フルーツビネガーとは
お酢はさまざまな原料から作られる発酵調味料の一つです。フルーツビネガーはフルーツ酢(果実酢)とも呼ばれ、お酢に好みの果物を漬け込んで作ります。フルーツビネガーはジュースで割ったり、料理の隠し味にしたりと使いみちも多く、使う果物の種類を通じて季節のうつろいを感じる食品でもあるでしょう。
ボタニ子
フルーツビネガーの魅力
魅力①おいしい「飲む酢」
料理のソースやドレッシングに使われることの多いお酢ですが、フルーツビネガーは香りのよさと果実由来の甘さのおかげで、飲む酢としても人気があります。ジュースや炭酸水、お酒などで割るだけで見た目も美しいドリンクが簡単に作れます。
魅力②応用レシピが豊富
フルーツビネガーは飲む酢やドリンクの割り材として以外の応用レシピも豊富です。夏ならかき氷のシロップやヨーグルトにかけたり、肉料理や魚料理のソースに使ったりとさまざまな使いみちがあります。
魅力③見た目と味の違いを楽しめる
フルーツビネガーの魅力はその見た目の美しさにもあります。使う果物を変えるだけで同じお酢を使っているとは思えないほど味わいが変わりますよ。ハーブやスパイスを組み合わせればより味わい深いものにできるでしょう。
フルーツビネガーの作り方
旬の果物がたくさん手に入ったときはぜひフルーツビネガー作りに挑戦してみましょう。作り方や方法はとても簡単で、果物やお酢の組み合わせ次第でバリエーション豊富なフルーツビネガーを作れますよ。漬け込む容器は、お酢による劣化を防ぐためにガラス容器を使用しましょう。
基本の作り方
材料
- 季節の果実
- 氷砂糖
- お酢
作り方
- フルーツビネガーを漬け込む容器(ガラス容器)を沸騰したお湯につけて煮沸消毒する
- 果物をスライスに切る
- ガラス容器にスライスした果物をいれ、上から氷砂糖、お酢をいれる
- 1~2週間ほど冷暗所で保存し、定期的に均一になるように振り混ぜる
- 氷砂糖がすべて溶けたら完成
フルーツビネガーの保存方法
フルーツビネガーは氷砂糖が溶け切って完成したら冷蔵庫に入れて保存します。お酢自体は酸度が高いため保存期間は長いですが、果実は水分も多く腐りやすいです。1~2週間で使い切るようにしましょう。使いきるまでにそれ以上時間がかかるのであれば、フルーツ酢と果物を別々にわけます。フルーツ酢自体は冷蔵保存であれば1年ほどもちます。
フルーツ酢に濁りがみられたら破棄しよう
果実は糖分や水分が多く含まれているため、菌が発生しやすい食べ物でもあります。お酢自体は酸度が高く、常温でも腐りにくい調味料ですが、果実由来の菌が原因となり腐ってしまうことも考えられます。保存できる期間は、保存状態や使用するフルーツの種類にも大きく左右されますが、基本的にはフルーツ酢の状態が最初と比べて濁っているような場合は食べずに破棄しましょう。
フルーツビネガーは1日大さじ1杯
数々のお酢に関する論文を発表しているお酢のメーカーは、1日あたり大さじ1杯(15mL)の摂取を推奨しています。お酢を飲めば飲むほど効果が大きくなるわけではありません。お酢の過剰摂取は胃に負担をかけたり、歯のエナメル質を溶かしたりするおそれもあります。毎日適量を楽しむのがよいでしょう。
内臓脂肪を減らすには、お酢を「1日約15ml」毎日継続して摂ることが大事!
