ビーツの栽培方法⑤害虫・寒さ対策
害虫や冷害などからビーツを守るためにトンネルを用意しておくと便利です。特に北国でビーツを栽培する場合、5月でも降雪することがあります。気温が15℃を下回ると、ビーツの生育が進まなくなってしまいます。
トンネルの作り方
寒冷紗とも呼ばれるトンネルは写真のような形に作ります。U字にカーブした支柱と防虫ネットがあれば、簡単に作ることができます。プランターで栽培する場合、このようなトンネルを作ることは難しいので、その場合は、プランターのサイズに合ったポリ袋などを被せます。何箇所か、竹串のようなものを刺して穴を開けておくと適度な通気性を確保することができ、袋の中が蒸れるのを防ぎます。
ビーツは虫がつきやすい
ビーツは害虫がつきやすい野菜です。虫がついて病気になってしまうと発育が悪くなってしまいます。防虫ネットでトンネルを作ることである程度は防ぐことができますが、トンネルがあっても100%とは言えません。発見次第、適宜対処する必要があります。
アブラムシ
アブラムシは植物の新芽などの液を吸ってしまいます。見つけたらハケなどで払って取り除きます。市販されている野菜用の害虫駆除剤を用いることで、アブラムシがつくのを予防することができます。市販のものはすでに希釈してあるものを使うと便利です。スプレーボトルで均一にふり掛けます。アブラムシはほかの害虫を呼びつけてしまう恐れがありますので、見つけ次第すぐに対処します。
ハダニ
ハダニは水で簡単に洗い流すことができます。葉の裏側についていることが多いので、こまめなチェックが必要です。
ハモグリバエ
名前のとおり、葉の中に潜り込み、葉を食いちぎってしまう害虫です。葉がなくなってしまっては光合成ができなくなってしまい、生育に支障をきたしてしまいます。葉の表面に白い線のような模様ができていたら葉を切って処分します。
連作障害
ずっと同じ場所で同じ植物を育て続けていると、発育不良など病気にかかってしまったりします。そういった現象を連作障害と呼びます。植物の種類によっては連作障害に強いものも存在しますが、ビーツは連作障害が発生しやすい植物のひとつです。
露地栽培の場合
春と秋の2回植え付けを行う場合は、場所を変えるのがベストです。同じ場所で育てたい場合は4年は間隔をあけます。
プランター栽培の場合
ベランダなどでプランターで栽培する場合は、土を入れ替えるのが手っ取り早いですが、毎回やっていては費用もかさみます。ビーツの栽培が終わったら、他の種類の野菜を育てることでワンクッション置くことができます。
ビーツが大きく育たない原因は?
ビーツを収穫する目安は、株の大きさが5cm以上になった頃です。しかし、中には思っていたより大きくならないことがあります。大きくならない原因としては、肥料切れを起こしていたり、病気や害虫被害にあっていたりすることも考えられます。また、ビーツは暑さにも弱い植物です。そういったことも大きくならない原因のひとつといえます。
ビーツを収穫しよう!
種をまいてから60~70日、およそ2ヶ月ほどで収穫を迎えることができます。株根の直径が5cm以上のものを収穫します。上手に栽培できれば、12cmくらいまで育ちますよ。土を片手で抑えて、根元を持ちながら真っ直ぐ引き抜くのがコツです。収穫時期が遅くなってしまうと、「す」が入ってしまったり根が割れてしまうことがあります。
北海道でビーツの大規模栽培をスタート
現在、北海道では農業協同組合JA主導の下、北海道大学と協定を結び、これを特産化しようという観点から大規模栽培を行っています。2018年から取り組みを始めたこの事業は、北海道の老舗レストランの商品にも使用されたり、北海道内の生協で店頭販売されたりと、北海道全体を上げてPRを行っています。何故、北海道で大規模栽培に取り組んでいるのかというと、寒冷地が栽培に適した環境ということと広大な土地が必要だという点から、北海道が理想的だといえるのです。
まとめ
ビーツは「食べる輸血」なんて呼び名があったりするほど、非常に栄養価が高いスーパーフードです。アンチエイジングに役立つ野菜ですので、積極的に取り入れたい食材のひとつです。こちらでご紹介したものはほんの一部ですが、ぜひ、ご参考いただき、栽培に挑戦してみてください。
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