はじめに
山桜桃とはサクランボの様な赤い実がなる樹です。童話の魔女の宅急便、第4.6巻で山桜桃の果汁を絞って作ったジュースが主人公にふるまわれるシーンがあります。生食もできますし、ジャムにしても美味しいので、口にしたことがある方もいるかもしれません。それでは、ここから山桜桃について紹介していきます。
山桜桃の意味と読み方
山桜桃(ゆすら)の意味
山桜桃とは、中国原産の植物を意味します。現在ではサクラを意味する「櫻」は元は山桜桃のことを指していました。山桜桃が実っている様子を首飾りを付けた女性に見立てできた字とされています。
ボタニ子
子供の頃にカゴいっぱいに採って食べた人もいるのではないでしょうか。ちょうど良いおやつになるんですよ。
山桜桃(ゆすら)の読み方
山桜桃/山桃桜と書いて「ユスラ」もしくは「ユスラウメ」や「ニワザクラ」と読みます。学名はPrunus tomentosaです。茨城県西南地域では、ユスラウメではなく「よそらんめ」と方言で呼んでいます。
ボタ爺
俗名をユスラゴといいますよ。普段あまり見かけない読み方なので、ここで覚えておきましょう。
山桜桃梅(ゆすらうめ)との関係
表す意味は同じです。山桜桃梅の略称として「ユスラウメ(山桜桃/山桃桜)」と呼ばれています。他にも漢字表記で「梅桃」と書くこともありますが、全て読み方はユスラウメです。字は違えども、内容は同じと覚えておくと良いでしょう。
山桜桃の由来
英語名とその由来
ユスラウメの葉脈には産毛があり、果実を実らせます。葉脈を意味するdownyとユスラウメの果実を意味するcherryを合わせて、downy cherryという英名がつけられました。
和名とその由来
風にユラユラ揺れる様子と梅の花に似ていることから、梅桃(ゆすら梅)もしくは山桜桃梅(ゆすら梅)と呼ばれだしたことが由来であり、朝鮮語の移徒楽(いすら)が語源とされている。
山桜桃の特徴と花言葉
特徴
バラ科サクラ属の植物、高さは2〜3mの落葉低木でよく文枝する。葉の形は楕円形で、葉脈に沿って凹凸しており、全体に細かい毛があります。原産地は中国北西部、モンゴル高原、朝鮮半島であり、日本には江戸時代初期の頃に渡来したといわれています。春に桜に似た五弁の花を咲かせ、梅雨頃にサクランボのような赤い実をつけます。
山桃桜はそのまま食べるのても良いし、ケーキに飾り付けたり、ジャムや自家製の果実酒にするのもおすすめです。程よい甘みと酸味が良いアクセントになります。
花言葉
幼い頃に故郷で食べた、小さな赤い実を懐かしむ思いが花言葉に込められています。
- 郷愁
- 輝き
- 貴び
- ノスタルジー
ボタ爺
ゆすら梅の花言葉は、故郷を懐かしむという意味があるから、その想いを伝えたい相手に送るのもロマンティックだのう。
山桜桃の栽培方法と日本酒
ユスラウメは寒さ暑さに強く病気や虫の被害にもあいにくいので、実はお家でも簡単に育てる事ができるんです。栽培のポイントや注意点をまとめましたので、美味しい実が沢山付くように愛情込めて育ててみてください。育った実で食卓を豊かに彩りましょう。
山桜桃の基本情報
- 園芸分類:庭木、花木
- 開花期:3月下旬~4月上旬
- 栽培難易度:2(5段階中)
- 耐寒性:強い
- 耐暑性:普通
栽培環境
日当たりが良く湿り気のない土壌を好みますので、水はけを良くしましょう。西日が当たる乾燥しやすい場所でも育つ強さがあります。日当たりが悪いと実の付き具合が悪くなり、湿度が高いと虫や病気の被害にあう可能性が高まるので、この2点は要注意です。
水やり
夏場の暑い時期の乾燥は気にないといけませんが、山桜桃は過湿を嫌いうので、水のやりすぎには要注意です。地植えの場合ならば、地中にある雨水で水分補給ができるのであまり気にしなくて良いですが、鉢植えの場合は土の表面が乾いたら水を与えるようにしましょう。
肥料
山桜桃には2~3月にゆっくりと効果が出る、緩効性肥料を寒肥(かんごえ)として与えることで一年間の健康維持をしてくれます。即効性のあるものや、成分の強いものは避けるようにしましょう。鉢植えの場合は8月に同じ肥料を与えると生長が促されます。
用土(鉢植え)
苗よりも1周り大きな鉢へ入れて腐植質を混合し、通気性と保湿性に優れた土を使用しましょう(例:鹿沼土または赤玉土7、腐葉土3の配合土)。鉢の底にネットを石を入れたら鉢の縁から2~3㎝下まで土を入れると適量になります。
ふやし方
- タネまき:一般的に使用されているふやし方であり、熟した果肉を取り除いてとりまきするか、冷暗所に保存し翌春にまきます。
- さし木:6月から7月にその年の充実した枝をさしましょう。発根しにくいので、切り口に発根促進剤を塗ってさすのがおすすめです。さし床には、赤玉土や鹿沼土を用いると良いでしょう。
ボタニ子
ゆすら梅は病気になりくく、虫もつきにくいので育てやすいのですよ。剪定もほぼ必要なく、伸びすぎた枝を整えてあげるとgood!
山桜桃(ゆすら)の日本酒
茨城県の須藤本家にて昭和50年代に発表された純米吟醸酒で、素材にこだわる名品です。現在は発売当初の純米吟醸酒から純米大吟醸酒へ表記が改まり、須藤本家を代表する日本酒の銘柄の1つとなっております。
この山桃桜の日本酒のアルコールは15~16度、フルーティーなのど越しがワイン女子にも人気のポイント。果実酒が好きな人は是非、飲んでみてほしい一品です!
まとめ
山桜桃の読み方は「ユスラ/ユスラウメ」といい、故郷を懐かしむという素敵な花言葉が込められた植物です。栽培方法も難しくないので、美味しい実を育ててみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC