ウラシマソウの育て方③管理のポイント
水やり
ウラシマソウは乾燥に弱いため、水切れしないように管理するのが基本です。土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えましょう。ウラシマソウの場合、乾燥は厳禁のため、冬の休眠期も同様に水やりします。また、ウラシマソウは葉が大きく、株の上から水やりすると水の重みで茎が折れてしまいます。上からではなく株元に水を与えましょう。
肥料
ウラシマソウは肥料が好きな植物です。植え付け、もしくは植え替え時に元肥として緩効性肥料を施します。生育中は葉が枯れ始めるころまで液体肥料を2週間に1回のペースで追肥として与えましょう。液体肥料は窒素、リン酸、カリが同じ比率のものがおすすめです。
害虫対策
ウラシマソウの栽培で注意すべき害虫は、イモムシやナメクジです。おもに芽出しの時期である3月中旬~下旬ごろに食害されます。発見次第殺虫剤などで駆除しましょう。冬の時期は、ネズミが地下に埋まっている球根を食害することがあります。休眠期にあたる冬場も油断は禁物です。
病気対策
ウラシマソウの栽培で注意すべき病気は、白絹病と軟腐病です。どちらの病気も細菌が原因で発生し、高温多湿な環境でかかりやすくなります。ウラシマソウは乾燥に弱いため、水のやり過ぎなど過湿な環境になりやすい植物です。株の風通しや土の湿り具合に注意しましょう。また、白絹病も軟腐病も細菌が原因で起こる病気です。感染予防のため、病気にかかった株は根ごと取り除いて処分しましょう。
ウラシマソウの育て方④詳しい栽培方法
植え替え
ウラシマソウを鉢植えで育てている場合は、植え替えを行います。適期は植え付けと同じく11月~2月の休眠期です。球根を掘り上げ、古い皮や汚れを軽く洗い流してから、新しい鉢と用土を使って植え替えましょう。球根は、芽の先端部分が2cm~3cm埋まる程度の深さの植え方が基本です。ウラシマソウの球根は年々大きくなるため、毎年植え替えましょう。
ウラシマソウは結実すると、果実が熟すまで休眠しないんだ。だから結実した株の植え替えは、地上部が完全になくなってから行ってね。
増やし方
ウラシマソウの増やし方は「種まき」と「分球」の2種類があります。しかし、ウラシマソウの種は発芽に2年、開花に5年かかるため、分球で増やす方法が一般的です。ウラシマソウは球根の周囲に新しい小さな球根をつけます。新しい球根は自然に外れるため、無理に取らないように気をつけましょう。新しい球根の植え方は通常の球根と変わりません。
分球の適期は植え替え時期と同じ休眠期です。植え替えと同時に行うと効率的ですよ。
ウラシマソウの種類・品種
①ナンゴクウラシマソウ(南国浦島草)
ナンゴクウラシマソウとは、名前が示すように南国(紀伊半島以南)に分布する球根植物です。成長すると葉の中脈が白い筋になります。仏炎苞の内部にある付属体の下部に細かいシワがあるのが大きな特徴です。基本種のウラシマソウは付属体の下部にシワがないため、両種を見分けるポイントでもあります。
②ヒメウラシマソウ(姫浦島草)
ヒメウラシマソウとは、本州南部と九州に分布しているウラシマソウの小型種です。草丈30cm~50cmと、ウラシマソウよりも小さいことから「ヒメ(姫)」という名前がつきました。白と赤褐色のストライプという目立つ花色、さらに両端がカールするという特徴的な形状のため、ウラシマソウのなかでも特に個性的な品種です。
個性が強い品種は育ちにくい印象があるけど、ヒメウラシマソウはウラシマソウよりも丈夫で寿命も長いんだよ。
③マムシグサ(蝮草)
マムシグサはテンナンショウ属の植物の代表的品種で、北海道~九州と分布地域も広い植物です。緑または黒褐色に白のストライプ模様が入る花色と、斑模様が入る茎が大きな特徴です。茎の斑模様がマムシの体色に似ていることから、「マムシグサ(蝮草)」と呼ばれるようになりました。分球しにくい性質のため、株を増やす際は種まきで増やす方法が用いられています。
④ユキモチソウ(雪餅草)
ユキモチソウは四国と本州の一部に分布している品種です。赤褐色の仏炎苞に包まれた花序の先端部分が雪のように白く、餅のように丸いことから「ユキモチソウ(雪餅草)」と名づけられました。赤褐色の花色と真っ白な花序のコントラストが美しいことから人気があります。分球しにくい性質があるため、株を増やしたい場合は種まきで増やしましょう。
個性的な山野草ウラシマソウを育ててみよう
ウラシマソウは園芸植物としての知名度は低く、どちらかといえばマイナーな部類に入ります。しかし、個性的な花姿と性転換する珍しい特徴から、山野草の愛好家に人気がある植物でもあります。機会があれば、栽培に挑戦してみましょう。
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ウラシマソウの球根の寿命は5年ほどですが、生きている間は成長し続けるんですよ。