピ④万願寺とうがらしとベーコン炒め
材料(2人前)
- 万願寺とうがらし:3本
- ベーコン:2枚(厚めがおすすめ)
- オリーブオイル:適量
- 塩:適量
- ブラックペッパー:適量(粗びきがおすすめ)
材料(2人前)
- 万願寺とうがらしを半分に割り、種を取りながらよく洗う
- 洗ったらへたを切り落とし、斜めに2mm程度に切っていく
- ベーコンも2mm程度の大きさに切る
- フライパンを中火にしオリーブオイルを入れ、熱したらベーコンを入れ炒める
- ベーコンの油が出てきたら、万願寺とうがらしを入れ炒める(万願寺とうがらしの食感を残すために炒めすぎに注意しましょう)
- 塩とブラックペッパーで味付けをし完成
レシピ⑤万願寺とうがらしのちりめんじゃこいため
材料(3人分)
- 万願寺とうがらし:6本
- ちりめんじゃこ:20g
- しょうゆ:大さじ1※
- お酒:大さじ1※
- みりん:大さじ1※
- サラダ油:大さじ1
作り方
- 万願寺とうがらしを半分に割り、種を取りながらよく洗う
- 洗ったらへたを切り落とし、斜めに3mm程度に切っていく
- フライパンを中火に熱し、サラダ油を入れ万願寺とうがらしを炒める
- 万願寺とうがらしに火が通ってきたら、ちりめんじゃこを入れさらに炒める
- ※の調味料を入れ、全体に味がなじんだら完成
レシピ⑤万願寺とうがらしのちりめんじゃこいためをつくる上での注意
- しらすではなくちりめんじゃこを使いましょう(しらすとじゃこの違いは含んでいる水分量の違いです)
まとめ
万願寺とうがらしは、普段食べる唐辛子よりも大きいので辛いイメージを持つ方もいるでしょう。実は辛みはなく甘味があり食べやすいです。万願寺とうがらしは夏の京野菜として使われており、その栄養素も暑い夏を乗り切るにはもってこいの野菜です。万願寺とうがらしは食感がよいので、焼き方などの火の入れ方に注意しましょう。今回ご紹介した食べ方は、どれも簡単なのでおつまみやお弁当にもぜひ取り入れてみてくださいね。