ピオニーとは
ピオニーとは英名で、芍薬や牡丹の花のことを指しています。日本では呼び分けられていますが、明確な区別がなくボタン属全般をピオニーと呼ぶ地域もあります。香水などに使われている場合は明記がない場合もありますが、香りの高い芍薬が使われていることが多いです。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花
美しい女性を例える言葉として日本ではよく知られているこの言葉にあるとおり、芍薬と牡丹は百合や薔薇などと並んで美しい花として人気が高い植物です。ピオニーが香りと共に女性に好まれるのは、この見た目の美しさも大いに関係しています。
ピオニーとは芍薬と牡丹の総称
芍薬と牡丹は英語圏ではどちらもピオニーと呼ばれています。二つの植物はボタン科ボタン属であり、学名もどちらも「paeonia」とつく非常に近い植物なのです。見た目が似ていることや関係の近い植物であるという理由から、芍薬と牡丹をピオニーと総称して呼んでいるんですね。芍薬も牡丹もピオニーとして人気を集める植物ですが、近年芍薬のほうがピオニーとして注目されているようです。
芍薬と牡丹の違い
ピオニーとして区別がされていない地域もあるように、一見すると芍薬と牡丹の花は非常に似ていて見分けが難しいです。とはいえ、どうして日本では明確に区別されているので、花の咲き方、落ち方、葉などをよく見ることでその違いが見えてきます。
芍薬 | 牡丹 | |
---|---|---|
分類 | 落葉低木 | 多生草 |
開花時期 | 5~6月 | 4~5月 |
花のつぼみ | 丸い形 | 先がとがっている |
葉 | ツヤがあり丸みを帯びている | ツヤがなく丸くて平たい |
ふたつの花の違いについて、詳しい見分け方はこちらの記事で詳しくご紹介しています!
ピオニー(芍薬と牡丹)の基本情報
先述のとおりピオニーはボタン属の総称として使われていますが、日本流に代表的なピオニーである芍薬と牡丹について基本的な情報をまとめることで、よりピオニーを知ることができるのではないでしょうか?まずは牡丹と芍薬の基本情報をそれぞれ見てみましょう。
芍薬の基本情報
科名・属名 | ボタン科・ボタン属 |
分類 | 草花(多年草) |
別名 | chinese peony、common garden peony |
草丈 | 60~120cm |
開花時期 | 5~6月 |
芍薬は園芸の分類として草花に当たります。開花時期は初夏の頃で、牡丹が咲き終わる頃に開花する、という認識の人も多いでしょう。「立てば芍薬、座れば牡丹」の言葉から芍薬のほうが背が高いと思っている人もいるかもしれませんが、これは芍薬が真っ直ぐに伸びた茎の先に花を咲かせることに由来しています。
牡丹の基本情報
科名・属名 | ボタン科・ボタン属 |
分類 | 花木(低木) |
別名 | tree peony |
草丈 | 1~1.5m |
開花時期 | 4~5月 |
昨今の品種改良で、開花する期間そのものが長くなっているため、大きな違いは薄れてきましたが、芍薬より牡丹の開花時期は早いです。また牡丹は分類が花木に当たり、草丈(樹高)が芍薬より大きくなることも多い植物です。「座れば牡丹」の言葉は、分かれた枝に横向きに花が咲くことが由来しています。
名前の由来
ピオニーという名前はピオニアという妖精の名前が由来になっているという説、学名のパエオニアはギリシア神話のペオンという医療の神が由来という説などがあります。和名の芍薬は「綽約(しなやかで美しい様)」、牡丹はオスという意味で「牡」、赤色を意味する「丹」から牡丹と名づけられたとされています。
ボタニ子
次ページからはピオニーの特徴について紹介します!
出典:写真AC