ポポーの種まき方法!適切な時期はいつ?種から上手に育てるコツは?

ポポーの種まき方法!適切な時期はいつ?種から上手に育てるコツは?

食用として栽培されることが多いポポーは、剪定した枝を使った接ぎ木や、根を使った根挿しでの増やし方が一般的です。しかし、コツを押さえれば種まきでも育てられます。この記事では、そんなポポーの種まきの方法や種まきに適した時期、育てるコツを紹介します。

記事の目次

  1. 1.ポポーとは
  2. 2.ポポーの種まき方法
  3. 3.ポポーを種から育てるコツは?
  4. 4.ポポーを種まきで育てよう!

ポポーとは

出典:写真AC

基本情報

学名 Asimina triloba
英名 Pawpaw
園芸部類 果樹
樹高・草丈 2~10m
花の色 黒紫色
収穫時期 9~10月
耐寒性・耐暑性 強い
特性・用途 食用
栽培難易度 ★★☆☆☆

特徴

出典:写真AC

ポポーは北アメリカ原産のバンレイシ科の果樹です。主に果実が食用として利用されており、バナナにも似たクリーミーな味わいが楽しめます。ポポーの花は釣り鐘の形をした黒紫色で、実をたくさんつけたい場合は人工授粉の必要があります。病害虫の被害にあいにくく、耐寒性、耐暑性に優れているため、初心者でも挑戦しやすい果樹です。

たくさん収穫するコツは?

ポポーの実は人口受粉でも増やせますが、自然にたくさんの実を収穫したい場合は複数本育てていると受粉しやすくなります。そのため、ポポーの木を育てるときは2本以上育てることで、より多くの実を収穫できるでしょう。ポポーの木が1本しかない場合は、種まきや接ぎ木、挿し根などで増やせます。

ポポーの種まき方法

出典:写真AC

ポポーの増やし方は剪定した枝を使った接ぎ木や、太い根の部分を移植する根挿しが一般的です。しかし、発芽のようすを観察したい場合や、ゆっくり気長に育てたい場合、手軽に育てたい場合は種から育てることをおすすめします。ポポーを種から育てる場合は、寒さに当てることと気温管理がコツです。

手順①種を取り出す

熟したポポーの果実から種を取り出し、きれいに水洗いします。このときに果肉が残ってしまうと、カビや傷みが発生しやすくなるため、しっかりと取り除いてください。ポポーの種は3日以上乾燥した状態になると発芽率が低下してしまいます。果実から種を取り出したら、なるべく早く種まきの準備をしましょう。

手順②冷蔵庫で保管する

取り出した種を湿らせた水コケやピートモスで包み、密閉できる袋に入れて冷蔵庫で保管しましょう。水コケなどがない場合は濡らしたキッチンペーパーや新聞紙でも代用できます。種は約1~3カ月ほど冷蔵庫の中で管理し、しっかりと寒さに当てましょう。途中で定期的に種のようすを見て、カビなどが生えていないか確認するのも大切です。もしカビが生えそうになっていたら、その都度種をきれいに水洗いして防ぎましょう。

手順③種まきを行う

Photo by tyoro

種まき用の用土を育苗ポットや植木鉢に入れ、種をひと粒ずつ植えましょう。ポポーは根がまっすぐに育つ直根性の植物なので、始めからなるべく深めの鉢で育てることをおすすめします。用土は、園芸用の培養土に赤玉土を混ぜた水はけのよいものを使いましょう。種まきが終わった鉢は気温が25~30℃を維持できる場所で管理します。

手順④水やりの管理をする

Photo byMonikas_Wunderwelt

種を植えたら、発芽するまでは湿り気が多い状態で管理します。土の表面が少し乾いてきた段階で、水をたっぷりと与えましょう。発芽までは2~8週間ほどかかるので、乾燥に注意してください。

手順⑤植え替える

育苗ポットで育てている場合は、発芽して樹高が10~15cmほどになった段階で、鉢植えか庭植えに切り替えます。ポポーの根は下にまっすぐ伸びており、植え替えの際は根を傷つけないように注意してください。根に傷がつくと、枯れてしまうことがあるので、周りの土はできるだけ残したままやさしく丁寧に植え替えましょう。

ポポーを種から育てるコツは?

出典:写真AC

コツ①種はしっかり寒さに当てる

ポポーの種は、寒さに当てないと発芽しないという特徴を持っています。そのため、収穫した種は冷蔵庫などで保管し、しっかりと冷やしましょう。ポポーは耐寒性が高い植物で、-30℃までなら耐えられるといわれています。冷やしたからといって種が使えなくなることはないので、安心してください。実の収穫時期の9~10月に種を採取したあとは、次の種まきの期間まで冷蔵庫で管理しておきましょう。

コツ②種まきに適切な時期を守る

ポポーの発芽は気温が25℃以上になることが条件なので、種まきは適切な季節に行いましょう。具体的には、気温がしっかりと上がってきた5~7月が種まきの適期です。

コツ③発芽までは温度管理に注意

種まきをしたあとの育苗ポットは、気温が下がらないような場所に置きましょう。特に春先や梅雨では、気温が25℃以下にならないように注意が必要です。気温の高い日は日当たりと風通しがよい場所に置き、肌寒い日や夜間は室内に戻して管理してください。

ポポーを種まきで育てよう!

出典:写真AC

ポポーを種から育てるコツは、種をしっかりと寒さに当てることと、発芽までの気温管理を徹底することです。また、種まきは気温が上がってきた5~7月頃に行うと失敗しにくいでしょう。ポポーは耐寒性、耐暑性に優れており、病害虫の被害にもあいにくいため、とても育てやすい植物です。また、2本以上の木があると受粉しやすいため、たくさん実が収穫できるようになります。ぜひ挑戦してみてくださいね。

佐野美帆
ライター

佐野美帆

自然が好きで、よく郊外に遊びに出かけます。お茶の専門店で働いていた経験があり、紅茶を含むお茶全般とハーブの勉強をしています。また、日本文学分野での出版経験を活かし、神話や民間伝承と植物の関わりに特化した記事が得意分野です。

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