はじめに
ホワイトレースフラワーという名を聞いて思い浮かべるのは、どんな花の姿でしょうか。ホワイトレースフラワーは、単体で華やかな主役としても、他の花を引き立てる名脇役としても大活躍の花です。そんな魅力いっぱいの可愛らしい花をより長く楽しむために、特徴や育てるコツをご紹介していきます!
ホワイトレースフラワーの概要
小さく可愛らしい花の集まりが印象的なホワイトレースフラワーは、地中海地方原産のセリ科の植物です。花が咲く様子が、繊細なレースによく似ているため、この名前が付けられました。日本では、1980年代に入ってから、主に切り花として栽培されています。可憐な可愛らしい姿が、花束やフラワーアレンジの花材としても人気です。
和名はドクゼリモドキ
ホワイトレースフラワーには、「ドクゼリモドキ」という少しドキッとする和名がついています。これは、同じセリ科の植物の「ドクゼリ」と花の形がよく似ているためつけられた和名です。「ドクゼリ」は非常に強い毒性を持っていますが、ホワイトレースフラワーは無毒で、「ドクゼリ」とは名前は似ていても別の品種です。
花言葉
花言葉は、『感謝』『可憐な心』『細やかな愛情』『繊細』『悲哀』などです。花姿を細やかなレースに見立てたホワイトレースフラワーから連想できる花言葉が中心となっています。感謝の気持ちと一緒にホワイトレースフラワーのブーケを送られたらうれしいですね。
ホワイトレースフラワーの種類
ここでは、セリ科アンミ属の中でも、一般的にホワイトレースフラワーと呼ばれている、2つの種類をご紹介します。見た目や名前が似ているため、混同されやすいものもありますので、併せてご紹介します。
ホワイトレースフラワー2種
アンミ・マユス/【和名】ドクゼリモドキ
一般的にホワイトレースフラワーというと、この種類を指すことが多いです。標準タイプの「クイーン オブ アフリカ」と晩生タイプの「グレースランド」の二種類があります。
アンミ・ビスナガ/【和名】イトバドクゼリモドキ
花も、全体的な姿もアンミ・マユスと非常に似ていて、区別をするのはなかなか難しいですが、名前に「ホソバ」とつくだけあって、葉がやや細く、繊細です。少し緑がかった白い花を咲かせる、「グリーンミスト」という品種が知られています。
ホワイトレースフラワーに似た植物
オルレア
「白いレースのような花」と聞いて、オルレアをイメージする方も多いのではないでしょうか。「ホワイトレース」という名でも知られているオルレアですが、こちらは同じセリ科でも、オルレア属に属する別の種類の植物です。中心の花が小さく、周りを大きな花びらの花が囲むように咲きます。
ブルーレースフラワー
セリ科トラキメネ属に属するブルーレースフラワーは、名前がよく似ているうえに、青だけでなく、ピンクや白の花を咲かせるものがあり、混同されやすい品種です。ホワイトレースフラワーは小さな花のまとまりが、たくさん集まって一つの花を形成しますが、ブルーレースフラワーは小さな花のまとまりを作らない点が、見分けるポイントです。
ホワイトレースフラワーの特徴
特徴①本来は多年草
地中海沿岸や南ヨーロッパで育つホワイトレースフラワーは、本来は多年草です。比較的乾燥には強い花ですが、暑さと湿気が苦手なので、日本の高温多湿の気候には対応できず、夏には枯れてしまいます。そのため、日本では一年草として取り扱われています。
特徴②切り花は手に入りやすい
ホワイトレースフラワーは5~6月に花を咲かせ、梅雨の季節には枯れてしまうことが多いです。しかし、春にも種をまける植物ですので、栽培時期の調節を行ったり、温室栽培など栽培環境の工夫をすることで、切り花としては真夏を除いて、ほぼ季節を問わず購入することが可能です。ブーケなどにボリュームや華やかさをプラスする名脇役として重宝される花です。
ホワイトレースフラワーの育て方①栽培スケジュール
ここからは、栽培の時期ごとに育て方とお手入れのコツを詳しく説明していきます。併せて、増やし方もご紹介します。育て方は難しくありませんので、お庭のボリュームアップに取り入れてみてはいかがでしょうか。
栽培スケジュール
種まき(秋) | 9~11月 |
種まき(春/寒冷地) | 3~4月 |
開花時期 | 5~6月 |
出典:写真AC