ドイツスズランの夏越しのポイント
ポイント①暑さの管理
ドイツスズランは夏の暑さが苦手な植物です。ただし完全な日陰で育てると花が咲かない恐れがあるため、適度な日照量は確保しましょう。開花期である4月~5月は、明るい日陰になる木の下や、庭のすみなどで管理するのがおすすめです。その後は直射日光を避けた、日当たりのよい場所で育てましょう。自生しているヨーロッパに近い環境で栽培することが、夏越しを成功させるポイントです。
ポイント②水やりの方法
ドイツスズランは高温多湿が苦手です。水やりのしすぎには注意しましょう。ただし開花期を終えた夏場は生育期に該当するため、たっぷりの吸水が必要です。株を乾燥させないように心がけてくださいね。水切れを起こすと早期に葉が枯れてしまい、翌年花を咲かすための花芽ができにくくなってしまいます。気温20℃以上で湿度40%〜60%程度の、「適度な湿度」を保つことが大切です。
ドイツスズランの種類・似ている花
ドイツスズランの種類
ピンクスズラン
ピンクスズランはドイツスズランの種類のひとつです。ほんのり色づいたピンク色がかわいらしく、とても可憐な印象です。色の濃さは、個体差や栽培環境によっても違いが出ます。草丈はやや小ぶりながら、ドイツスズランと同様にとても丈夫な性質を持ちます。ピンクスズランはスズランの中でも、特にめずらしい種類です。生花店での扱いも多くはありませんが、鉢植えやアレンジメントは、ギフトに非常に人気がありますよ。
ドイツスズランに似ている花
似ている花①ニホンスズラン
ニホンスズランは同じスズランの仲間です。ヨーロッパ原産のドイツスズランに対して、こちらは日本の北部、特に北海道や東北地方を中心に自生しています。ドイツスズランはベル状の花の中に赤い部分がありますが、ニホンスズランにはないことが、見分けるポイントのひとつですよ。また花茎よりも葉のほうが丈が長く、花が目立たないという特徴もあります。奥ゆかしい咲きぶりが、いかにも日本のスズランといった風情です。
似ている花②スノードロップ
スノードロップは東ヨーロッパ原産の球根花です。春を告げる花のひとつとして、古くから愛されてきました。スズランよりも早い2月~3月に、スズランによく似たうつむきがちの花を咲かせます。草丈は5cm程度のものから、大きなものでは30cmくらいまで成長します。花びらの先端に緑色のドット模様が入っており、とてもかわいらしい印象です。ロックガーデンや落葉樹の下での栽培に向きます。花言葉は「希望」「なぐさめ」です。
似ている花③スノーフレーク
中央ヨーロッパを中心に自生するスノーフレークも、ドイツスズランによく似たベル状の花を咲かせます。葉がスイセンのようにすらりと細長いのが、ドイツスズランとの大きな違いです。そうした特徴から、「スズランスイセン」という別名もありますよ。開花期は3月中旬~5月中旬と、スノードロップとドイツスズランのちょうど中間です。「純潔」「汚れなき心」「みんなをひきつける魅力」といったポジティブな花言葉を持ちます。
ドイツスズランで可憐な花壇をつくろう
ドイツスズランとは、日本で幅広く栽培されているスズランの品種です。葉の陰に隠れるように花を咲かせるニホンスズランと違い、花に存在感があることから、観賞用としてとても人気があります。暑さや多湿を苦手とするのは共通の性質ですが、ニホンスズランに比べてドイツスズランのほうが丈夫で育てやすいことも、園芸品種として優秀ですね。温度管理や水やりなどの基本的なポイントを押さえれば、初心者でもきれいな花を咲かせられますよ。
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出典:写真AC