ベロニカ・オックスフォードブルーの魅力
ベロニカオックスフォードブルーは他にもジョージアブルーとも呼ばれ、オオイヌノフグリと似た青い小さな花を咲かせる植物です。濃いブルーがオックスフォード大学のスクールカラーになっているということが名前の由来と言われています。ジョージアブルーの名前は、原種がジョージア国(グルジア)に分布していることに由来しています。ガーデニングでも花壇の周りに植えられている、小さくても強健でかわいらしいベロニカオックスフォードブルーを詳しく見てみましょう。
ベロニカ・オックスフォードブルーとは?
- 別名:ベロニカ・ジョージアブルー、ベロニカ・ペドゥンクラ
- 科名:オオバコ科
- 属名:クワガタソウ属(ベロニカ属)
- 原産国:ヨーロッパ
- 花色:青
- 草丈:5cm〜20cm 這性
- 日向~半日陰
- 宿根草
- 花期:3月~6月
- 初心者向け
ベロニカ・オックスフォードブルーの種類
もともと「ベロニカ」は花穂(かすい)が縦方向に伸びる種類で、花色も紫・青・白・ピンクと豊富にあります。また、銀白色の葉を持つものや、春先より晩夏から秋にかけて咲く品種もあります。その中で匍匐性(ほふくせい)があり、青い花を咲かすベロニカオックスフォードブルーは、他のベロニカとは違う種類に見えます。従って、ベロニカと言っても、ベロニカオックスフォードブルーだと思う人とその他の品種を想像する人では全然イメージが違うので注意しましょう。
ベロニカ・オックスフォードブルーの特徴
ベロニカオックスフォードブルーは常緑性の宿根草です。地面を這うように成長します。花期になると、葉の付け根から短い花序を出し、花径が1cmぐらいの小さくて濃いブルーの花をたくさん咲かせます。花は4弁の花弁を持っているように見えますが、実は花冠に切れ込みが深くあるためで、基部では1つに繋がっています。花の中には2本の雄しべと1本の雌しべがあります。
ベロニカ・オックスフォードブルーの花言葉は
ベロニカオックスフォードブルーの花言葉は「忠実」「忠誠心」「名誉」「女性の貞節」「人の好さ」です。花言葉の由来は「ベロニカ属」から来ています。これは十字架を背負ってゴルゴダの丘へと向かうイエス・キリストに、額の汗を拭くためにヴェールを差し出した女性の名前、ベロニカにちなんでいるのです。「名誉」はその勇気を讃えてつけられています。「忠実」「忠誠心」はベロニカが差し出したヴェールで汗を拭いた際に、そのヴェールにキリストの顔が映し出されていたという奇跡からつけられています。とても神秘的な花言葉と由来ですね。
ベロニカ・オーックスフォードブルーの適地
初心者でも簡単に育てられるジョージアブルーことベロニカオックスフォードブルーですが、実際育てるにはどこに植えるのが最適でしょうか。
①グランドカバーとして植える
一番適しているのが、グランドカバーとして植えることです。這うようにどんどん広がって生育するので、簡単に大きく育ちます。春先に開花すると、一面に青い花が広がり、見事です。葉の色も、春には緑、秋にはなると銅色に変化し、冬には完全に銅色の葉になります。その変化もきれいです。
②鉢植えにする
匍匐性があるので、寄せ植えやハンギングバスケットに植え付けて垂れさせたり、ワイヤーに巻き付けるのも素敵ですね。開花期に青い滝のように見えたり、ワイヤーに型取られた形に咲くと美しいでしょう。
ベロニカ・オックスフォードブルーの育て方①:水やり
地植えの場合は、ほとんど水やりの必要はないです。降雨で十分です。あまりに晴天続きで元気がなくなりしおれたようになっていたら、たっぷり水やりしましょう。鉢植えも同じで、鉢の土が乾いた際に、たっぷり水やりしましょう。
ベロニカ・オックスフォードブルーの育て方②:肥料