フルーツビネガーの人気レシピ
人気レシピ①キウイ酢
キウイ酢は明るいグリーンがきれいなフルーツ酢です。ゴールデンキウイをブレンドすると見た目もさらに華やかになりますよ。
材料(1L瓶あたり)
- キウイ:250g
- お酢:250mL
- 氷砂糖:250g
作り方
- キウイの皮を剥いて5mm幅のスライスに切る
- 煮沸消毒したガラス瓶にキウイ、氷砂糖、お酢をいれて冷暗所で保存する
- 氷砂糖が溶けて均一に混ざったら完成
おすすめの使い方
キウイにはビタミンC、ビタミンE、カリウムなどが豊富なので美肌効果が期待できます。冷たい水やフレッシュジュースで割って朝の目覚めの一杯にするのがおすすめですよ。お酒を飲むとビタミンCが失われるので、お酒の割り材にもいいでしょう。
人気レシピ②パイナップル酢
パイナップル酢はドリンクなどに入れるだけでトロピカルな雰囲気にしてくれます。食べると酸っぱいパイナップルでも氷砂糖とあわせることでまろやかな味わいにまとまります。
材料(1L瓶あたり)
- パイナップル(可食部):250g
- お酢:250mL
- 氷砂糖:250g
作り方
- パイナップルの皮を剥き、芯をとって、1口大のいちょう切りにする
- 煮沸消毒したガラス瓶にパイナップル、氷砂糖、お酢をいれて冷暗所で保存する
- 氷砂糖が溶けて均一になったら完成
おすすめの使い方
パイナップル酢は香りのよさと酸味の強さから料理にもおすすめです。魚介とトマトをパイナップル酢でマリネしたり、煮詰めて肉料理に沿えるソースにしたりするのもいいでしょう。
人気レシピ③オレンジ酢
オレンジをはじめとする柑橘類は種類も多く、それぞれに個性があるので、いろいろな柑橘類をフルーツ酢にしてみるとそれぞれの違いを楽しめますよ。色もまさにビタミンカラーに仕上がるので、瓶を眺めるだけでも元気をもらえるでしょう。
材料(1L瓶あたり)
- オレンジ(可食部):250g
- お酢:250mL
- 氷砂糖:250g
作り方
- オレンジの皮を剥いてスライスまたはダイスカットにする
- 煮沸消毒したガラス瓶にオレンジ、氷砂糖、お酢をいれて冷暗所で保存する
- 氷砂糖が溶けて均一になったら完成
おすすめの使い方
使い勝手のいいオレンジ酢ですが、人気を集めている使い方がラーメンや担々麺といった辛味が強く、脂っこい食べ物の「味変」です。いれる前と後でがらりと印象が変わることでしょう。ほかにも、パウンドケーキなどの焼き菓子にオレンジ酢と山椒やブラックペッパーといったスパイスを隠し味に入れるのもおすすめです。
人気レシピ④バナナ酢
バナナは食物繊維やカリウムが豊富なため、黒酢とあわせたバナナ酢がダイエットに効果的だと注目が集まっています。黒酢自体にもコレステロールを下げる働きが期待されており、まさに健康作りに生かしたいフルーツ酢といえるでしょう。もちろん、通常のフルーツ酢づくり同様に氷砂糖とお酢を使っても問題ありません。
材料(1L瓶あたり)
- バナナ:150g
- 黒酢:300mL
- 黒砂糖:300g
作り方
- バナナは一口大にカットする
- 煮沸消毒したガラス瓶にバナナ、黒砂糖、黒酢を入れて600Wで30秒ほど加熱する
- 粗熱が取れたら蓋をして冷暗所で保存する
- 黒砂糖が溶けて均一になったら完成
おすすめの使い方
バナナ酢は、バナナの甘みとまろやかさ、黒酢のアミノ酸由来のうまみ強く感じられます。そのため、豆乳や牛乳、リンゴジュースなどで割ったシンプルなドリンクがおすすめです。
手作りビネガーでヘルシーな食卓を
お酢は賢人の知恵が詰まった発酵調味料です。コレステロール値の減少や高血圧予防に効果的だと近年注目が集まっていますね。ただのお酢を毎日飲むのはハードルが高くても、おいしい季節の果物を漬け込んだフルーツ酢なら生活に取り入れやすいでしょう。果物やスパイス、使うお酢の種類をいろいろ検討してオリジナルフルーツビネガーを作ってみませんか。
お酢には純米酢、黒酢、ワインビネガーなどさまざまなものがありますね。お酢について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。