酢とは?
日常で使っているお酢は
一般的に、例えば酢の物といった料理で使う普通のお酢は、米酢や穀物酢のことを指します。スーパーの棚に並べられているお酢には米酢、穀物酢、黒酢、そしてりんご酢に代表される果実酢という4つの種類で分かれています。
4つの酢の種類と違い
米酢、穀物酢、果実酢、黒酢と種類に分けられている理由は、製造する原材料や作り方に違いがあるからです。
食用のお酢は4種類
- 米酢:原材料に米のみを使い酢酸発酵させた酢
- 穀物酢:原材料に米を含む穀物を使い酢酸発酵させた酢
- 果実酢:果実を原料とした酢
- 黒酢:米酢を長時間発酵熟成させた酢
※米を含む穀物...小麦、酒かす、コーン
価格の違い
種類 | 容量 | 価格 |
米酢 | 500mL | 約200円 |
穀物酢 | 500mL | 約100円 |
リンゴ酢 | 500mL | 約200円 |
黒酢 | 500mL | 約700円 |
酢の中で一番安いものが穀物酢で500mL入りが約100円です。米酢とリンゴ酢は500mL入り約200円です。黒酢は少し高価になっていて、500mL入りが約700円となっています。よって、穀物酢や米酢は、調味料としては割と手軽に購入できる価格といえます。
米酢と穀物酢の味と香りの違い
香り | 味 | 甘さ | |
米酢 | 強い | まろやか | ほのかに甘い |
穀物酢 | 弱い | すっきり | キリリとした酸味 |
米酢は香りは強いですが、加熱すると香りは飛んでしまいます。穀物酢は香りは弱いので、加熱の影響はありません。
4つの酢の使い分け方
①米酢
加熱しないで使うなら米酢
例えば、酢を使って野菜にかけるドレッシングや、酢の物、魚のお刺身にかけるカルパッチョ用のソースなどを作る、というような加熱をしないときには米酢を使うのが効果的です。なぜなら、米酢の香りを活かして、まろやかな風味をつけることができるからです。
②穀物酢
加熱する料理なら穀物酢
例えばお酢を入れてお肉を煮込む、炒めたお肉の味付けにお酢を使う、など加熱する料理で使うときは穀物酢を使うのがおすすめです。さらに穀物酢は米酢と比べると味がよりすっきりしているという点で、油っこい料理をさっぱり食べたいというときに効果があります。また米酢より価格が安いので、煮込み料理でたっぷりと使うこともできるでしょう。
加熱する料理なら穀物酢がいいのね!知らなかった!
③果実酢
果実酢の特徴
果実酢とは果汁を原料に用いた酢です。例えば、りんご酢やブドウ酢(ワインビネガー)があります。普通のお酢と違う所は果実由来のフルーティーな香りをもつところです。
果実酢の使い方
リンゴ酢に代表される果実酢も風味を活かし薄めてドリンクにしたり、ゼラチンを溶かして作る手作りゼリーなどのおやつ作りや、スイーツなどお菓子作りの隠し味として使うこともできます。また、リンゴ酢のまろやかな酸味を活かして、玉ねぎやパプリカやハムを漬けるときのマリネ液に使用するのもいいですね。
果実酢はドリンクやスイーツ、ちょっとした隠し味などに向いているんだね!
④黒酢
黒酢の特徴
黒酢が米酢や穀物酢という普通の酢と比べて価格が7倍くらい高い理由は、黒酢を製造する時に長時間の発酵や熟成をさせるため、手間や時間がかかっているからです。結果的に、色は穀物酢や米酢や穀物酢と比べると濃い色をしています。
黒酢の使い方
黒酢は深いコクのある酸味と特徴的な香りを持ちます。よって、酢の物、炒め物、煮物といったお料理にももちろん使えます。ただ、黒酢は高価なので、普通の酢とは使い分けて飲料に混ぜて味を楽しんでみるのもおすすめです。
ちょっぴり贅沢したいときや、こだわりを持ちたいときは黒酢を使ってみるのもいいわね!
