スペアミントってどんなミント?ペパーミントとの違いや特徴をご紹介!

スペアミントってどんなミント?ペパーミントとの違いや特徴をご紹介!

スペアミントとは、ペパーミントのような清涼感のある香りが特徴的なハーブです。ペパーミントよりも香りが柔らかく、その用途は歯磨き粉やお菓子や飲み物の香りづけなどさまざまです。そこで今回は、スペアミントがどのようなミントなのか詳しく解説します。

記事の目次

  1. 1.スペアミントってどんな植物?
  2. 2.スペアミントの特徴
  3. 3.スペアミントとペパーミントの違い
  4. 4.スペアミントの効果・効能
  5. 5.まとめ

スペアミントってどんな植物?

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スペアミントは清涼感のある香りが特徴的で、世界に数百種以上あるといわれているミントの中で代表的なものの1つです。スペアミントの歴史は古く、紀元前から消臭やネズミ除け、料理やハーブティーなどに使われてきました。

基本情報

学名 Menha Spicata
英名 spear mint
和名 ミドリハッカ(緑薄荷)オランダハッカ(和蘭薄荷)
属名 シソ科ハッカ属
原産地 地中海沿岸地域、北アフリカ
草丈 20~100cm
開花時期 7~9月
花の色 薄紫・白

名前の由来

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スペアミントの「スペア」の語源は「spear(槍)」です。スペアミントの葉の形が、槍の穂先に似ていることからこの名前が付けられました。「ミント」という名前は、ギリシャ神話に登場する香りのよい雑草に姿を変えられた美しい妖精「メンテ」が語源です。

和名「緑薄荷」の由来

スペアミントの和名「緑薄荷(みどりはっか)」です。「薄荷」という名前は、ミントの葉を蒸留して採る油の量が極わずかで、運ぶときに荷物が薄くなることから付けられたといわれています。

スペアミントの特徴

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スペアミントは数百種あるとされるミントの仲間の中で、もっとも古くから栽培されているほどポピュラーなハーブです。スペアミントがもつ成分はほかのミント類にはないもので、匂いや葉の形などにも特徴があります。

特徴①葉

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スペアミントの葉は明るい緑色で、長さ5~9cmほどの大きさのものが左右に対で生えます。葉の形は細長いものや卵型のものがあり、葉先が尖っていますが丸みを帯びていて槍の穂先のような形をしているのが特徴です。葉の縁がギザギザしていて、ペパーミントに比べると葉の表面がでこぼこしているのが見分けるポイントです。

特徴②花

スペアミントの花は、6~9月ごろ約4~5mmほどの白や薄紫色の小さな花を花茎の先に穂状に咲かせます。スペアミントの花はシソ科の植物特有の唇状花で、下唇の縁が3つに裂けており、花びらが4枚あるように見えます。花からおしべが長く飛び出しているのが特徴です。

特徴③香り・味

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スペアミントの香りの主な成分は「l(エル)-カルボン」という物質です。ほかのミント類に比べると香りは柔らかく、清涼感のあるスースーした刺激も弱めです。味は苦みが強いですが、ほのかな甘みも感じられます。この香りから葉は料理に使われることが多く、生のものや乾燥したもの、葉から作られるエッセンスなどが利用されています。

料理での使い方

スペアミントのフレッシュな葉は、ケーキやアイスの添え物やハーブティーやモヒートなどに使用されます。ただし苦みや青臭い匂いがあるため食べるのは少量のみです。ハーブティーやモヒートも葉は食べません。乾燥した葉はヨーロッパや中東で羊肉料理によく使われ、エッセンスはキャンディーやガムなどに使用されています。

スペアミントとペパーミントの違い

スペアミントとペパーミントは同じミント属の植物で、見た目や香りが似ていることから間違えられやすいハーブです。しかし、香りの元となる成分が全く異なるため、使い方にも多少違いがあります。

ペパーミントとは

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ペパーミントは別名「西洋ハッカ」とも呼ばれ、アイスやガム、歯磨き粉や医療品などに使われる日本でもポピュラーなミントです。ペパーミントはスペアミントとウォーターミントが自然交配して生まれた品種で、刺激の強い風味がコショウのようであることから「pepper(ペッパー)」の名前が付けられました。

違い①香り・味

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スペアミントとペパーミントの大きな違いは香りです。ペパーミントの香りの主な成分は「l(エル)-メントール」という物質で、スペアミントよりも強い刺激の清涼感と香りがします。味は苦みがあり、スペアミントのような甘さはありません。

違い②葉の形

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ペパーミントの葉はスペアミントよりも濃い緑色で、長さ4~9cmほどのものが左右で対に生えます。葉の形は細長く葉先がスペアミントよりも尖っているのが特徴です。また葉の縁にスペアミントよりも細かいギザギザがあり、葉の表面はしわがなく葉脈がはっきりしているのも、見分けるための大きなポイントです。

特徴③用途

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ペパーミントの香りは砂糖と相性がよいため、お菓子やハーブティーなどに使われています。香りの主成分メントールの効能は、鎮痛・殺菌・鎮痒・胃の機能の活性化・鼻づまりの解消などがあるとされ、シップや痒み止め、胃薬や鼻炎薬などにも使われています。ただし、乳幼児や妊婦・授乳婦には禁忌となっているため注意してください。

スペアミントの効果・効能

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スペアミントには、l-カルボンをはじめリモネンやシネオール、タンニンなどの成分が含まれています。これらの成分にはそれぞれ効能があるとされ、それに合わせた用途や使い方があります。

効果①リラックス効果

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スペアミントに含まれる成分には、リラックス効果や中枢神経を刺激する作用があるといわれます。ストレスが溜まっているとき、気持ちを落ち着けたいとき、リフレッシュしたいときなどに適しています。スペアミントのハーブティーやスペアミントの香油を使ったアロマテラピーなどがおすすめです。

効果②殺菌効果・消臭効果

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スペアミントは殺菌効果や消臭効果があるとされ、古くから口臭予防や虫歯予防の目的で歯磨き粉に使用されてきました。近年でも口臭を抑えるためにガムやタブレットなどに使用されています。また喉や鼻の炎症を抑えるのにも効果が期待され、うがい薬やのど飴、鼻炎薬などにも使われています。

効果③胃や腸の調子を整える効果

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スペアミントには腸内に溜まったガスを出しやすくするなど、腸の働きを助ける効果があるとされます。腸内の環境を整えることに役立つでしょう。また爽快感が胃のむかむかを和らげてくれるため、二日酔いや乗り物酔いにも効果があるといわれています。このような効能から、胃腸薬や酔い止めなどに使用されています。

効果④虫よけ

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スペアミントのにおいは虫が嫌いなにおいです。蚊やゴキブリなどの害虫を寄せ付けなくする効果があります。また、市販の虫よけスプレーに比べて人体に悪影響を及ぼさないため、小さな子どもにも安心して使えるでしょう。スペアミントを使った虫よけスプレーは、45mLの水に5mLのエタノールとスペアミントの精油を10~20滴混ぜるだけで作れますよ。

まとめ

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スペアミントは大昔から人間に利用されてきたハーブです。同じミント属のペパーミントと姿形はよく似ていますが、その主成分は全く違うもので、香りや効果にも違いがあります。用途や使い方もスペアミントとペパーミントとでは多少違っています。購入するときには、紹介した見分けるポイントを参考にしてください。

ayamasa2223
ライター

ayamasa2223

植物が好きでプランターでのお花や野菜の栽培の勉強中です。どうぞよろしくお願いします。

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