クリンソウ(九輪草)の育て方!種まき冬場の管理方法などをご紹介!

クリンソウ(九輪草)の育て方!種まき冬場の管理方法などをご紹介!

クリンソウ(九輪草)は渓流や湿原など、湿度の高い所に咲く日本原産の山野草です。北海道から四国までの山間部に生息し、日光など有名な群生地もあります。そんなクリンソウ(九輪草)を自宅で育てたい方へ、種まきから冬場の管理まで、詳しい育て方をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.クリンソウ(九輪草)について
  2. 2.クリンソウ(九輪草)の育て方①日当たり・置き場所
  3. 3.クリンソウ(九輪草)の育て方②用土
  4. 4.クリンソウ(九輪草)の育て方③水やり
  5. 5.クリンソウ(九輪草)の育て方④肥料
  6. 6.クリンソウ(九輪草)の育て方⑤植え替え
  7. 7.クリンソウ(九輪草)の育て方⑥増やし方
  8. 8.クリンソウ(九輪草)の育て方⑦病害虫
  9. 9.クリンソウ(九輪草)の育て方⑧季節別の管理
  10. 10.まとめ

クリンソウ(九輪草)について

クリンソウ(九輪草)ってどんな花?

奥日光などに群生する

クリンソウはサクラソウによく似た日本原産の山野草です。冷涼で湿気の多い所を好むので、山間部の渓流地や湿原などで生息しています。花期は4月~6月で、赤紫やピンク、白の花を下から上へ順に咲かせながら、80cmほどの高さまで伸びていきます。奥日光など、クリンソウが群生している有名な場所もありますが、環境さえ合えば、自宅の庭でも栽培することができます。

クリンソウ(九輪草)の名前の由来

クリンソウは漢字では「九輪草」と書きます。「九輪」というのは、お寺にある塔や仏閣の屋根の頂上にある9個の輪状の飾りのことで、クリン草の花がこの九輪にそっくりなことが名前の由来とされています。そう言えば確かに、輪のような花を7~9段ほど咲かせながら上へと伸びていく花姿とよく似ていて、九輪か名前の由来というのも納得できますね。

クリンソウ(九輪草)の育て方①日当たり・置き場所

強い日差しを避けて半日陰て育てる

クリンソウはもともと山間部の森や湿原が生息地なので、強い日差しが苦手で半日陰を好みます。しかし、全く日光が当たらないと花付きが悪くなるので、春の開花時期には適度な日当たりがある場所で育てることをおすすめします。

庭植えの場合は木漏れ日が当たるような場所

クリン草を庭植えにする場合は、大きな木の下で木漏れ日が当たるような場所がいいですね。置き場所が変えられる鉢植えにするのもいいかもしれません。花が咲いている間は日当たりへ、花が終わったら日陰へ置き場所を移しましょう。

クリンソウ(九輪草)の育て方②用土

保水性があり、なおかつ排水性がいい土に植える

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クリンソウは強靭な性質を持っている山野草なので、とくに用土に気をつける必要はありません。ただ、適度な湿度が必要なので保水性があるもの、しかも排水性もある用土を準備してください。赤玉土や鹿沼土を7割、軽石などを3割で配合したものを用土にするといいでしょう。園芸店では「山野草の土」も市販されているので、これを利用すると便利です。

クリンソウ(九輪草)の育て方③水やり

水切れには要注意!こまめに水やりをする

クリンソウを育てる上で最も気をつけないといけないのは水やりです。もともとクリン草は川沿いや湿原など、水分が豊富な場所で自生する植物なので、水不足にならないようにこまめに水やりをしなければいけません。晴れて気温が高い日には、地表が乾いていたらたっぷり水やりしましょう。特に鉢植えにしたものは水切れしやすいので、こまめに水を与えてあげることが大切です。

クリンソウ(九輪草)の育て方④肥料

肥料は特に必要なし、薄めの液肥を与える程度でいい

クリンソウは一般的な山野草と同じように、それほど肥料は必要としません。ただ、花が咲いている間は養分をたくさん必要とするので肥料を与えましょう。薄めの液体肥料を2週間に1回程度与える程度で大丈夫です。次々とつぼみができて花数も多くなり、株も元気になります。花が終わったら長い茎だけが残ってしまうので、伸びた茎を短く剪定してください。

