長ネギを上手に保存しよう
長ネギは鍋や汁物の具、薬味など用途が幅広く人気の食材です。よく使う一方で一度に使う量はそれほど多くなく、大量に買うと残りがちです。使いかけの長ネギを冷蔵庫に入れておいたらしなびてしまったという経験をしている方も多いかもしれません。上手な保存方法を知って、残り物の長ネギもしっかり使い切りましょう。
長ネギは冷蔵保存?冷凍保存?
長ネギは冷凍でも冷蔵でも保存ができます。冷蔵で約1週間、冷凍で約1カ月の保存が可能です。また、新鮮な丸ごとのものであれば冷暗所で1カ月ほど保存できます。長ネギは水分を多く含む野菜のため、乾燥してしまうと劣化が早まります。適切な湿度管理をすることが長持ちのコツです。
ボタニ子
冷暗所とは気温が15℃くらいまでで直射日光が当たらず、風通しのよい場所をさします。
長ネギを冷蔵保存する方法
使いかけの長ネギは、翌日など日を置かずに使用するなら、さっとラップに包んで冷蔵庫に入れておけば問題ありません。しかし、水分が蒸散しやすい長ネギは、保存期間が長くなると外側から徐々に乾燥していきます。乾燥して硬くなった部分は煮ても柔らかくならないため捨てなければなりません。乾燥に注意しつつ保存する必要があります。
保存袋で保存
まずはジップ付きの保存袋で保存する方法です。保存袋には冷蔵用と冷凍用がありますが、冷凍用を使用しましょう。冷蔵用と冷凍用の袋の違いはビニールの厚みです。冷凍用の袋のほうが厚く、水分の蒸散と長ネギのにおい移りを防げます。長ネギは立てて保存するため、縦長の袋が扱いやすいでしょう。
①根を落として適当な長さに切る
長ネギを洗って水分を拭きとったあと、まず、根元を切り落とします。次に青い部分と白い部分に切り分けます。青い部分のほうが傷みやすく、別々に保存したほうがよいためです。そのあと立てて保存するのに適当な長さに切りましょう。汚れがついていると傷みやすくなるため忘れずに洗ってください。
ボタニ子
切った長ネギは上下(根元側と葉先側)がわかるようにしておいてくださいね!
②湿らせたキッチンペーパーで包む
キッチンペーパーを水で濡らし、カットした青い部分と白い部分をそれぞれ包みます。キッチンペーパーではなくラップでも可能です。ラップを使用する場合は長ネギの根元側の切り口に湿らせたキッチンペーパーを添えておくとより乾燥を防げます。
③保存袋に入れたら立てて保存
包んだ長ネギを根元側が下になるように保存袋に入れます。深めのタッパーや収納ケースを利用し、立てるように置きます。そのまま冷蔵庫の野菜室に入れ保存しましょう。写真は少し見づらいですが、青い部分と白い部分で袋を分けています。青い部分は傷みやすいため、早めに使い切りましょう。
④キッチンペーパーを交換する
保存後は2~3日たったら、キッチンペーパーを新たに湿らせたものと交換しましょう。保存袋に入れていても完全に乾燥を防げません。袋を開閉すると水分が蒸発してしまうためです。
ボタニ子
冷蔵庫の性質や気候によっても乾燥のしかたが変わるので、交換はペーパーの乾き具合を見ながらおこなってください。
ボタ爺
冷蔵室よりも野菜室のほうが湿度が保てるタイプの冷蔵庫が多いんじゃ。長ネギの保存は野菜室がおすすめじゃぞ!
10日間冷蔵保存した結果
一般的に、長ネギの冷蔵庫での保存期間は約1週間といわれます。今回は10日間野菜室で保存しました。シャキシャキではないものの食味を損なうほどでもなく、ひどい乾燥ではありませんでした。調理して食べるぶんには全く問題ありません。
ボタニ子
キッチンペーパーをしっかり絞って使ったから、もう少し水分を含ませていればもっとみずみずしかったかも…。
ボタ爺
どちらにせよ、平均的な1週間よりも長持ちさせられたということじゃな!
長ネギの芯が伸びた原因
保存した長ネギの芯が伸びていたのは、長ネギの「傷害伸長」という現象です。長ネギは傷をつけたあと一定の温度で保存すると切断面が肥大します。詳しい原因ははっきりしていませんが、植物のホルモンの働きであると考えられています。
ボタニ子
外側が乾いて縮んだわけではなかったのね!
水につけて保存
次は、少し水を張った容器に長ネギを立てて保存する方法です。蒸散してしまう水分を容器内の水を吸わせて補うのが目的です。ネギはなるべくまっすぐ立てたほうがよいため、深くて幅の狭い容器を使用してください。万一倒しても水がこぼれないよう、フタがしっかり閉まるものを選びましょう。
①長ネギを切る
長ネギをよく洗い、根の部分を切り落としてから容器の深さにあわせた長さに切ります。
②水を入れた容器に長ネギを入れる
容器に3cmほどの深さまで水を張り、長ネギの根元側が水につかるように立てます。2~3日に一度水を交換しましょう。ネギの上下が逆では水を吸えずに乾いてしまうため注意してください。
ボタニ子
手順はこれだけです!とっても簡単ですよね。
10日間冷蔵保存した結果
水の交換を2日ごとにおこない、10日間保存したものです。葉先側の青い部分が少々黄味がかりましたが、外側までシャキシャキとした状態のままでした。新鮮でみずみずしい長ネギは青い部分の内側にとろとろした透明な液体があります。この方法で保存した長ネギには10日たってもこの液体がとどまっていました。
ボタニ子
使いかけの長ネギを容器に入れておいて、使ってまた残りを入れておけるからちょっとずつ使う人は便利ね!
ボタ爺
かなりみずみずしいところを見ると、もう少し長い期間保存できそうじゃな。
新鮮さを保つコツ
長ネギは長さがあるため、冷蔵庫で寝かせて保存してしまう方も多いようです。しかし植物は上に向かって成長しようとします。横向きに寝かせられた長ネギは、そこから上へ伸びようとするため写真のように曲がっていくのです。その過程で大量にエネルギーを消費するため、風味や栄養価が落ちてしまいます。新鮮さを保つためには保存しやすい長さに切り、立てて保存しましょう。
刻んだ長ネギの冷蔵保存
輪切りや千切りなど、刻んだ残りのネギも冷蔵庫で保存できます。タッパーの底にキッチンペーパーを敷き、長ネギを均等に入れます。ラップをしっかりかけて冷蔵庫で保存しましょう。刻んだネギはペーパーに余分な水分を吸わせたほうが長持ちします。保存できる期間は5日ほどです。長ネギの香味は揮発しやすいため、薬味に使用したいのであれば早めに使い切りましょう。
ボタニ子
キッチンペーパーはだいたい2日に1回交換しましょう。刻んである長ネギは水気が多いと傷みやすくなります。
次のページでは冷凍保存の方法についてご紹介します!
出典:写真AC