いちじくの皮は食べられる?
いちじくは「不老不死の果物」と呼ばれているほど栄養豊富な果物です。いちじくは、皮を剥いて食べるイメージが強いかもしれません。しかし、いちじくの皮の部分にはたくさんの栄養成分が含まれているため、皮ごと食べるのがおすすめです。
いちじくの基本情報
植物名 | イチジク |
和名 | 無花果 |
英名 | Fig tree |
科名・属名 | クワ科・イチジク属 |
原産地 | アラビア半島南部・地中海沿岸地方 |
園芸分類 | 果樹 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | やや弱い |
いちじくの皮には毒がある?
いちじくの皮には「フィシン」が多く含まれており、体質によっては食べすぎるとかゆみを感じる場合があります。しかし、フィシンは毒成分ではないので、食べてはダメというわけではありません。1日に食べてよい分量を守れば大丈夫です。
いちじくは1日に何個食べていいの?
生のいちじくは1日に4個〜5個、ドライいちじくの場合は2個〜3個までが適度な可食量です。ドライいちじくは水分が抜けている分、糖質量が生のいちじくの5倍程度まで増えます。いちじくを食べすぎると糖質の過剰摂取になり、中性脂肪の増加を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。
皮ごといちじくの栄養素
エネルギー | 54kcal |
炭水化物 | 14.3g |
鉄 | 0.3mg |
亜鉛 | 0.2mg |
ビタミンB1 | 0.03mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ビタミンB6 | 0.07mg |
カルシウム | 26mg |
カリウム | 170mg |
皮ごといちじく100gに含まれる主な栄養素
いちじくを皮ごと保存する方法
いちじくはパックに入って販売されている場合が多く、そのまま常温で放置すると、下の面がぶよぶよに傷んでしまう恐れがあります。おいしい状態で上手に保存するには「冷蔵保存」か「冷凍保存」するのがポイントです。冷蔵保存の場合は2日〜3日、冷凍保存の場合は2週間程度で食べきってください。
冷蔵保存
いちじくを冷蔵保存する場合は、パックごと保存しないで1つずつ小分けにして冷蔵庫に入れましょう。いちじくの表面に水滴がついていると傷みやすいので、キッチンペーパーなどで拭き取ってから1つずつラップで包みます。バットやトレイに重ならないように並べたら、野菜室に入れて保存してください。
冷凍保存
いちじくは、食べやすい大きさに切ってから冷凍保存するのがおすすめです。まず、いちじくをさっと洗い水気をとります。ヘタを切り取ってから、くし切りや乱切りなど、料理に使いやすいサイズにして冷凍しておくと便利です。冷凍いちじくは、そのまま食べてもおいしく食べられます。
いちじくを皮ごと食べるおすすめレシピ
いちじくの皮は、生のまま食べると舌触りや食感が気になる場合があるかもしれません。そんなときには、皮ごと茹でたり焼いたりすると食べやすくなります。皮ごとしっかりと洗って汚れを落としてから調理に使用してください。
➀いちじくのサラダ
いちじくを簡単に皮ごと食べられるお気軽レシピが、いちじくのサラダです。サッと作れるので、もう1品おかずが欲しいときに作ってみてください。
分量(2人分)
- 皮つきいちじく(1つ)
- サラダ菜(10枚〜15枚)
- ベビーリーフ(適量)
- クリームチーズ(適量)
- 黒胡椒(少々)
- バルサミコ酢(大さじ1)
- オリーブオイル(大さじ1)
作り方
- 皮つきいちじくをよく洗い、キッチンペーパーで水気をとる
- 大きめの皿に、サラダ菜とベビーリーフを食べやすいサイズにちぎって入れる
- 皮つきいちじくを縦8等分にカットして「2」にのせる
- クリームチーズをトッピングする
- バルサミコ酢、オリーブオイル、黒胡椒をかけて完成
➁いちじくのタルト
いちじくの皮が苦手な場合は、いちじくに熱をとおしてタルトにすると食べやすいです。いちじくはそのまま使用してもかまいませんが、カットしてから半日程度天日干しすると、プチプチとした食感を楽しめます。市販のタルト生地とカスタードクリームを使った、初心者でも作れる時短レシピです。
分量(4人分)
- 皮つきいちじく(4つ〜5つ)
- 市販のタルト生地(1つ)
- 市販のカスタードクリーム(1箱)
- ブルーベリー(お好みで)
作り方
- オーブンを180℃に予熱しておく
- タルト生地にカスタードクリームをたっぷりと流し込む
- 皮つきいちじくをくし切りにして、カスタードクリームの上に並べる
- オーブンに入れて、表面に焼き色がつくまで約20分焼く
- 焼きあがったらお好みでブルーベリーをトッピングする
③いちじくの甘露煮
皮付きいちじくがたくさんある場合は、甘露煮にしておくと長期間保存が可能です。完成したいちじくの甘露煮は、瓶や密閉容器に入れて冷蔵庫で保管しましょう。
分量(保存用)
- 皮つきいちじく(7つ〜8つ)
- ザラメ(300g)
- 水(大さじ1)
- はちみつ(大さじ3)
作り方
- 皮つきいちじくをよく洗い、ヘタの部分を切り取る
- 鍋に皮つきいちじくとザラメ、水を入れて弱火で1時間程度煮込む
- はちみつを加える
- 水気が飛ぶまで煮詰めれば完成
➃いちじくのジャム
いちじくジャムはパンに塗るだけでなく、ヨーグルトのトッピングにもよくあいます。ゴロゴロとした食感を残したい場合は、煮詰める時間を短めにしましょう。
材料(保存用)
- 皮つきいちじく(5つ)
- 砂糖(100g)
- レモン汁(適量)
作り方
- いちじくをよく洗いヘタをとる
- いちじくを皮ごと乱切りにして、大きめの鍋に入れる
- 砂糖とレモン汁も鍋に入れて弱火で煮詰める
- 好みの固さになったら火を止めて粗熱をとる
- 瓶に詰めて冷蔵庫で冷やす
⑤いちじくの天ぷら
いちじくは、ケーキやジャムなどのスイーツに利用されているイメージが強いかもしれませんが、和食アレンジもおすすめです。いちじくの天ぷらを作る場合は、熟しきっていない、やや硬めのいちじくを使用すると、型崩れしにくくきれいに仕上がります。
材料(2人分)
- 皮つきいちじく(2つ)
- 天ぷら粉(40g)
- 揚げ油(適量)
- 塩や天つゆ(お好みで)
作り方
- いちじくを皮ごと縦に8等分に切る
- 天ぷら粉にさっとくぐらせる
- 180℃の油できつね色になるまで揚げる
- お好みで塩や天つゆをつけて食べる
➅いちじくのゼリー
いちじくの食感を楽しみたい場合は、細かく切りすぎないでざく切りにするのがおすすめです。滑らかな舌触りが好みの場合は、鍋に入れて加熱するときに、いちじくがとろとろになるまで煮詰めてください。
材料(2人分)
- 皮つきいちじく(2つ)
- グラニュー糖(50g)
- 水(300cc)
- ゼラチン(5g)
作り方
- ゼラチンに水20ccを入れてふやかしておく
- いちじくを細かく切り、グラニュー糖と水を加える
- 鍋に「2」を入れて沸騰させる
- 沸騰したら火を止めて「1」を加える
- ゼリー型に入れて冷蔵庫で冷やし固める
ボタニ子
次のページでは、皮ごと食べやすい品種やいちじくの効果・効能をご紹介します。
出典:写真AC