ユリ科の花・植物・野菜⑦~⑨<クロンキスト体系>
⑦グロリオサ
名前 | グロリオサ、キツネユリ |
学名 | Gloriosa |
科名(APG体系) | イヌサフラン科グロリオサ属 |
(クロンキスト体系) | ユリ科 |
原産地 | アフリカ、熱帯アジア |
開花時期 | 6月~9月 |
花言葉 | 栄光、情熱、勇敢 |
グロリオサの特徴と種類
グロリオサは情熱的な花色と、反り返った花びらの形が魅力的な花で、葉が巻きヒゲになるのも特徴的です。露地栽培の開花は夏ですが、切り花は1年中出回っていてアレンジメントなどによく使われています。原種ロスチャイルディアナ系(赤と黄色)のほかに、パールホワイト(白)、ヴィレッセンス(淡いオレンジ色)、ピンクレティ(ピンク色)などの花色も人気です。
ユリとの違いと毒性
ユリの仲間と呼ばれてきたグロリオサは、APG分類ではユリ科を離れ、イヌサフラン科の植物に定義されています。ユリ科のユリとの大きな違いは、グロリオサの根には強い毒性があることです。
⑧スズラン
名前 | スズラン、鈴蘭、君影草 |
学名 | Convallaria |
科名(APG体系) | キジカクシ科スズラン属 |
(クロンキスト体系) | ユリ科 |
原産地 | アジア、ヨーロッパ |
開花時期 | 4月~5月 |
花言葉 | 純粋、幸福の訪れ |
スズランの特徴と種類
スズランは、春の訪れを告げる愛らしい花です。明るいグリーンの長い葉の間に花茎を伸ばし、小さなベル型の白い花を総状に付けます。日本に自生するスズランは中部以北の涼しい地域に分布し、葉に隠れるようにひっそり咲きます。一般に広く栽培されているのは芳香のあるドイツスズラン系の品種です。
スズランの分類
スズランは、クロンキスト体系ではユリ科に、APG体系では第2版まではスズラン科に分けられていました。ユリ科やスズラン科といわれていても間違いではありません。
⑨ヒヤシンス
名前 | ヒヤシンス、風信子 |
学名 | Hyacinthus orientalis |
科名(APG体系) | キジカクシ科ヒヤシンス属 |
(クロンキスト体系) | ユリ科 |
原産地 | ギリシャ、トルコ、イラン、シリアなど |
開花時期 | 3月~4月 |
花言葉 | 悲しみを超えた愛、スポーツ |
ヒヤシンスの特徴と種類
ヒヤシンスは、ギリシャ神話の美少年の名をもつ、秋植えの球根植物です。たくさんの小さな花が総状に集まり、その端正な姿は春の庭を明るくしてくれます。水栽培できる花としてもポピュラーですね。オスマン帝国時代に園芸品種が作られるようになり、青紫のほか、白、ピンク、オレンジ、黄色などカラフルな花色がそろっています。
分類の変遷
ヒヤシンスは、クロンキスト体系ではユリ科に、ダールグレン体系とAPG第2版ではヒヤシンス科に、APG第3版ではキジカクシ科に分類されています。
ユリ科の花・植物・野菜⑩~⑫<クロンキスト体系>
⑩ギボウシ
名前 | ギボウシ、ホスタ、ウルイ |
学名 | Hosta |
科名(APG体系) | キジカクシ科ギボウシ属 |
(クロンキスト体系) | ユリ科 |
原産地 | 日本、東アジアの温帯地域 |
開花時期 | 7月~8月 |
花言葉 | 落ち着き、変わらぬ思い |
ギボウシの特徴
ギボウシ(ホスタ)は、日本や東アジアの温帯に自生する多年草です。耐寒性・耐暑性ともに強く、日陰でよく育ちます。薄紫から白色の花を総状に付け、地上部は冬には枯れます。美しい葉はヨーロッパで人気となり、日陰をしゃれた庭に演出する魅力的な存在です。
花の色は違うけど、ユリを小さくしたような形ですね。
ギボウシの種類
ギボウシには、斑入りや葉の色合い、質感の異なるさまざまな品種があります。葉の縁が金色の「金星」、くっきりした幅広の白い縁取りの「パトリオット」、青っぽい葉の「ハルシオン」などが人気です。
⑪アスパラガス
名前 | アスパラガス |
学名 | Asparagus |
科名(APG体系) | キジカクシ科クサスギカズラ(アスパラガス)属 |
(クロンキスト体系) | ユリ科 |
原産地 | 地中海沿岸地域 |
野菜としての旬 | 4月 |
花言葉 | 普遍、勝利の確信 |
アスパラガスの特徴と名前の由来
アスパラスは、ギリシャ語で新芽を意味する多年草で、地表に出て間もない柔らかな新芽(茎)が食用になります。江戸時代に観賞用として日本にやってきましたが、食用の栽培が進んだのは明治の頃です。成長すると茎が伸び、葉(退化した茎)が繁ってキジを隠すほどだということで、キジカクシと呼ばれていました。ベル型の小さな白い花が咲き、赤い実を付けます。
ボタ爺
アスパラには、アスパラギン酸というアミノ酸や各種ビタミンが豊富に含有されとるんじゃよ。
⑫タマネギ
名前 | タマネギ、玉葱 |
学名 | Allium cepa |
科名(APG体系) | ヒガンバナ科ネギ属 |
(クロンキスト体系) | ユリ科 |
原産地 | 中央アジア |
野菜としての旬 | 5月~7月 |
花言葉 | 不死 |
タマネギの歴史と特徴
タマネギは中央アジアが原産とされ、紀元前にエジプトですでに栽培されていました。日本には江戸時代に長崎に伝わりましたがもっぱら観賞用で、食用の栽培が始まったのは明治になってからです。鱗茎(球根)と葉が食べられます。花は星形で、茎の頂に小さな花がボール型にこんもり寄せ集まって咲きます。
ボタニ子
ネギ坊主だね!
タマネギの分類
タマネギ、ネギ、ラッキョウ、ニンニク、エシャロットなどはクロンキスト体系ではユリ科です。また、ダールグレン体系やAPG体系の第2版では独立したネギ科のグループでした。現在のAPG第3版では、これらはヒガンバナ科ネギ属に分類されています。
まとめ
ユリ科には、切り花やガーデニングの人気植物、身近な野菜、そして可憐な山野草が数多く含まれていますね。ユリ科の定義や分類の歴史も、植物それぞれの特徴や違いが関わっていて興味深いものです。
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出典:写真AC