クリンソウ(九輪草)の育て方⑤植え替え

植え替えは春先か秋に、鉢植えは毎年植え替える

クリンソウを庭植えした場合はそのまま植えっぱなしでも大丈夫です。根がどんどん広がっていくので、環境が合えば株も増えていきます。ただ、鉢植えの場合は根の生育がいいので、どうしても根詰まりしてしまいます。年に一回、ひと回り大きな鉢に植え替えをすることが必要です。植え替えの時期は、葉が出始める2~3月頃か、咲き終わって休眠期に入る9~10月頃がいいでしょう。

クリンソウ(九輪草)の育て方⑥増やし方

種まきでの増やし方

できたての種を採ったらすぐにまく

クリンソウの種は花が終わった6~7月にできます。できたばかりの種は緑色のものですが、その状態でもまいて大丈夫です。逆に乾燥して茶色くなると発芽しにくくなります。また冬の寒さを体験させないと発芽しないので翌年の春まで待たず、採ったらすぐにまくようにしてください。

まいた後は乾燥に注意

ビニールポットや小さな鉢に種をまいたら、乾燥させないように気をつけながら適度に水を与えましょう。発芽は翌年の春なのでしばらく待つことになりますが、それまでしっかり管理することが大切です。

株分けでの増やし方

植え替え時に株分けをする

クリンソウを植え替えする時が株分けのチャンスです。大きく育った株をよく切れるナイフなどの刃物で丁寧に切り分けて、新しい場所に植え込みます。その場合、翌年の春には花が咲かないかもしれませんが、株分けして何年か経って大きくなったら見事にたくさんの花が咲くことでしょう。

種まきよりも株分けの方が成功率が高い

種まきよりも株分けの方が成功率が高く、増やし方としては簡単です。クリンソウは何年かすると突然枯れてしまうこともあるので、予備のためにも親株から株分けして増やしておくと安心ですね。

クリンソウ(九輪草)の育て方⑦病害虫

ヨトウムシやアオムシ

Photo byzoosnow

葉や花を食い荒らす

ヨトウムシやアオムシは、春になると産み付けられた卵からふ化してクリン草の葉を食べます。葉に穴が開いていたら、ヨトウムシやアオムシの仕業です。放っておくとあっという間に食い荒らされてしまいます。しかも、花が咲く頃にはつぼみや花びらも食べるので、せっかく楽しみにしている花が見られなくなってしまっては残念です。

駆除の方法

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早めに手や薬剤で駆除する

害虫は春先に多く発生するので、クリンソウの葉が出てきたら、こまめに見て回ることがポイントです。特に葉の裏側は要チェックです!被害が確認されたら早めに虫を見つけて手で取り除くか、スミチオンやオルトランなどの薬剤を散布することで退治することができます。あらかじめ薬剤を散布しておくと害虫の発生を予防することもできますよ。

クリンソウ(九輪草)の育て方⑧季節別の管理

春~夏の管理方法

春から夏にかけて水切れや日差しに注意!

クリンソウは春から夏にかけて、花が咲いてどんどん成長するので、水分は絶対切らさないようにしましょう。水切れすると急速に葉や茎が枯れて根も弱ってしまいます。特に夏場は1日に2回、朝夕に水を与えると安心です。

夏の直射日光や西日には注意

春の開花時期は明るい日当たりのいい所が望ましいのですが、夏は強い直射日光を避けるようにしましょう。特に西日には要注意です。鉢植えであれば、夏は日陰の涼しいところに置き場所を変えた方がいいですね。

秋~冬の管理方法

秋から冬にかけて休眠中でも水やりを!

クリンソウは秋から冬にかけて、だんだん成長をゆるやかにして、冬には地上の葉は無くなって完全に休眠に入ります。耐寒性はあるので、冬の寒さは心配する必要はありません。かえって寒い期間を過ごさせた方が、春の生育が良くなります。ただ、休眠期であってもカラカラに乾燥させてしまわないように気をつけましょう。降雨程度の水分でも十分なのですが、晴れて乾燥した日が続くようであれば少し水を与えてくださいね。

まとめ

もともとクリンソウは強い性質の植物なので育てやすい山野草です。環境さえ整えてあげれば自宅の庭でも毎年開花を楽しむことがてきます。適当な水分を与えることと強い日光を遮ることさえ守っていれば、特に手間をかけなくても育てることができますよ。お寺の九輪が名前の由来であるクリンソウは、花姿も崇高さを感じさせて神秘的な雰囲気もあります。そんなクリンソウをぜひご自宅のお庭でも育ててみませんか?

kurumi
ライター

kurumi

バラをこよなく愛しているから、とげに刺されたって負けない!

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