干し柿の作り方⑤吊るす
殺菌をし終わったらほしましょう。吊るし柿ともいうくらいなので、吊るします。柿と柿がくっつかないように、上手に間隔をあけて吊るしましょう。吊るす場所は、よく陽の当たる明るい日陰が望ましいでしょう。しかし日当たりより重要なのは雨と風通しです。基本的に庇などがある場所で、雨が当たらないようなところを選びますが、なければ雨の日は屋内にしまうようにしましょう。
風通しが最も重要
吊るす場所で最も重要なのは、風通しです。日当たりではないのか、と思われるかもしれませんが、日光に当てればいいというようなものでもありません。しかし風の通らないところに干してしまうと、残念ながらすぐにカビてしまいます。冷たい北風がよく通るところに干すのが理想的です。美味しい干し柿を作る手順は簡単なものですが、その分手順をきちんと守らなくては上手にできないので気を付けましょう。
干し柿の作り方⑥揉む
美味しい干し柿を作るには、吊るしてから1週間ほどたったころに、柿を揉むといいです。揉むというのは文字通り、指先でつまむようにして、柿を揉むのです。これをすると、干し柿が早くできます。そして、美味しい干し柿になります。
2度揉む
揉んでからさらに1週間ほど経過したころに、もう一度揉むといいです。とはいえ、そのころには柿の状態をよく見ましょう。干し柿は10日から20日で完成しますから、2度目に揉む時に干し柿ができていたら揉む必要はありません。
干し柿の作り方⑦藁を使う(上級者向け)
ボタニ子
干し柿についている白い粉って何?カビ?食べるのが怖いよね。
違うわ、カビなんかじゃなくて、あの白い粉はうまみ成分よ。糖分が乾燥したものなの。ほら、砂糖水を乾かしたら白くなるでしょう?あれと同じよ。干し柿は白い粉をふいていると成功と言われるのよ。
ボタニ子
そうなんだ。それなら美味しい干し柿を食べたかったら、むしろ白い粉がついている干し柿を選んだ方がいいんだね。
粉を吹かせたいときは?
干し柿の外側についている白い粉は、糖分の結晶です。粉を吹かせたいときには、藁を使うといいでしょう。粉を吹かせる場合には、一度目に揉む時期を、干してから数日後にします。芯をほぐすようにぐいぐい揉みます。さらに数日後に裏表をひっくり返すようにして揉むといいでしょう。その時に、一度干し柿を取り込み、室内の風通しがよく、陰になるところに藁を敷いて、その藁の中に取り込んだ柿を並べて入れておきます。その後3〜4日してから藁から取り出し、再び外に干すと、粉を吹いたような状態にできます。
藁は干し柿作りに慣れてから
藁を使って粉を吹かせるのは、初心者にはあまり簡単ではありません。藁を用意できないときは新聞紙や段ボール箱を使うやり方もありますが、どちらにしても初めて作る場合にはカビがくることも多いため、気を付けましょう。できれば藁を使ったやり方は、干し柿作りに慣れてきた2年目か3年目あたりに挑戦してみるといいでしょう。
ボタニ子
続いて、干し柿作りで失敗する理由を紹介
干し柿作りで失敗する理由
干し柿作りで失敗する原因のほとんどがカビです。日中の気温が思ったより高くなった、吊るした場所が風が通らなかったなどが理由にあげられます。干し柿作りは実に簡単な手順です。そのため、気温と場所には十分注意しましょう。この二つに注意すると、美味しい干し柿を作れる確率が上がります。
吊るし柿に適した場所がない場合
干し柿を作りたくても吊るして乾かす場所がない、そんな悩みを抱えている人はありませんか。もしくは、紐で吊るすと虫がきそうで嫌だ、ということもあるでしょう。実は乾かすのに、必ずしも紐で吊るす必要はありません。とにかくカビが来ないように乾かせれば問題ないため、ネットでも大丈夫です。とは言ってもよく玉ねぎなどが入っているようなネットではありません。干し柿を乾かすネットは、野菜を天日干しするときなどにも使うネットです。
ネットを活用
たまに、上記のようなネットに干物や野菜を乾かしている風景を見ることはありませんか。実はこのようなネットに柿が重ならないようにして入れ、吊るしておくと干し柿を作ることができます。もし、量が少ないようであれば、このようなネットを活用するのも一つの方法です。ちなみにこのタイプのネットは乾燥野菜や干物を作るのにも使える、使い勝手の良いネットのため、一つ常備しておくと便利です。
干し柿の保存の仕方
干し柿は完成すると、室内で保管しましょう。しかし、ここで迷う人もいるのではないでしょうか。大量に作った干し柿の、保存の仕方がわからないという人も多いのではないでしょうか。どのくらいの期間保管できるのか、保管は常温保存か冷蔵保存か、それとも冷凍保存がいいのでしょうか。せっかく上手に作っても、保存の仕方が悪くてカビがきてしまえば、残念です。ですので、ここからは、干し柿の簡単な保存方法をご紹介します。
①常温保存の仕方
干し柿は案外水分が多いため、常温保存には向きません。しかし、どうしても常温保存したいのであれば、キッチンペーパーなどにくるんで湿気をできるだけ吸い取るようにし、紙袋化新聞紙を引いた段ボールに入れましょう。保存できる期間はもっても3日程度です。
②冷蔵保存の仕方
冷蔵庫に入れる場合は、やはりペーパーなどで一つずつくるんで、空気をしっかり抜いたフリーザーパックなどに入れます。袋を二重にすると臭い移りも避けることができます。入れる場所は温度の最も高い野菜室がおすすめです。保存期間は意外に短く、1週間程度です。
③冷凍保存の仕方
もっとも向いている保存方法は、冷凍保存です。一つずつしっかり空気を抜いてラップにくるみ、やはり空気を抜きながらフリーザーパックなどに入れて保存します、冷蔵庫と同じで二重袋にすると臭い移りも防げます。保存期間は約半年です。解凍するときは10秒ほどレンジで温めるか、常温で解凍するといいでしょう。
まとめ
冬の定番である干し柿は、やはり手作りをするとより美味しく味わえるのではないでしょうか。干し柿を作ってみたい、と思っていた方はぜひ、この記事を参考に、干し柿づくりをしてみてはいかがでしょう。きっとこの冬は、手作りの美味しい干し柿が食べられるのではないでしょうか。
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出典:写真AC