シンボルツリーにおすすめしない木⑤~⑧
⑤ゴールドクレスト
ゴールドクレストは、黄金色に輝く葉がおしゃれな常緑樹です。洋風の庭によくあい、目隠しやシンボルツリーとして選ばれることもありますが、あまりおすすめはできません。縦にも横にも1年で約1m大きくなり、単純計算すると5年で5m成長します。小さく育てたくても成長が早いためこまめな管理が必要であり、時間と手間がかかります。
ボタニ子
ゴールドクレストは根がとても弱いの。一度植えると植え替えや移植が難しいから気をつけてね!
ゴールドクレストは強剪定できますか?
樹高が低いうちは強剪定も可能です。ゴールドクレストは大きくなるにつれて内側の葉が枯れていきます。樹高が高くなってから強剪定すると黄金色の部分を切り落とすことになり、茶色の部分が表に出て見栄えが悪くなってしまいます。また、一度に切り詰めすぎると葉をつけなくなるので、年に数回こまめな剪定をしたほうがよいでしょう。
⑥ミモザ
ミモザは、春に咲かせるふわふわの黄色い花が魅力の常緑樹です。花は観賞用や切り花、ドライフラワーとしても楽しめ、シンボルツリーに選ばれやすいですが、実は管理に手間がかかります。成長が早く大きくなるにもかかわらず根は浅く広く張るため、風などで倒木する可能性が高いです。春と冬には剪定が必要で、害虫や病気対策も必要です。
ミモザの病害虫
ミモザにはカイガラムシがつきやすいです。カイガラムシの排泄物は厄介で、甘い匂いがすることからアシナガバチやスズメバチが寄ってきます。また、排泄物を放置しておくとすす病を引き起こす場合があり、気がけて観察し取り除く必要があります。
⑦もみの木
クリスマスツリーとしても有名なもみの木は、西洋の庭に植えられている定番の木のひとつです。手入れなしでも三角形の樹形を保てるのは利点ですが、小さいうちから剪定しないと成長が早くあっという間に大木になってしまいます。強剪定だけでなく少し剪定する際にも、注意しなければ木を傷つけ枯らしてしまうこともあるため、業者に依頼するなど手間もかかります。
ボタニ子
もみの木は放っておくとゆくゆくは50m~60mにまで成長する大木なんだって!育てたいのなら、鉢植えのほうがおすすめだよ!
⑧梅
ピンクや白の花を咲かせて春の訪れを知らせてくれる梅は、日本で古くから愛されてきました。品種にもよりますが樹高は極端に高くないため、庭植えにしている方も多いです。梅をシンボルツリーにおすすめしない理由は剪定が大変なことです。年に2~3回ほど剪定をしないと「花が咲かない」「病気にかかりやすくなる」などのトラブルを引き起こしてしまいます。
ボタニ子
品種によっては枝が硬く、剪定にノコギリが必要になることもあるの。地植えは管理が大変だけど、鉢植えや盆栽でなら手軽に楽しめるよ!
シンボルツリーにおすすめしない木⑨~⑫
⑨椿
椿は艶のある緑色の葉と深紅の花が美しい常緑樹です。成長が遅く寿命が長いため庭の目隠しにも使われますが、病害虫に弱くあまりおすすめできません。椿につきやすい害虫の中でも厄介なのがチャクドガで、葉を食害するだけでなく、幼虫や死がいに触れると発疹がでて痒みをともないます。花腐菌核病、褐斑病、炭疽病などにもかかりやすく、管理が意外に大変です。
ボタ爺
常緑樹だから葉は散らないけれど花は根元からポトっと落ちるぞ。放置しておくと枯れたり腐ったりして見栄えが悪くなるから気をつけての。
⑩ヤマボウシ
ヤマボウシは、春は新緑、夏は白い花、秋は紅葉を楽しめることから、庭に好んで植える方も多いです。そんなヤマボウシをシンボルツリーにおすすめしない理由は大きく育つからです。最低でも5m、大きくなると15mまでに成長するため、広いスペースが必要になります。秋につける赤い実も厄介で、水分が多く地面におちるとベチャベチャになり、掃除も時間がかかり大変です。
ボタニ子
鳥が住みついてフンの掃除が大変だったっていう人もいたよ!落葉樹だから落ち葉の片付けなんかも手間がかかるよね。
⑪竹
和風モダンや和風の庭作りに人気な竹も、実はシンボルツリーには不向きです。竹は恐ろしいほどに成長スピードが速く、1年で1m以上伸びることもあります。地下茎は広範囲に広がるため、庭のどこから新たに竹が生えてくるかわかりません。地下茎も硬いので素人では取り除くのが困難なうえに、一度切ってもまた生えてくることもしばしばです。
どうしても竹を庭に植えたいとき
竹をシンボルツリーにしたいときは、竹を植え付ける場所を決めて、その周り(地中)をぐるっと一周コンクリートで固めましょう。そうすることで地下茎の増殖を防げ、管理がかなり楽になります。樹高があまり大きくならないものを選ぶのもポイントです。「鳳凰竹」「黒竹」「朱竹」、あるいは竹ではありませんが似ている「オカメ笹」などがおすすめです。
ボタニ子
小さめサイズの竹なら、目隠しにも使えていいね!ただし増殖はするから、しっかり管理する必要はあるよ!気をつけてね!
⑫松
松といえば日本の風景を特色づける代表的な木ですが、管理は難しく一般家庭の庭に気軽に植えるのはおすすめしません。松は枝先からしか新しい芽を作らないため、剪定の仕方を誤ると再生は難しく、最悪の場合枯れてしまいます。しかしながら樹形を崩さないためには、新芽の出る5月の剪定を怠ってはいけません。害虫や病気対策も必要な点も手間がかかるポイントです。
松の病害虫
松につく害虫の中で特に厄介なのが、センチュウを媒介する虫である「マツノマダラカミキリ」です。マツノマダラカミキリが幹内部で産卵すると、センチュウも内部で発生します。木に必要な水分や養分の通り道を邪魔し、最終的には枯死することも珍しくありません。
シンボルツリーにおすすめしない木を知っておこう!
シンボルツリーは家や庭を華やかに飾ってくれる素敵な存在ですが、どんな木でも植えてよいわけではありません。剪定や病害虫対策などの管理だけでなく、枝が張りすぎることで起こる近隣トラブルや落葉や花の片付けなど、さまざまな「手間」がかかる木は選ばないほうが無難です。シンボルツリーに向かない木を知って、自分の庭にあったものを選んでくださいね。
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出典:写真AC