ウスバサイシンとは
ウスバサイシンという植物をご存知ですか?日本の山林に広く分布している野草で、根の部分は有効成分を多く含むため漢方の「細辛(サイシン)」の原料としても利用されている植物です。精油を多く含み、チョウの食草としても知られています。そんなウスバサイシンの育て方や増やし方、よく似た「カンアオイ」との違いなどをご紹介します。
ウスバサイシンの基本情報
科名 | ウマノスズグサ科 |
属名 | ウスバサイシン属 |
和名 | 薄葉細辛 |
開花時期 | 1月〜5月 |
耐暑性 | 普通 |
耐寒性 | 普通 |
ウスバサイシンの有効成分
ウスバサイシンは漢方の「細辛(サイシン)」の原料にもなっています。根を乾燥させたものが薬草として使われており、強い芳香がするのが特徴です。細辛は鎮痛効果や発汗効果が期待できるため、頭痛や歯痛、風邪や喘息の緩和などに用いられています。ウスバサイシンに含まれる有効成分は以下のとおりです。
- メチルオイゲノール
- アルファ・ピネン
- サフロール
- シオネール
- リネモン
ウスバサイシンの名前の由来
ウスバサイシンは漢字で「薄葉細辛」と表記されます。薄くて繊細な葉を持つので「薄葉(ウスバ)」と名前に入っています。また、漢方にも使われている根の部分はとても細く、噛むとピリッと少し辛みがあるのが特徴です。その細さや辛みから「細辛(サイシン)」とついたのが名前の由来といわれています。
ウスバサイシンの花言葉
ウスバサイシンには「勇気」「追憶」という花言葉がついています。山の日陰でもしっかりと成長する姿に「勇気」という花言葉はぴったりですね。また、日本に古くから自生している植物なので、子供の頃に見た咲き姿を思い出し懐かしい思いにふける「追憶」という花言葉がついたといわれています。
ウスバサイシンの特徴
日本の本州、四国、九州などに広く分布している多年草です。葉が薄く、根が細いという特徴があり、漢方にも使用されています。よく似た「カンアオイ」という植物も同じく多年草に分類される植物です。花や葉の特徴や「カンアオイ」との見分け方や違いをご紹介します。
花
開花時期は1月〜5月で、地面に近い場所でこっそりと咲いています。葉をかきわけないと花全体は見られません。色は濃い紫色や茶色で、地面の色に似ているので花を見つけるのは難しいといわれています。大きさは1cm〜2cmほどで、つぼのような形をしています。
葉
葉は波打つようにクシャクシャとした見た目をしています。葉脈が深く刻まれており、鮮やかな緑色で光沢はありません。秋になると葉が茶色く枯れ込み、冬には落葉するのが特徴です。精油が含まれているため「ヒメギフチョウ」というチョウの食草としても知られています。
カンアオイとの違い
カンアオイとは葉の色や形が似ていますが、ウスバサイシンは「落葉性」なのに対して、カンアオイは冬でも落葉しない「常緑性」という違いがあります。また葉を食べるチョウは「ギフチョウ」という名前のチョウで、ヒメギフチョウよりもひと回り大きなチョウです。カンアオイは葉に少しツヤがあるので、見分ける参考にしてください。
ボタニ子
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