シンボルツリーにおすすめしない木の特徴
シンボルツリーとは、住宅や庭の象徴となる樹木のことです。落葉樹や常緑樹、花が咲くものや実がなるタイプなど、樹木には非常にたくさんの種類があります。しかし、庭木の管理に時間をかけたくない方に「向いている木」と「向かない木」があることは意外に知られていません。一度植えるとなかなか変更がきかないため、おすすめしない木の特徴を知り、選ぶ際の参考にしましょう。
ボタニ子
①成長が早い
成長が早い樹木は、シンボルツリーにおすすめしません。樹高が高くなるのはもちろん、枝が伸び葉が育つのも早く、その都度切り戻し作業などの手間がかかります。成長が早いことはよいことのようにも思えるかもしれませんが、近くに植えているほかの木や植物の成長を妨げる場合もあります。特に枝の張りが強いタイプは、隣家とのトラブルの元にもなりかねないため注意が必要です。
ボタ爺
目隠しも兼ねて庭の端に植えるのもいいが、成長が早いと枝が道路に張り出しやすいんじゃ。こまめに手入れせんといかんのも大変じゃのう。
②大きくなりすぎる
シンボルツリーには低木よりも高木が選ばれることが多いですが、大きくなりすぎる木は避けたほうが無難です。日本の一般的な庭の広さはコンパクトな場合が多く、大きくなりすぎると庭だけでなく住居にも影響を与える可能性があります。また、シンボルツリーが大きすぎると庭のほかの木や植物とのバランスも崩れ、見栄えが悪くなるのもマイナスポイントです。
③病害虫に弱い
「害虫がつきやすい」「病気にかかりやすい」ような樹木は、シンボルツリーとして植えると手間がかかって厄介です。鉢植えの植物と違って病害虫にあう範囲も広く、個人で対応できないケースも多々あります。業者に依頼して薬剤散布するなど対応方法はありますが、「お金がかかる」「周りの家への配慮が必要」など注意点もあることを覚えておきましょう。
④毎年剪定が必要
実際に植えたシンボルツリーで後悔している人から、「毎年の剪定が大変」という声が多く聞かれています。花や実がつくタイプの木は花芽を育てる必要があり、手入れの中でも剪定は重要なポイントです。低木タイプであれば個人での剪定も難しくありませんが、樹高が高くなると業者に依頼するほかありません。年に数回とはいえ、剪定が不可欠な木はあまりおすすめしません。
シンボルツリーにおすすめしない木①~④
①桜
桜は日本の春を代表する花のひとつであり、庭木に選ぶ人も多いですが、シンボルツリーにはおすすめできません。桜は成長が早く、数年で高さ4~5mになります。枝の張りが強いにもかかわらず、剪定の仕方によっては花が咲かないため、知識がないと簡単に切り落とせません。落葉樹で落ち葉の掃除が大変なところ、毛虫などの害虫がつきやすいのも難点です。
ボタニ子
桜は根の張りも強いんだって。どうしても庭に植えるなら、住居から少なくても5mは離してね。家が壊れちゃうこともあるよ!
どうしても桜を植えたいときは
どうしても桜をシンボルツリーにしたい場合は、桜の中でも比較的小さく育つ低木タイプや剪定に強い品種を選びましょう。「ニワザクラ」「カワヅザクラ」「シナミザクラ」「オカメザクラ」などがおすすめです。
②柿
日本の庭でよく見かけられる柿の木も、実はあまりシンボルツリーには向きません。理由は剪定が大変だからです。柿は上にも横にもよく成長するため、年に数回剪定する必要があります。ただし剪定にはコツがあり、実付きをよくしたいならやみくもに切ってはいけません。イラガやカメムシなどの害虫がつきやすく、病気になりやすいのもおすすめしないポイントです。
ボタ爺
柿は落葉樹じゃから、秋には掃除が大変なんじゃ。柿の実はおいしいが、放っておくと鳥が集まってくるから気をつけなきゃいかんのう。
③イチョウ
秋になるときれいな黄色い葉を楽しませてくれるイチョウも、大きくなりすぎるためシンボルツリーに向きません。根の張りが強く、住居や近隣の道路に悪影響を及ぼす危険性もあり、管理に手間がかかります。秋になる銀杏の実はおいしいですが、「臭いが強烈」「素手で触るとかぶれる」など意外に厄介な存在です。ちなみに実がなるのは雌の木のみです。
ボタニ子
イチョウは高く伸びるから、放っておくと隣の家にも影響を及ぼすよ!落葉樹だから葉は散るし、実も落ちるから気をつけてね!
④キョウチクトウ
キョウチクトウとは、低木~小高木に分類される常緑樹です。桃のように愛らしい花を長期間咲かせてくれるためシンボルツリーに使われることもありますが、実はあまりおすすめされません。理由はキョウチクトウが持つ毒性にあります。口にするのはもちろん、樹液などに触れるのも危険です。剪定はゴーグルや手袋が必須で、切り落とした枝の処分も手間がかかります。
毒性成分と症状
キョウチクトウに含まれる毒性成分は「オレアンドリン」や「ストロファンチン」です。枝、葉、花、実、根など全ての部分に強い毒性があるだけでなく、生木を燃やした煙にまでも毒素は確認されています。毒素を摂取したときの主な症状は、吐き気、嘔吐、倦怠感、めまい、腹痛、下痢などです。樹液に触れるとかぶれることもあるため、扱いには十分注意しましょう。
ボタニ子
次も引き続き、シンボルツリーにおすすめしない木を紹介していくよ!
シンボルツリー選びの際には「見た目」や「好み」が重視されがちなの。「手入れの手間」までしっかり考えることが大事だよ!