アブチロンってどんな植物?
アブチロンの基本情報
名前 | アブチロン |
学名 | Abtilon |
分類 | アオイ科イチビ属(アブチロン属) |
原産地 | ブラジル |
開花時期 | 4月~11月中旬 |
アブチロンはブラジル原産の熱帯植物です。開花時期は長く4月~11月頃で、温かいところでは冬に開花することもあります。Flowering mapleという英語の名前もあり、葉の形がカエデに少し似ています。
アブチロンの種類
アブチロンは、半つる性のウキツリボク(チロリアンランプ)と、木立性のショウジョウカ(またはストリアツム)が原種で、この2種類を交配させて園芸品種が生まれています。園芸品種も含めて、広くアブチロン属の植物が「アブチロン」と呼ばれています。
原種ウキツリボク(チロリアンランプ)
名前 | ウキツリボク、浮釣木、チロリアンランプ、 メガポタミクム |
学名 | Abutilon megapotamicum |
ウキツリボクは、半つる性でやや耐寒性があります。釣り道具の浮きに似ていることからウキツリボク(浮釣木)と名づけられました。萼と花の形から「チロリアンランプ」の名前で流通し、親しまれています。提灯のような赤いところは萼(がく)で、その下の黄色い部分が花です。
原種ショウジョウカ
名前 | ショウジョウカ、猩猩花 |
学名 | Abutilon pictum |
ショウジョウカ(猩猩花)もブラジル原産で、こちらは木立性です。オレンジ色に赤い網目状の脈が入り、ストリアツム(Abutilon striatum)との区別がむずかしく、混同もしくは同一視されています。英語名はChinese Lanternです。
ドワーフ・レッド
ドワーフレッドは花付きのよい小型の木立性の園芸品種です。3cmほどの赤い花を咲かせます。
ピンクカメレオン
ピンクカメレオンは、矮性(わいせい)で半つる性の園芸品種です。黄色からベージュ、ピンクに色が変わっていきます。
初恋
他にも初恋(オレンジ~ピンク)、ホワイトキング(白)、おりひめ(クリーム色)など多くの園芸品種があります。
アブチロンの育て方|鉢植え・地植え
アブチロンの栽培カレンダー
アブチロンは、春先に苗を買って栽培するのが一般的です。開花時期が長いので、定期的に肥料を与え、剪定しながら育てていきます。
鉢植えの育て方
つる性と木立性どちらも鉢植えで育てることができます。寒い地域では地植えの冬越しは難しく、屋内に取り込める鉢植え栽培が管理しやすくなります。鉢底に軽石などを敷き詰めて排水をよくします。土は市販の培養土もしくは赤玉土と腐葉土を7対3の割合で使います。緩効性肥料を混ぜ、植え付けた後はたっぷり水やりしましょう。
2年に一度植え替える
アブチロンはどの品種も成長が旺盛で、1年経つと根が回ります。根詰まりしがちなので、1年か2年ごとの植え替えが必要になります。4月~5月頃が植え替えの適期です。
根詰まりのサイン
根詰まりを起こすと、葉が黄色くなってきます。植え替えサイクルや植え替え適期を待たず、一回り大きな鉢に植え替えましょう。(植え替えを避けたい夏場は日陰で。)
地植えの育て方
植える場所を決める
関東以西であれば地植えで育てることができます。水はけがよく日当たりの良い場所に植えます。半日蔭でも咲きますが冬に北風の吹き晒さない場所を選びます。地植えは成長が早いので、壁に沿わせる、フェンスに絡ませるなど、仕立て方を考えて植える場所を決めるのがいいでしょう。植え穴を掘り、掘り出した土に腐葉土と緩効性肥料を混ぜて植えます。
水やり
地植えは、植え付け時以外は水やりは必要ありません。植えて間もない地植えの株に関しては、何週間も雨が降らない時には水やりして下さい。鉢植えは、表面が乾いたらたっぷり水やりします。夏は暑い時間帯に水やりしないように気を付けましょう。晩秋から冬の水やりは控えめにします。
肥料
追肥は、地植え鉢植えどちらも4月~9月終わり頃まで10日に1度くらいの間隔で緩効性化成肥料を施します。鉢植えには、液肥を追加すると花付きがよくなります。
アブチロンの育て方|仕立て方
あんどん仕立て
ウキツリボク(チロリアンランプ)などの半つる性のアブチロンは、小さな苗の鉢植えなら、リング支柱を使ったあんどん仕立てが育てやすいでしょう。朝顔のように自然に絡まってくれませんので、最初は誘引して数か所を誘引テープか麻紐で括り付けます。
仕立て直し
あんどん仕立てで買った鉢植えは、枝葉の成長具合を確認します。中が混みあっていれば、いったん外して枝葉の間隔をあけて誘引し直すか、トレリスなどを用いた仕立て方に変えます。
ラティスやフェンスに絡ませる
半つる性のアブチロンで、ある程度大きな鉢植えや地植えはトレリスやフェンスに絡ませて伸ばしていくのがベターです。地植えの場合、2年くらいでかなりこんもり繁ります。
ハンギング
チロリアンランプなどの半つる性のアブチロンは、ハンギングポットに植えて垂らすのもいいですね。ハンギングポットの大きさでずっと育てると根詰まりしてしまうので、1年で植え替えてあげましょう。
アーチやリング仕立て
半つる性のアブチロンは、アーチに這わせることもできます。また、リング仕立てやハート型に仕立てて楽しむこともできますよ。
スタンダード仕立て
2年目以降、茎がしっかりしてきたら半つる性のスタンダード仕立ても可能です。木立性アブチロンのスタンダード仕立てもかっこいいですね。木立性は特に仕立てなくても、育ち始めは支柱で支え、込み合った下の枝を整理する程度で十分さまになります。
ボタニ子
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出典:写真AC