オリーブの挿し木のやり方④発根促進のコツ
失敗が多く、発根が難しいとされているオリーブの挿し木にも、コツがあります。コツをつかめば失敗は少なくなり、発根の成功率が上がるでしょう。発根のコツについて、詳しく解説するので参考にしてみてください。
発根促進のコツ①ビニール製の鉢
挿し木はビニール製の鉢で行います。発根するまでの期間にたくさんの水分を必要とします。ビニール製の鉢は水分を吸収しません。水やり時の水分が鉢に吸収されずに、すべて用土に行き渡るので、ビニール製の鉢を使用するのがおすすめです。
ボタニ子
なるほど!水分を保てるように、ビニール製の鉢がいいんだ!納得です。
ボタ爺
挿し木や小さな苗木に、ビニール製の鉢を使用しているのをよく見かけるじゃろう。
発根促進のコツ②用土
用土は、「挿し木用の用土」を使用します。果樹や花用の培養土を使うのはやめましょう。果樹や花用の培養土には肥料が含まれています。肥料が含まれた用土を使用すると、切り口が腐って枯れる原因になります。失敗を防ぐためにも気をつけましょう。
ボタニ子
培養土に含まれる肥料が枯れる原因になるなんて!肥料は発根を促進させそうだけど、役割が違うんですね。
ボタ爺
挿し木に肥料は必要ないから培養土は使わないように。挿し木用の用土の他にも、鹿沼土や赤玉土、パーライトなどの無菌の土がおすすめじゃよ。
発根促進のコツ③水揚げ
挿し木用の枝は、先のほうの枝を使うため、水やり時の水分が十分に行き届いていない可能性があります。枝を切ったら、水をたっぷり入れたコップにすぐにつけておきましょう。このことを水揚げと呼びます。2時間はつけておきましょう。水分が不足していると枯れる原因になり、失敗してしまうこともあります。
切り口は清潔なナイフで、斜めに切りましょう。斜めに切ることで、水分に触れる面積が多くなります。
発根促進のコツ④発根剤
挿し木をしても根が出ないことや、枯れるなどの失敗は多く、最悪の場合は全滅してしまうこともあります。挿し木を成功させるために、発根剤を使用しましょう。オリーブの挿し木に適した発根剤を紹介します。
おすすめの発根剤:ルートン
ルートンは、オリーブの挿し木にも使用されることが多い発根剤です。植物ホルモン剤で、発根を促進させるのに効果的です。水揚げ後に使用しましょう。直接切り口にまぶすか、ペースト状に練ったものを、挿す直前につけてください。
おすすめの発根剤:メネデール
メネデールは、植物の活力剤の役割をします。栄養の吸収を助けるのに効果的です。活力剤なので、挿し木以外にも植物を元気づけたいときなど、普段の水やり時に使用できます。挿し木に使用する場合は、挿し穂を水揚げするときにメネデールを薄めた水を使用するとよいでしょう。
ボタニ子
発根剤を使うことも失敗を防ぐコツの一つなんだ!
ボタ爺
発根が難しいからこそ、発根剤は強力な助っ人なんじゃ。上手に使うとよいぞ。
オリーブの挿し木のやり方⑤管理のコツ
発根の期間は環境にもよるため、「根が出ない」と焦らずにじっくりと経過を観察しましょう。挿し木の管理で気をつけることをまとめたので、参考にしてみてください。丁寧な管理を行うことで、発根しやすくなります。
発根までの期間
発根の期間は、季節によって異なります。春夏であれば期間は2か月程度、秋冬は4か月程度の期間が発根の目安です。根が出てくれば、ぐらつきもなくなりしっかりとした苗になります。
期間は目安です。その期間を過ぎても根が出ないことはありますが、枯れるようでなければ、経過を観察してみましょう。
置き場所
日当たりを好むオリーブですが、発根までの期間は直射日光を避けてください。午前中のみ日当たりがよいような、半日陰で管理します。室内であれば、ライトの光でも十分です。
水やり
発根するまでの期間、たくさんの水分を必要とするので水やりは大切です。過多の水やりは、根腐れを起こし枯れる原因になるため、1日1回の水やりを目安にしてみてください。用土は常に湿っている状態がベストです。
鉢上げ
発根後、苗がしっかりしてある程度の大きさになったら、鉢上げを行います。果樹や花用の培養土は使わず、オリーブ専用の土か観葉植物用の土を使いましょう。苗より一回り大きなサイズの鉢を用意します。用土を入れ、苗を固定したらたっぷり水やりをします。日当たりのよい場所で管理しましょう。
鉢上げは、春や秋などの気温変化が少ない季節に行うのがおすすめです。真夏や真冬は避けるようにしましょう。
ボタニ子
いつも他の植物にも使っているような、市販の培養土でもいいんですか?
ボタ爺
オリーブは弱アルカリ性の土壌を好むんじゃ。果樹や花用の培養土を使いたい場合は、苦土石灰などを混ぜて調整する必要があるぞ。
オリーブの増やし方~水挿し~
オリーブは、挿し木以外にも「水挿し」という方法で増やすことができます。水挿しは、一般的な挿し木よりも成功率が下がるとされています。難しい方法ですが、多めに剪定した枝などで試してみてください。
ボタ爺
根が出ないときのために、いろいろな方法を試しておくとよいぞ。水挿しで発根させるのは難しいが、やり方は簡単じゃ。
水挿しのやり方
水をたっぷり入れた容器に、剪定した枝を入れます。水挿しは、挿し木よりも失敗しやすいですが、やり方はとても簡単なので、多めに剪定した枝を利用するとよいでしょう。ある程度の日当たりがある明るい日陰で管理し、水は毎日取り換えてください。
水挿しで発根させるのは難しいとされていますが、気軽に行えるうえ、経過を観察しやすいというよさがあります。
ボタニ子
難しい方法でも、インテリアにもなるし、発根したらラッキーですね。水挿しは気軽に楽しめそうです。
まとめ
オリーブはいくつも育てたくなる素敵な植物です。挿し木をマスターして上手に増やしましょう。最初は枯れることもあるかもしれませんが、諦めずに挑戦してみてください。「いつ行うのか」や「発根剤」などのコツを意識しながら、経過を楽しみましょう。挿し木が成功すれば、苦労の倍の喜びを得られるでしょう。
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出典:BOTANICA