イチゴノキ(ストロベリーツリー)とは?
科目:ツツジ科イチゴノキ属 | 樹高/草丈:2m~10m |
花の色:白、ピンク | 原産地:地中海沿岸、アイルランドなど |
開花時期:11月~12月 | 果実が実る時期:9月下旬~11月 |
耐寒性:普通 | 耐暑性:普通 |
イチゴノキ(ストロベリーツリー)とは、ツツジ科の常緑木本植物で、バラ科の苺とは別の植物です。イチゴノキの果実が苺に似ていることから、イチゴノキと名付けられ、ストロベリーツリーという別名も持っています。木になる実は丸くて赤く色づき、とても可愛いらしく、庭木として人気です。
イチゴノキ(ストロベリーツリー)の特徴
花の特徴
イチゴノキは、白やピンクのつりがね状の小花を、晩秋の11月~12月ごろに咲かせます。その花は、同じツツジ科のドウタンツツジやブルーベリーの花によく似ています。
実の特徴
イチゴノキは、名前のとおり果実が苺に似ている事から由来しますが、イチゴノキの果実は、はじめは緑色からオレンジになり、最後は赤く色づきます。大きさは直径約1.5cm~2cmほどで、ザラザラした表面をしています。実を割ると、中はオレンジ色で、ねっとりしており、美味しそうに見える果実は、生食できるものの、味はほとんどありません。そのため、ジャムや果実酒など加工用に用いられます。
花後に約1年かけて実る「果実」
イチゴノキの果実は、晩秋に咲く花の後に、約1年ほどかけて果実を実らせます。そのため、また翌年の秋ごろの花期に果実が実り、ゆっくり熟成していくため、果実の熟成と開花時期が同時です。果実の熟成は、鈴なりに実る果実が一斉に色づくわけではなく、写真のように熟成度にバラつきが出ます。
イチゴノキ(ストロベリーツリー)の実
- 熟成までに1年ほどかかる
- 花期と昨年の果実の熟成が同時期になる
- 生食できるが味がほぼない
イチゴノキのおすすめレシピ「ジャム」
いちごの木の実を美味しく食べるためにおすすめのレシピは「ジャム」です。なんとわずか10分で作れるおすすめのレシピです。ぜひ参考にしてください。
イチゴノキ(ストロベリーツリー)の花言葉
イチゴノキの花言葉は「後が楽しみ」「節約」です。花期が終わり、果実の収穫までゆっくり、じっくりと熟成するので、「後が楽しみ」という花言葉はとてもしっくりきます。「節約」の花言葉は、1本の木からたくさんの果実が鈴なりに実ることから由来します。
イチゴノキの品種「ヒメイチゴノキ」
「ヒメイチゴノキ」は、イチゴノキの仲間です。イチゴノキに比べて成長がゆるやかで樹高が1m~3mと低木で育てやすい小型品種です。園芸店では、ヒメイチゴノキの苗をよく見かけます。
イチゴノキの育て方(概要)
イチゴの木は、庭木として人気があります。大きいものだと樹高10mほどになります。うまく剪定し形を整えれば、生け垣として利用することも可能ですが、もし小型で鉢植え栽培したいという場合は、先程紹介したヒメイチゴノキがおすすめです。
イチゴの木の栽培スケジュール
イチゴノキの栽培環境
イチゴの木は、水はけのよい乾燥しすぎない半日陰の場所が栽培に適しています。冷たい風があたると葉が傷むため、風当たりが強くない場所がおすすめです。
イチゴノキの土壌環境
日本の土壌は酸性や弱酸性の土壌がほとんどです。ツツジ科の草木は、酸性の土壌を好みますが、同じツツジ科のイチゴノキは、酸性土壌じゃなく「アルカリ性」の土壌でも育つといわれています。原産地が地中海沿岸ということもあり、耐塩性もあるので海岸沿いでも栽培が可能です。
イチゴノキの育て方(植え付け・水やり・肥料)
植え付け、植え替え
庭などに植え付けたり、鉢を植え替える場合は、暖かくなった3月~4月ごろ、もしくは涼しくなった9月下旬~11月下旬にやりましょう。地植えする場合は、鉢の2倍ほどの深さ、直径の穴を掘って、腐葉土や肥料を植え付ける部分の土に混ぜてから植えます。とくに水はけの悪いところは浅く植えましょう。鉢植えの植え替えは頻繁ではなく、1~2年に1度で大丈夫です。
植え付け、植え替えのチェックポイント
- 植え付けや植え替えは春先、秋ごろ行う
- 庭に植え付ける場合、水はけの悪いところは浅く植える
- 鉢植えの植え替えは、1~2年に1度程度
水やり
イチゴノキは、毎日の水やりは特に必要ありません。ただ、夏や乾燥する時期には、朝夕と水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土の乾燥状態を見て、乾燥していたらあげるようにします。
追肥
追肥は、2月から3月ごろに、効果のゆるやかな暖効性肥料を寒肥として与えます。新芽の増加や、果実の着果や結実の促進、樹勢の回復、根張りの強化に効果的です。鉢植えの場合は、2月ごろの暖効性肥料を寒肥として、6月ごろに即効性のある化成肥料を与えると効果的です。
追肥する場所
追肥の肥料は幹の近辺ではなく、枝先の先端の下の地面に、深さ10cmくらい掘って土に混ぜ込むと効果的です。幹を中心として、枝先下の地面に円を描くように混ぜ込むのが効果的ですが、幹が大きくなってくると大変なので、大まかで大丈夫です。鉢植えの場合は、土の上に蒔く程度で大丈夫です。
追肥のチェックポイント
- 地植え、鉢植えによって追肥の時期が異なる
- 地植えの場合は幹に近い根本は裂けて混ぜ込む
- 追肥はゆるやかに効果の出る「暖効性肥料」が効果的
- 鉢植えの6月の追肥は即効性のある化成肥料が効果的
イチゴノキの育て方(剪定・増やし方・病害虫)
剪定
イチゴノキは、枝が細いので、ある程度自然のままでも形はきれいに整うため頻繁に剪定する必要はありません。形を乱す枝が増えたりしたら、整える程度に剪定しましょう。時期は、実が終わる2~3月頃が剪定のタイミングです。
挿し木で増える
イチゴノキは、挿し木で増やすことが可能です。6月から7月ごろに、枝の節を2~3節で切り、節の下1cmほどの箇所を斜めにカッターなどで切ります。育苗ケースや鉢植えに3cmほどの深さで挿し、半日陰で乾燥に注意しながら管理します。
病気と害虫
栽培するにあたって、気になるのが病害虫ですよね。イチゴノキは
- 病気・・・とくになし
- 害虫・・・とくになし
まとめ
イチゴノキ、いかがでしたか?まだあまり馴染みのない庭木ですが、病害虫にも強く、水やりも頻繁にする必要がないので育て方のコツを抑えれば、ガーデニング初心者にも管理ができそうですね。畑のいちごではなく、木になるいちご。庭で育てて、食べてみたいですね。
出典:写真AC