ヘリクリサム(帝王貝細工)の育て方⑥夏越し
ヘリクリサムは「暑さ」だけでは枯れない
ヘリクリサムは暑さに強い植物です。しかし、高温で多湿の条件が揃うと枯れるため、乾燥気味に管理します。
ヘリクリサム(帝王貝細工)の育て方⑦冬越し(越冬)
暖地では霜対策をして越冬可能、暖地以外は春に種まきを
ヘリクリサムは耐寒性がやや弱く、多年草の品種も日本では一年草扱いされます。しかし、関東以南の比較的暖かい地域であれば霜よけをし、戸外で越冬できます。鉢植えや小さなプランターであれば冬場は室内に取り込んで越冬させると良いでしょう。関東以北では、一般に越冬させず春に種をまいて育てます。
ヘリクリサム(帝王貝細工)の育て方⑧種の採取
綿毛のついた種を採取
ヘリクリサムは綿毛のついた種を作ります。種は花ごと切り取って、涼しい場所で保管します。
ヘリクリサム(帝王貝細工)の育て方⑨増やし方
「種まき」「さし木」「株分け」で増やせる!
ヘリクリサムは、種まきとさし木、株分けの3つの増やし方があります。
増やし方①種まき
種まきに適した時期
3月中旬~6月頃(春まき)、9月中旬~11月上旬(秋まき、冬越しが必要になるので暖地のみ)
ボタニ子
発芽温度は20℃前後です。春まきの場合は早めにまくほうがいいですよ!ヘリクリサムが高温多湿で枯れるのを避けられます。
種まきの手順
①育苗箱や苗ポットに種を重ならないようにまき、土を薄くかぶせ、水を与えます。土が乾かないように管理します。用土は赤玉土など水はけのよいものを使います。
②育苗箱にまいた場合は、本葉が3~4枚になった頃を目安に苗ポットに植え替えます。
③ポットに根が回ってきた頃、鉢やプランター、花壇などに植え替えます。
ボタニ子
地植えの場合、越冬の心配が要らない暖地や霜よけが可能な環境であれば、種を直接まいて育てるのも植え方の一つです。
増やし方②さし木
さし木に適した時期
主に5~7月上旬、真夏や真冬以外のいつでも可
さし木の手順
①茎を10cmくらいでカット。先っぽに2~3枚の葉っぱを残し、他の葉っぱを取ります。
②育苗ポットに赤玉土(小粒)を用意し、切り口を挿します。
③土を乾燥させないよう注意し、日陰で管理します。
④根が伸びてしっかりとポットにまわったら、鉢やプランター、花壇などに植え付けます。
増やし方③株分け
株分けに適した時期
3月中旬~5月、9月中旬~11月上旬(植え替えに適した時期と同じ)
株分けの手順
①株を鉢、プランターから取り出し、古い土を落とします。
②掘り上げた株を手やナイフなどで、それぞれの株に芽のついた茎が残るように分けます。
③傷んだ根や古い根は切り落とします。
④用意したポットや鉢に、根を広げてやりながら植え付けます。
⑤植え付け直後は日陰に置いて養生させ、根がしっかりしたら日なたへ移動させます。
ボタニ子
古い株を掘り上げたときに根を傷めないように気を付けることと、傷んだ根を切り取ることが株分けのポイントです。株分け直後は株が弱っているので、まずは日陰で養生させてくださいね。
ヘリクリサム(帝王貝細工)の育て方⑩病気・害虫・枯れる原因
かかりやすい病気
比較的丈夫で、あまり病気の心配はありません。
気をつけたい害虫は2つ!
害虫①ハダニ
乾燥するとハダニが発生しやすくなるため、水やりの際は葉裏にも水をかけるようにすると良いでしょう。
害虫②アブラムシ
アブラムシが発生しやすいです。防虫ネットで予防しましょう。発生したときは、見つけ次第オルトラン液剤などの薬剤を散布して駆除します。また酢や牛乳を薄めて散布し窒息死させたり、テープに貼り付けて除去する方法も有効です。アブラムシはすす病の引き金になりやすいので、早めに対処しましょう。
枯れる原因
ヘリクリサムの枯れる原因はまず過湿によるものが最多です。一年を通じて乾燥気味に管理することを意識しましょう。花がらをこまめに摘みとると、再び花をつけやすくなり、蒸れを防ぐことができます。
ボタニ子
ヘリクリサムの管理ポイントは2つです!
①水はけのよい用土を使い、乾燥気味に管理して過湿にしない!
②アブラムシなどの害虫発生に注意!
まとめ
ドライフラワーや切り花に、寄せ植えや精油にも幅広く利用されるヘリクリサム。多年草の品種であっても冬越しが難しい場所もありますが、種から育てるのもまた楽しいもの。害虫や過湿にしないことなどいくつかのポイントを押さえれば、肥料もあまり必要なく、丈夫で育てやすい植物です。お庭で育てたヘリクリサムでドライフラワーやハーバリウムを作れたら素敵ですね。
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出典:写真AC