①米酢を使ったおすすめレシピ
米酢は和食に合う
きゅうりとわかめの酢の物
合わせ酢の材料(一人分)
- 米酢 大さじ1
- みりん 大さじ2
- 醬油 小さじ1
<作り方>
- きゅうりは薄い輪切りにし、あらかじめ塩を振ってよく揉む
- 塩揉みしたきゅうりから水分が出たら水洗いをして、水分をよく絞っておく
- 食べやすい大きさに切ったわかめ、合わせ酢ととも和える
小松菜のごま酢和え
ゴマ酢和え 合わせ酢の材料(一人分)
- 白いりごま 大さじ2
- 米酢 大さじ1
- みりん 大さじ1
- しょうゆ 小さじ1
<作り方>
- 小松菜を洗い、サッと茹でる
- 冷水にとって水分を切った小松菜を、合わせ酢と和える
小松菜だけでなく、茹でたホウレン草や、大根、キャベツ、いんげんのゴマ酢和えなどさまざまな野菜を使って作ることができます。
米酢をかけて食べる楽しみ方
米酢+お醬油(酢醬油)を色々なものにかけて
- 茹でたまごやカットしたアボカドに
- ホウレン草や小松菜のおひたしに
- 蒸したてのシュウマイや餃子のたれに
②穀物酢を使ったおすすめレシピ
油っこい料理をさっぱり仕上げる
サバの味噌煮
サバの味噌煮 合わせ調味料の材料(2人前)
- みそ 大さじ1と1/2
- 酒 50㏄
- 砂糖 大さじ1弱
- 穀物酢 大さじ2弱
- 水 100㏄
<作り方>
- 合わせ調味料をお鍋で煮立てる
- サバを入れて火が通るまで落し蓋をして煮込む
普通の酢が入ることで、身も柔らかく煮込むことができます。脂ののったサバのコクとすっきりした穀物酢が絶妙です。したがってサバの味噌煮はご飯が進む代表的なおかずの一つです。
ベーコン入り洋風肉じゃが
ベーコン入り洋風肉じゃが (二人分の調味料の材料)
- マギーブイヨン 又は コンソメ 1個
- 穀物酢 大さじ1弱
- 酒 大さじ1
- 水 200㏄
<作り方>
- お鍋に玉ねぎ(小)1個、にんじん1本、ジャガイモ2~3個、ベーコンを適宜カットして入れる
- 合わせ調味料を入れた煮汁で火が通るまでよく煮る
和食の定番の肉じゃがを作るときにも、煮汁の水の分量と大さじ1杯弱を穀物酢に置きかえて作ってみてください。よりさっぱりした味に仕上がります。また普通の酢には抗菌効果もあるので、夏のお弁当のおかず作りにもおすすめです。
穀物酢を調味料に混ぜて使う
焼肉のたれ+穀物酢
焼肉のたれは割と甘めの味になっているものも多いです。したがってさっぱりと食べたい、というときは酢を利用してみましょう。牛肉や豚肉を塩コショウを振って焼いて、最後に焼き肉のたれで味付けをするとき、焼肉のたれに穀物酢を焼肉のたれの半分くらいの量を加えて使ってみてください。最後にたれを少し煮詰めてお肉に絡めるようにするのがポイントです。出来上がりはすっきり引き締まった味になります。
ソース+穀物酢
とんかつやフライにかけるソースは揚げ物の味を引き立てます。しかし塩分は比較的多めです。したがってソースも使う量の半分弱を穀物酢に置き換えて使うことで減塩にも役立ちます。もともとソースには酢が入っているので、違和感はなく味もそんなに変わりません。たこ焼きにかけるソースにも半分を酢に置き換えて使うことで、よりさっぱり食べられます。
③黒酢を使ったおすすめレシピ
黒酢をジュースに
黒酢は深いコクのある酸味とうまみ成分が豊富
- 黒酢+グレープジュース
- 黒酢+サイダー
- 黒酢+スポーツドリンク
- 黒酢+リンゴジュース
- 黒酢+ジンジャーエール
- 黒酢+パイナップルジュース
目安としては黒酢を入れる量は大さじ1杯程度です。初めからたくさん入れてしまうと、むせたり酢の刺激で胃痛が起きることもあります。したがって少量から足していくようにしましょう。例えば、水割り、カルピス割りなど、いろいろな種類のお好みの飲み物に入れてサワードリンクが作れます。夏の水分補給にもぴったりです。
黒酢は中華料理に合う
食べる直前に黒酢をかけて
- 焼きそば、ラーメンなどの麵類に
- 豚肉と野菜の炒め物に回しかけて
- 春巻きやシュウマイに黒酢+からし
まとめ
穀物酢と米酢の違いはおわかりいただけたでしょうか? 穀物酢と米酢は、香りや風味に違いがありましたね。調理方法の違いで使い分けてみるのもきっと料理が楽しくなりますよ。酢を料理に使うことで、味付けをさっぱりさせる効果や減塩食にできる効果もあります。ぜひ、毎日の食生活に米酢や穀物酢を使ったレシピを取り入れてみてくださいね。
「加熱しないなら米酢」と覚えておこう!