だだちゃ豆とは?味や見た目は普通の枝豆とどう違う?有名な産地は?

だだちゃ豆とは?味や見た目は普通の枝豆とどう違う?有名な産地は?

だだちゃ豆は山形県で収穫されるとても珍しい枝豆です。江戸時代から枝豆農家が何百年にもわたって生産している枝豆で「枝豆の王様」ともいわれています。この記事では、だだちゃ豆と普通の枝豆の違いや、有名な産地などについて紹介します。

記事の目次

  1. 1.だだちゃ豆とは
  2. 2.だだちゃ豆と普通の枝豆との違い
  3. 3.だだちゃ豆の産地
  4. 4.まとめ

だだちゃ豆とは

Photo bytakedahrs

だだちゃ豆は、全国で8種類しかないブランド枝豆の1つです。土地の栄養を吸っておいしく育つため、幅広い世代に人気があります。

だだちゃ豆の基本情報

科名 マメ科
属名 ダイズ属
原産地 東アジア
開花時期 6月〜7月
花の色

名前の由来

だだちゃ豆の名前は、山形県の方言である「だだちゃ」にちなんでいます。だだちゃは親父やお父さんなどの意味をあらわす方言です。また、江戸時代にだだちゃ豆を見た藩主が「この枝豆はどこのだだちゃのものだ」とたずねたからだともいわれています。

だだちゃ豆と普通の枝豆との違い

だだちゃ豆は山形県固有の枝豆で、普通の枝豆とは味や特徴に違いがあります。この項目では、だだちゃ豆と普通の枝豆の違いなどについて紹介します。

だだちゃ豆は普通の枝豆よりも風味と香りが豊かです。だだちゃ豆には「アラニン」という旨味成分が豊富にふくまれています。このアラニンが強い香りの元です。芳醇な香りがだだちゃ豆本来の風味をさらに増幅させ、豆の味を引き立てています。

だだちゃ豆の甘味

だだちゃ豆は普通の枝豆よりも風味や香りが豊かですが、甘味も高いです。だだちゃ豆の甘味は「とうもろこしのよう」と表現されることがあり、食べると旨味と一緒に甘味も広がります。もともと強い甘味ですが、塩をふることでさらに甘味が強くなります。

見た目

普通の枝豆には白く小さな産毛が生えていますが、だだちゃ豆には茶色い産毛が生えています。茶色い産毛が生えている種類の枝豆は別名の「茶豆」と呼ばれ、全国でも5種類ほどしか栽培されていません。また、普通の枝豆と比べてさやのくびれがはっきりしているという特徴もあります。

見た目はきれいではない

だだちゃ豆は全体的に茶色で、産毛や薄皮が汚れと間違われることもあります。また、くびれが深いとさやが曲がっているように見えてしまうため、あまり形もよくありません。しかし、味や栄養は普通の枝豆よりも高いです。見かけたら「形も色もよくない」と避けずに、ぜひ手にとってみてください。

栄養

だだちゃ豆は普通の枝豆よりも栄養価が高く、特にオルニチンが多くふくまれています。シジミに多くふくまれていることで有名なオルニチンですが、だだちゃ豆にはその2倍ほどのオルニチンがあります。普通の枝豆もほかの野菜と比べるとオルニチンを多くふくんでいますが、だだちゃ豆はその中でも群をぬいて多いです。

ヘルシーフードとして注目

だだちゃ豆にふくまれているオルニチンには、疲労軽減や目覚めの改善などが期待できます。だだちゃ豆は料理しなくてもそのまま食べられることから、海外でもヘルシーフードとして人気です。栽培数は少ないものの、栄養価が高いためダイエット中でも手軽に食べられます。

粒の数

普通の枝豆は3粒の豆が入った3粒ざやが多いですが、だだちゃ豆は「2粒ざや」の確率が高いです。全体のおよそ60〜80%が2粒ざやで、これは3粒ざやがなりにくいという特徴によるものです。そのため粒の数は、だだちゃ豆を見分けるときの目印としても使われることがあります。

だだちゃ豆の産地

だだちゃ豆は生産地が1つしかない、とても貴重な枝豆です。豊富な土壌を持つ地域でしか育てられず、そのため「幻の枝豆」とも呼ばれています。この項目では、だだちゃ豆の有名な産地などについて紹介します。

山形県鶴岡市

だだちゃ豆は、山形県鶴岡市の2つの地区で栽培されています。鶴岡市には根粒菌が好む独特の土壌や、川から立ちのぼる朝もやなどだだちゃ豆の好む条件がそなわっています。そのためデリケートな植物のだだちゃ豆も、風味が落ちることなく栽培が可能です。

鶴岡市以外では栽培が難しい

鶴岡市の土壌はだだちゃ豆ととても相性がよいため栽培ができますが、そのほかの地域では栽培が難しいといわれます。ほかの地域で栽培できたとしても、土壌の違いによって独特な味や風味などの本来の特性が失われてしまいます。そのため、だだちゃ豆は古くから鶴岡市のみで生産されてきました。

鶴岡市白山地区

白山地区で栽培されるだだちゃ豆は、品質や風味が高いことで有名です。わずか30軒ほどの枝豆農家が代々だだちゃ豆を栽培しています。白山村産だだちゃ豆は栽培数が少ないことから、だだちゃ豆の中で希少価値があります。

鶴岡市寺田地区

白山地区はだだちゃ豆発祥の地といわれていますが、最初のだだちゃ豆の種は寺田地区のものでした。その種を寺田地区が白山地区に分けあたえ、両方の地区が栽培を始めたという歴史があります。寺山地区も高い水準のだだちゃ豆を生産しており、白山地区に負けないほど出荷しています。

鶴岡市以外の地域

鶴岡市以外の地域で栽培されただだちゃ豆を「特撰だだちゃ豆」と呼びます。土壌や条件などは鶴岡市と違うものの、山形県の特産品を販売しているお店が直接選別したものです。白山地区や寺田地区のだだちゃ豆よりも安く手に入り、リーズナブルで人気です。

まとめ

だだちゃ豆は、普通の枝豆よりも風味などがよい特別な枝豆です。また、3つの産地から好みのだだちゃ豆を選ぶこともできます。鶴岡市の直売所に行くと新鮮なものが手に入ります。ぜひ購入して、だだちゃ豆の豊かな味わいを楽しんでみてください。

シロクマ
ライター

シロクマ

植物の中でも、多肉植物が特に好きです。 ゆるりとやっているので、よろしくお願いします!

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