マルベリーとは
基本情報
和名 | 桑(クワ) どどめ(土留め) |
学名 | Morus alba |
英名 | Mulberry |
科 | クワ科 Moraceae |
属 | クワ属 Morus |
形態 | 落葉中高木 |
耐寒性 | 強い |
植物としての特徴
マルベリーはクワ科クワ属の果樹で、日本ではクワ(桑)と呼ばれます。古くから日本に自生する「ヤマグワ」や、絹を生産するための蚕(カイコ)の飼料となる「カラヤマグワ」などが利用されてきました。種間交雑しやすいため、品種や変種が約1,400~1,500種と多く、「西洋桑」は果実を収穫するための品種です。
日本への導入
マルベリーが日本にやってきたのは8世紀の奈良・平安時代で、中国から蚕とともに伝わりました。かつては盛んに栽培されましたが、今では山や公園で見かける程度です。中国では蚕が食べる神木と考えられ、さらにヨーロッパ、インド、中東などではジャムや漢方薬の原料、染料として利用されます。
木の特徴
マルベリーは落葉性の高木で15mほどにも達することもありますが、多くは主幹を切り、高さ約2~3mで育てます。幹は直立し分岐し、樹皮はくすんだ灰色です。基本的に雌雄異株ですが、同株の種類もあります。根は漢方の生薬や染料として利用されます。
葉の特徴
薄くツヤのある黄緑色の葉をつけ、縁に粗い鋸歯がみられます。尖った鋸歯があればヤマグワの葉なので、カラグワと見分けられます。葉には柄があり、長いハート型に近い楕円形で、浅く3~5裂し先端は尖っているのが特徴です。葉は健康維持にうれしい効能を持つ桑の葉のお茶に加工されます。
花の特徴
5月ごろに穂状花序(軸に並ぶように花をつける)を出し、雄花と雌花をつけます。円柱形で垂れ下がり、雄しべ4本と中央に退化した雌しべがあれば雄花、基部につく花柱のない雌しべがあるものが雌花です。淡い黄緑色の小さな無花弁花を密生させます。マグワには短い花柱があるのでカラグワと区別できます。
果実の特徴
マルベリーの収穫期は6~8月で、花が終わると縦長の楕円の実がなり、熟すにしたがって緑から赤黒く色づきます。ラズベリーのように小さな粒が集合して1個の果実を構成しています。日本では流通は少なく、ドライフルーツやジャムに加工されたり、染料として使用されることが大半です。
果実の色
桑はどどめ(土留め)とも呼ばれ、「どどめ色」といえばこの桑の実の色を指すことがあります。また、日本の伝統色でいう桑の実色とはこの果実の色で、暗い赤紫色です。樹皮も染料として使われ、その黄色を「桑色」と呼び、混乱を避けるために桑の実の赤紫色を「桑の実色」と呼びます。
ボタニ子
次はマルベリーの育て方を紹介します!