アキーってどんな果物?ジャマイカの珍しい果物の味や特徴とは?

アキーってどんな果物?ジャマイカの珍しい果物の味や特徴とは?

アキーは、ジャマイカで食べられている珍しいフルーツです。ジャマイカではポピュラーなフルーツでとてもおいしいといわれていますが、危険を含んでいます。そんなアキーとはどのようなフルーツなのか、特徴や危険性を見ていきましょう。

記事の目次

  1. 1.アキーとは?
  2. 2.アキーの特徴
  3. 3.アキーの食べ方
  4. 4.アキーの栄養
  5. 5.アキーを使ってジャマイカ料理に挑戦してみましょう

アキーとは?

Photo by sun dazed

基本情報

アキーは、西アフリカが原産のフルーツです。奴隷としてアメリカ大陸に連れてこられたアフリカ人が持ち込んだことが、ジャマイカで広がったきっかけといわれています。日本ではあまりなじみがないですが、缶詰が流通しており、ジャマイカ料理を提供する飲食店で食べられますよ。

科目 ムクロジ科アキー属
園芸分類 果樹
樹高 約15m
学名 Blighia sapida
英名 ackeeまたはakee
特性 常緑性がある、有毒成分がある

果実には毒性がある

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実が熟していないアキーには、有毒成分があります。毒による症状は嘔吐や昏睡、てんかんなどです。アキーはおいしいといわれるものの、ひどい場合は死に至ることもある、危険なフルーツです。

ジャマイカ嘔吐病とは?

ジャマイカ嘔吐病とは、未熟なアキーの実を食べることで起こる病気です。アキーにはヒポグリシンと呼ばれる有毒成分が含まれています。食べると強烈な吐き気のほか、意識を失ったり、最悪の場合は死に至ったりします。ヒポグリシンは未熟なライチにも含まれているため、ムクロジ科のフルーツを食べるときは注意が必要です。

日本で買えるのか

アキーは流通の難しさから、日本で天然物を手に入れるのは難しいです。日本ではジャマイカの雑貨を扱う店で、アキーの缶詰を手に入れられます。また、通販サイトがあり「アキーの缶詰」でネット検索してみるのもおすすめです。

アキーの特徴

特徴①木

アキーは、15mを超えることもある常緑高木です。葉はやや細長い卵型で、暖かい時期になるとかぐわしい小さな花を咲かせます。ジャマイカでは街中にも生えており、マンゴーと並ぶポピュラーな果樹です。

特徴②実

アキーの果実は約6cmで、内側は3つの部屋のようになっています。果実が赤くなって自然と身割れしたときが食べ頃です。果実の中にはクリーム色の果肉と大きな種が入っていて、果肉を取り出して食べます。

特徴③種

アキーの種は光沢があり、5~10cmほどと果肉と比較するとやや大きいのが特徴的です。種には水と反応すると泡が立つ、サポニン成分が含まれています。

特徴④果肉

アキーは、果実の1つの部屋に1つだけクリーム色の果肉が種とともに入っています。果肉は生食には向かず、魚や肉とあわせて加熱調理するのがジャマイカ料理の定番です。

特徴⑤味

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アキーは、日本で食べるようなフルーツ特有の甘みがありません。クルミのような香ばしさがあり、日本人の口にも合う奥深い味が楽しめます。また成分の90%が脂質といわれており、濃厚な味わいもアキーの特徴です。

アキーの食べ方

アキーは、果肉と皮の間にある薄い筋に有毒成分を含んでいます。薄い筋と種をきれいに取り除いてから、加熱調理しましょう。ジャマイカでは塩茹でしてから調理するのが定番です。

缶詰の食べ方

日本で手に入るのは、水煮のような缶詰のアキーです。水気を切って茹でてから調理してください。一度湯通ししたアキーは冷凍保存が可能です。使い切れないときは、冷凍庫で保存しましょう。

定番の食べ方

アキー&ソルトフィッシュ

アキーを使った食べ方は、塩たらと組み合わせる「アキー&ソルトフィッシュ」が定番です。日本で缶詰のアキーが手に入らない場合は、炒り卵で代用するとアキーに近い味わいが楽しめます。アキーは崩れやすいので、あまりかき混ぜないのがポイントです。

材料 (4~5人前)

アキー(缶詰) 1缶
寒干たら(or生鱈) 2~3切
にんにく 2~3かけ
たまねぎ 2個
お好みで唐辛子(青) 1個
トマト 1個
赤・緑ピーマン(orパプリカ) 各1個
タイム 小さじ1
ケチャップ 小さじ1
あればオールスパイス 少々
オリーブオイル 大1
バター 大1
こしょう 少々

  1. たらはたっぷりのお湯で20分ほど茹でる
  2. フライパインにオリーブオイルを引き、にんにく、たまねぎ、トマト、パプリカを炒める
  3. タイム、ケチャップ、オールスパイス、バターで味をつける
  4. 茹でておいたたらを加えて軽く炒める
  5. アキーを入れて、5分ほど蓋をする。こしょうを振りかければできあがり

アキーの栄養

アキーは食べると危険といわれるフルーツですが、ビタミンAや葉酸、ミネラルやカルシウムなど、人体に必要な栄養がつまっています。また、アキーの脂質は植物性のものなので体によい効果が期待できますよ。

栄養①リノール酸

アキーにはオメガ6系脂肪酸のひとつ、リノール酸が含まれています。リノール酸は必須脂肪酸でありながら、人体で生成できません。リノール酸はアキーのほかに、グレープシードオイルなどにも含まれていれ、コレステロールの濃度を下げる効果が期待できます。

栄養②ビタミンA

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ビタミンAは免疫力の向上や、目や皮膚を健康に維持する働きがあります。ビタミンAは油に溶けてしまう性質があるため、油炒めなどで摂取するのが効果的です。

栄養③ビタミンB群

アキーは、ビタミンB2やビタミンB3などのビタミンB群を多く含みます。ビタミンB群のなかには、胎児の成長に欠かせない葉酸も含まれており、とくに妊娠中の女性に効果的です。ビタミンB群はイライラや疲れの解消にも期待できるため、積極的に摂取しましょう。

栄養④亜鉛

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亜鉛は人体に欠かせない必須ミネラルのひとつです。代謝のサポートや免疫力向上の働きがありますが、体内で作ることはできないので食事で摂取するしかありません。亜鉛は、味覚の働きを保つ効果があるほか、美容にも効果的といわれています。

栄養⑤鉄

鉄は必須ミネラルのひとつで、血液を作ったり酸素を体中に送ったりするために欠かせない栄養です。鉄が不足すると体が疲れやすくなり、貧血、息切れ、めまいなどの症状を引き起こします。

アキーを使ってジャマイカ料理に挑戦してみましょう

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アキーはなかなか日本で見かけられませんが、濃厚な味わいが魅力的なフルーツです。缶詰のアキーはきちんと処理されているため、安心して食べられますよ。ぜひ、ジャマイカの味を感じてみましょう。

ぺぺ
ライター

ぺぺ

ズボラ人間ですが、子育ての傍ら趣味でもあるガーデニングやDIYを楽しんでいます。日々、子どもと植物の成長を見守っています。

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