ヒメユズリハの管理方法
公園の木や街路樹だけでなく、縁起木や記念樹としても利用されているヒメユズリハ。成長スピードがゆっくりなので手入れが簡単で、初心者でも育てやすいといわれています。そんなヒメユズリハを、庭木として育てる場合の管理方法をご紹介します。
管理方法①環境
日当たりのよい場所で育てると、ヒメユズリハの葉付きがよくなります。耐陰性もあるため、半日陰や建物の陰になるような場所で育てても問題なく育つのが特徴です。しかし、全く太陽の光が当たらない場所で育てると、枝だけが間延びしてしまうので注意しましょう。やや湿り気のある環境を好むため、風通しのよすぎる場所や用土が乾きやすい場所は向いていません。
管理方法②用土
ヒメユズリハを育てる用土は、水もちがよく粘土質の土壌が適しています。基本的には地植えで育てる植物なので、地面の土に腐葉土や堆肥を加えて、よく耕した用土に植え付けてください。乾燥が苦手なため、砂質の土壌では上手に育たない場合があります。そのため、しっかりと土壌改良をしてから植え付けるのがポイントです。
管理方法③植え付け
ヒメユズリハの植え付けは3月〜5月か、9月〜10月が適期です。園芸店などで、苗の状態で購入したヒメユズリハを植え付けていきましょう。苗を植える場所をあらかじめよく耕しておき、株よりもひと回り大きな植え穴を掘っておきます。苗が倒れないように土をかぶせて固定し、たっぷりと水を与えてください。完全に根付くまでは水切れに注意しながら育てましょう。
管理方法④水やり
植え付け後にしっかりと根付いてしまえば、基本的には雨水のみで十分なため、水やりの必要はありません。しかし、乾燥が苦手な性質があり、水切れを起こすと葉が茶色に変色し、枯れ込んでしまう恐れがあります。そのため、あまりにも雨が降らず地面の土が乾燥しすぎているようならば、様子をみながら適量の水を与えてください。
管理方法⑤肥料
肥料を与えなくても育ちますが、成長が滞っている場合や葉付きが悪いようならば、2月〜3月にかけて肥料を与えましょう。鶏ふんや堆肥など、栄養分を多く含んでいる有機質肥料がおすすめです。また植え付けの用土に元肥として、緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおいても構いません。
管理方法⑥剪定
ヒメユズリハの剪定は6月か12月に行います。6月は花が咲き終わってから、12月は実が落ちてから剪定するのがポイントです。内側の葉が込み入っている部分や、外に伸びすぎた枝を剪定していきましょう。ヒメユズリハは、成長がゆっくりなため剪定しなくても問題ありませんが、適度に剪定を行うと風通しがよくなり病害虫対策にも役立ちます。
ヒメユズリハの病気と害虫
ヒメユズリハは比較的丈夫な植物ですが、雨の続く時期や新芽が伸びてくる時期には病気や害虫被害を受けやすくなります。剪定をして風通しをよくしたり、葉の裏側までよく観察したりしながら育てましょう。ヒメユズリハの注意すべき病害虫被害についてご紹介します。
こぶ病
こぶ病は、雨が長く続いて湿度が高い状態のときに発生しやすい病気です。感染した部分に豆粒ほどの大きさの「こぶ」ができるのが特徴で、栄養分を運ぶ組織が壊されてしまいます。こぶはどんどんと成長し、放っておくと内部が腐敗してしまうので注意が必要です。こぶが発生した部分は治せないので、早めに切り取って処分しましょう。
さび病
さび病はカビの菌糸が原因で発生する病気で、感染した部分が白色や褐色になり腐敗していくのが特徴です。葉の部分に発症しやすく、感染した部分の光合成ができなくなるので、成長が滞ってしまったり、枯れてしまう恐れがあります。適度に剪定を行い、込み入っている部分を減らして風通しをよくすると予防ができます。
ハマキムシ
ハマキムシは漢字で「葉巻虫」と表記され、名前のとおり葉を巻くようにしてヒメユズリハを食害する害虫です。寄生されると光合成が妨げられたり、必要な栄養分を吸い取られたりして枯れてしまう恐れがあるので、すぐに殺虫剤を散布して駆除しましょう。新芽の時期に卵を産み付けるので、水やりのときに葉の裏側までチェックしておくと安心です。
まとめ
ヒメユズリハの樹木としての特徴や病害虫対策、庭木としての管理方法などをご紹介しました。耐陰性があり、半日陰や建物の陰などほかの植物が育ちにくい場所でも栽培できるのが魅力で、美しい葉や花、かわいらしい実もつけてくれる魅力的な植物です。素敵な花言葉をもち、縁起木としても親しまれているヒメユズリハを、ぜひ自宅の庭で育ててみてくださいね。
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