シマトネリコの剪定方法③初心者の手順
枝を間引くことを意識する
剪定初心者は、枯れている枝や余分な枝を切ることに意識を向けるとよいでしょう。全ての葉に日が当たるようにしたり、涼しげな樹形にしたりするため、枝を間引きます。葉が重なり合い、陰になってしまうような枝は間引きましょう。
ボタ爺
涼しげに見せるために、余分な枝を間引くことを「透かし剪定」というんじゃ。初心者には透かし剪定がおすすめじゃぞ。
ボタニ子
どこを切っていいのかわからなかったら、枝分かれした長い方の枝か、新芽がより多く出ているほうの枝を残しましょう。
高さを抑えるための切り方
「立ち枝」を切る
高さを抑える切り方を知っておくのも、上達へのコツです。自分で剪定できる高さに抑えておくために、高さを調整しなければなりません。そのためには、木を大きくしていく要因である「立ち枝」を切る必要があります。立ち枝は、立ち上がるようにまっすぐ上へ伸びる枝のことです。
「徒長枝」を切る
樹形を乱すように勢いよく飛び出している「徒長枝」も、高さを抑えるために切っておきたい枝です。幹に近い部分から、極端に長く直線的に飛び出していることが多く、養分が徒長枝に多く流れるため、ほかの枝の成長を妨げます。また、徒長枝の途中から生えてきた小枝で内部が混み合い、涼しげな樹形を乱します。見つけたら切りましょう。
ボタニ子
高さを抑えるだけでなく、コンパクトにまとめておくコツでもあります。剪定時期には必ず切っておきたい枝です。
剪定方法は次のページで最後です。剪定マスターを目指して頑張りましょう!
シマトネリコの剪定方法④涼しげな樹形のための切り方
初心者の手順で、余分な枝を間引くことを頭に入れたら、より具体的に樹形を整える切り方をみていきましょう。涼しげな樹形に仕上げるために、剪定するとよい余分な枝はどこにあるのか、位置や切り方の手順を知っておくと便利です。
ボタニ子
余分な枝、切るべき枝は、「忌み枝」と呼ばれています。
ボタ爺
さっき紹介した「立ち枝」や「徒長枝」も「忌み枝」じゃよ。知っておくと、どこを切ればいいか初心者でもわかるようになってくるぞ。
上や外に向かっていない不自然な枝を切る
「逆さ枝(内向き枝)」「下向き枝」
幹の方向へ伸びていたり、本来の枝の流れとは別の方向へ伸びていたりする枝を「逆さ枝(内向き枝)」、下向きに伸びる枝を「下向き枝」と呼びます。どちらの枝も、樹形を乱す不自然な枝なため、早めに切りましょう。
他の枝の邪魔をしている枝を切る
「からみ枝」「交差枝」
他の枝に絡まるように伸びている枝を「からみ枝」、ほかの枝をクロスするように伸びている枝を「交差枝」と呼びます。どちらも主枝の成長を妨げ、邪魔になる枝です。枝の付け根から切ってしまいましょう。
日当たりやバランスを悪くする枝を切る
「並行枝」「かんぬき枝」
幹から、上下に並行に伸びている枝を「並行枝」と呼びます。日当たりが悪くなるため、どちらかを切ります。付け根から切ると寂しいバランスになってしまう場合は、枝の中間、芽の出ている上で切ってもよいでしょう。「かんぬき枝」は、幹を挟んで、左右水平に伸びている枝のことです。幹から養分を取り合うため、どちらかを切ります。どちらかが並行枝になっていたら、その枝を切ってください。
ボタ爺
このほかにも、一カ所から数本枝がでている「車枝」も切る必要がある。車輪のような見た目からそう名付けられたんじゃよ。
ボタニ子
車枝は元気のいい枝を一本残してあとは切ってしまいましょう。
幹の見た目を邪魔する枝を切る
「ひこばえ」「胴吹枝」
株元から細い幹が数本立ち上がった涼しげな樹形が魅力のため、幹に生えてきた余計な枝を切ります。株元から出てくる枝を「ひこばえ」、幹から直接生えてくる枝を「胴吹枝」と呼びます。ひこばえは、成長が速く勢いがよいため、早めに切りましょう。幹の養分を奪い、樹形を乱します。幹から直接生えている「胴吹枝」も、見た目が悪いため早めに切ってください。
ボタ爺
どこを切ればよいか、切り方がわかっただけではまだ不十分じゃ。次の項で、剪定後に必要なケアもしっかりみておこう!
シマトネリコの剪定方法⑤剪定後のケア
剪定後の木は、とても傷つきやすい状態にあります。細い枝の切り口は、自然に任せたままでもあまり枯れることはありません。太い切り口の場合は、必ず癒合剤で保護します。雨やほこり、害虫などから菌が入り、枯れてしまう可能性が高いためです。また、早く回復するように、剪定後に肥料や栄養剤などを与えるのもよいでしょう。栄養分が行き渡り、回復を助けてくれる働きをします。
ボタニ子
剪定後の木はとてもデリケート。癒合剤だけでなく、肥料や活力剤を上手に使うのも、剪定マスターへのコツですね!
まとめ
庭木を自分で剪定できたら、より愛着が湧きますね。シマトネリコの剪定は、3月か10月がおすすめですが、3月に樹形を整えておけば、初夏、花と同時に爽やかな樹形を楽しめるでしょう。切り方のコツをつかんで、まずは回数を分けるなど工夫をしてみてください。剪定の回数を踏めば思いどおりの樹形に仕立てられるため、庭仕事の楽しみがより増すでしょう。
出典:写真AC