むくみとは
むくみとは、体内の水分バランスが崩れて起きる現象で、専門用語で「浮腫(ふしゅ)」ともいわれます。静脈やリンパ管の流れが悪くなることによって、血液中の水分や老廃物が血管の外に染み出し、皮ふの下に溜まってしまう状態のことを指します。
ボタニ子
むくみの原因
(1)塩分の摂りすぎ
たくさんの塩分を摂取すると、体は体内塩分濃度を下げるために、体内に水分を溜め込もうと働きます。体外に排出されるべき余分な水分まで抱え込んだ結果「むくみ」が生じます。
ボタニ子
塩分の1日の摂取量って、どれくらいまで大丈夫なのかしら?
ボタ爺
1日の塩分摂取量の目安は「約5~6g」じゃよ!摂りすぎには注意じゃ!
600 mg/日を成人における男女共通の推定平均必要量とした。
(2)血流の低下
オフィスワークなどで座っている時間が長い方は、足がむくむ機会が多いです。ふくらはぎの筋肉は、血液や水分を全身へ送り出すポンプのような働きをする場所です。ずっと座りっぱなしでいると筋肉を動かさないため、血流が悪くなります。その結果、血液は足に溜まった状態になり「むくみ」の原因になります。
(3)お酒の飲みすぎ
アルコールをたくさん摂取すると、血管を拡張させる働きを持つ「アセトアルデヒド」と呼ばれる物質が生まれます。血管が拡張することで、血管の隙間から水分が漏れ出します。漏れ出た水分こそが「むくみ」の原因なのです。
むくみ解消に効く成分とは
効果的な成分①カリウム
カリウムは、体内の水分と塩分のバランスを調整する作用を持っています。「カリウムを摂取→ナトリウムと結びつく→塩分を体外に出す→むくみが取れる」という流れで働きます。むくみ改善には必須の成分です。また、カリウムは水溶性なため、煮たりゆでたりすると栄養分が溶け出してしまいます。生の状態か、焼いて食べるのが効果的です。
効果的な成分②ビタミンE
ビタミンEは、体内のナトリウムを排出する働きを持っています。強い抗酸化作用も持ち合わせているため、体調不良の原因である「活性酸素の抑制」効果も期待できます。むくみ改善には積極的に摂りたい成分の1つです。また、ビタミンEは脂溶性なため、油とよく溶け合います。炒めたり揚げたりして食べるのが効率的です。
効果的な成分③タンパク質
タンパク質は、血管内の水分量を調整する働きを持っています。タンパク質が不足すると、血液中のたんぱく質濃度を上げるために、血管内から水分を排出しようとする働きが強まります。その結果、血管外に溜まる水分がむくみの原因です。むくまない体作りには、タンパク質は必須です。ただし、タンパク質は1回に大量摂取しても、全てを消化吸収できません。1日に数回に分けて摂取するのが効率的です。
効果的な成分④クエン酸
クエン酸は、「体内の老廃物を排出する」「新陳代謝を促す」効果が期待されています。「血行促進」「冷え予防」の働きを持っているため、むくみ解消の効果への期待も高いです。また、クエン酸は、体内への吸収を助ける働きを持つ「ビタミンC」と一緒に摂るのが効果的とされます。クエン酸自体にも、カルシウムやミネラルの吸収を手助けする作用があるため、これらの栄養素と一緒に摂るのがおすすめです。
効果的な成分⑤サポニン
サポニンは、体内に溜まった不要な水分の排出を促す、高い利尿作用を持っています。体内脂質の酸化を抑え、代謝をよくする作用があり、血流をよくする効果も期待できます。むくまない体作りに必要な成分です。また、サポニンは食べ物の皮などに含まれる、えぐみや苦み成分の1つです。食べやすくするには、茹でこぼしやアク取りするのがおすすめです。
むくみ解消に効果的な食べ物【野菜】
効果的な野菜①パセリ
パセリは、むくみに効く成分の中でも、特にカリウムの含有量の高い野菜です。塩分を摂りすぎた際は、パセリを食べるとむくみ解消に即効性が期待できます。ほかに、βカロテン、ビタミンC、鉄分、カルシウム、食物繊維、葉酸などが含まれており、貧血、高血圧、便秘予防などの効果が期待されています。
パセリ100gあたり「カリウム1000mg」「ビタミンE4.2mg」「タンパク質400mg」含まれている。
効果的な野菜②ほうれん草
ほうれん草はカリウムやビタミンEなどの、体内の塩分調整に欠かせない成分を多く含んだ野菜です。そのほかにも葉酸や鉄分も多く含んでおり、血流をよくする効果も期待できます。むくみ解消や予防のためにも、1日に1回摂取するのが理想です。
ほうれん草100gあたり「カリウム690mg」「ビタミンE2.3mg」「タンパク質220mg」含まれている。
効果的な野菜③にんにく
にんにくは、むくみに効果的な成分の中でもタンパク質含有量の多い野菜です。糖質やアルコールなどの代謝を助けるビタミンB群や、体内の水分量の調整作用を持つサポニンも含んでおり、効果的にむくみが取れる食べ物として活躍します。
にんにく100gあたり「カリウム530g」「ビタミンE0.3mg」「タンパク質640mg」含まれている。
効果的な野菜④とうもろこし
とうもろこしには、むくみ解消に効果的な成分がバランスよく含まれています。実の部分だけでなく、とうもろこしの髭(ひげ)が持つ、余分な水分を体外に出す「利水作用」は広く知られ、効果的にむくみが取れる野菜として人気が高いです。髭は、お茶やスープなどの飲み物に加工すると摂取しやすいです。
とうもろこし100gには「カリウム290mg」「ビタミンE1.3mg」「タンパク質360mg」含まれている。
効果的な野菜⑤キュウリ
キュウリは体を潤しながら余分な熱を冷ます働きをする夏野菜です。キュウリ自体に多くの水分が含まれているため、暑い日に「のどが渇いたけれど、むくみが気になって水分が飲めない」方におすすめです。料理しなくてもそのまますぐに食べられるため、手軽にむくみが取れる野菜として人気があります。
キュウリ100gあたり「カリウム200mg」「ビタミンE0.3mg」「タンパク質100mg」含まれている。
「朝、まぶたが腫れぼったい」「夕方、足が腫れて靴が履けない」「指輪が指から外れない」これって全部「むくみ」が原因だったのね!