香り高くておいしいバラ科の果物
りんごやイチゴなどを代表とするバラ科の果物は、香り高く甘酢っぱい実が多く、果物の中でも広く親しまれている品種が並びます。バラ科には2500種類ほどの植物が属しており、共通しているのは花びらもガクも5枚あることです。果物の実の色や形はさまざまですが、花を見比べてみると、どれもよく似ています。
バラ科の果物はアレルギーを起こす種類が多い?
バラ科の果物は、生で食べられるほとんどの種類でアレルギーを発症させるおそれがあります。バラ科の果物にはりんごやイチゴなど人気の高い種類がたくさんあるため、それらのすべてにアレルギーが発症することによって、食べられる果物が激減してしまう人も少なくありません。
アレルギーを起こすバラ科の果物一覧
バラ科にはバラ亜科・チョウノスケソウ亜科・サクラ亜科の3つの亜科があり、そのうちバラ亜科とサクラ亜科に果物があります。また、アーモンドもバラ科サクラ亜科の植物です。
バラ亜科 | イチゴ |
ラズベリー― | |
ブラックベリー | |
キイチゴ | |
サクラ亜科 | ナシ |
洋ナシ | |
りんご | |
ビワ | |
カリン | |
サクランボ | |
モモ | |
スモモ | |
ウメ | |
アンズ | |
ネクタリン | |
プルーン |
ボタニ子
ラズベリーとブラックベリーはバラ科ですが、同じベリーでもブルーベリーはツツジ科です。バラ科でアレルギーが出る人でもブルーベリーは食べられますね!
柿はナシとかりんごに似ているようだけど、バラ科じゃないんだな~
ボタニ子
柿はカキノキ科です!
バラ科の果物で起こるアレルギーの症状
バラ科の果物による食物アレルギーには、大きく分けると2つの種類があります。ひとつは食物アレルギーに典型的な「即時型」で、食べた直後から鼻水やせき、じんましんなどの全身症状が見られます。もうひとつは即時型アレルギーの特殊型で「口腔アレルギー症候群」といい、飲み込んだ食べ物が通過する口や喉の粘膜周辺だけに痒みや違和感などを発現させるのが特徴です。
症状➀即時型食物アレルギー
即時型食物アレルギーは、アレルギーを引き起こす原因となる食べ物が腸から吸収されたあと、血液によって全身に届けられてアレルギー反応が現れます。食後数分たってから咳や痒み、腹痛やじんましんといった全身症状がみられます。即時型は乳幼児期に卵や小麦などの食物で発症しますが、3歳までには5割程度が治り、小学生になるころには8~9割が治癒するといわれるアレルギーです。
症状②口腔アレルギー症候群
口や喉だけに症状が限定されるタイプを「口腔アレルギー症候群」といいます。これは近年患者が増えてきている新しいタイプのアレルギーです。果物や野菜に含まれている原因物質が口や喉の粘膜に触れると、イガイガや痒みなどのアレルギー反応が起こりますが、すぐに治まるのが特徴です。即時型食物アレルギーと違い、一度発症すると治りづらいとされています。
原因は植物のなかのタンパク質
口腔アレルギー症候群の症状を引き起こす原因物質は、植物のなかにあるたんぱく質です。このたんぱく質は、飲み込んでも小腸に到達する前に壊されるため、口や喉の粘膜周辺だけにアレルギー症状が現れます。生のままではアレルギーが起きる果物や野菜でも、加熱したり加工したりすれば症状がでないことがほとんどです。
私もそうなんだけど、どうして口腔アレルギー症候群の人は増えているのかしら?
ボタ爺
それはな、ある病気と関係しているのじゃ!さあ、続きを読んでみよう!
りんごの花