地植え、鉢植えとも、春と秋の成長する時期に緩効性化成肥料を株の根元に置き肥します。特に毎月肥料をやる必要もないでしょう。お手入れの必要が少ないのにどんどん広がっていき、本当に育てやすい植物です。
ベロニカ・オックスフォードブルーの育て方③:増やし方
基本的に、株分けと差し芽で増やします。もちろん種をまいても増えます。けれども、種よりも苗で流通しているので種から育てることはほとんどありません。今回は株分けと差し芽の増やし方をみてみましょう。
①株分けでの増やし方
株分けに適しているのは、3月~4月、9月下旬~11月上旬です。植え替え時に掘り上げた株を分けて植え付けます。すぐに成長して大きくなるので、庭中に植え付けできますね。だいたい3年に1度ぐらいは株分けできます。
②挿し芽での増やし方
挿し芽に適しているのは、5月~6月と9月~10月です。特に挿し芽用に切らなくても、お手入れの際に剪定して切り戻した茎を挿し芽用に使えば十分です。剪定した茎を2~3節程度に切り挿し穂にします。花や葉は取り除いておきましょう。その後水揚げし、挿し木用の土に挿します。明るい日陰で水を切らさないようにしながら管理します。しっかり発根すれば植え付けましょう。
ベロニカ・オックスフォードブルーの育て方④:植え付け・植え替え
ベロニカオックスフォードブルーは宿根草なので、花壇に植え付けると長く楽しめます。ガーデニング初心者でも、生育旺盛に大きくなるこの植物をぜひ植えてみましょう。植え付け、植え替えに適しているのは3月~4月と9月下旬~11月上旬です。
植え付け
庭が花壇に地植えする場合は、植え付け場所に腐葉土を混ぜて水はけよくしましょう。広がるので、株と株の間は30cm~40cmほど開けてください。鉢植えの場合は、市販の草花用園芸用土を使えばすぐに植え付けられます。自作する場合は、赤玉:腐葉土を7:3ぐらいで混ぜるとよいでしょう。特別な配合をしなくても、普通の用土で大丈夫です。
植え替え
地植えの場合は、ほとんど植え替えなどお手入れの必要はありません。ただし、株があまりに込み入って生育が悪くなっている場合は、掘り上げて株分けして植え替えるほうがよいです。鉢植えの場合は、生育旺盛なので根詰まりを起こしやすく、一年に一度は植え替えましょう。根鉢を1/3ほど崩して、一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けしましょう。
ベロニカ・オックスフォードブルーの育て方⑤:管理場所・温度
暑さ、寒さに強いベロニカオックスフォードブルーは場所や温度の管理をしなくても大丈夫です。押さえておいたほうがよい点をまとめました。
- 多湿を嫌うので、梅雨や夏場に株元が蒸れないように注意すること
- 株が蒸れないように、花後に草丈の半分ぐらい切り戻す
- 真夏に直射日光が強すぎるのなら日よけをするか、鉢植えならば半日陰に移動させる
- 寒くなってくると葉の色が銅色になるが、枯れてしまったわけではない
- 霜や雪で葉や茎が枯れても、地中の根が生きているので春には芽吹く
- 土の中まで凍るのならば、植え替えるか凍結対策する
ベロニカ・オックスフォードブルーの育て方⑥:病害虫対策
特に病気になることはありません。虫もあまりつきません。けれども、生育期にはアブラムシが一般的な植物と同じようにつきやすくなっています。放置しておいても、生育しますが、できれば虫を見つけたら、殺虫剤を散布して駆除しましょう。
まとめ
オックスフォードブルーは育てやすく、主役ではないかもしれませんがガーデニングに欠かせない植物ですね。鉢植えや寄せ植えのポイントとして、花壇やロックガーデンのカバーとして植えてみましょう。お手入れしやすい上に、大きな株になり、宿根草なので四季を通じて楽しめます。
出典:写真AC