オドリコソウ(踊子草)の名前の由来
オドリコソウ(踊子草)は和名です。春の季節に白色や薄い桃色の花が輪生した様子が、笠をかぶって踊っている人に似ていることから名付けられたのが由来といわれています。また、学名に含まれているそれぞれの言葉の意味や、葉の筒が長くのど状に見えることから由来しているとの説もあるようです。
オドリコソウ(踊子草)の花言葉
オドリコソウ(踊子草)の花言葉には「快活」「陽気」「隠れた恋」の3つがあります。明るい白色や薄い桃色を輪生している様子からも、この花言葉が付けられたのではないでしょうか。しかし「隠れた恋」は「快活」「陽気」ともニュアンスが違います。バラやヒマワリのように華やかな姿ではなく、野に咲く白い可憐な姿からこのような花言葉が付けられたのかもしれません。
オドリコソウ(踊子草)の仲間
シソ科のオドリコソウ(踊子草)には、多く仲間が存在します。その中には、ローズマリー・ミント・ラベンダーなど広く知られている植物も含まれているのです。さらに関係が深い仲間の近縁種というものがあり、オドリコソウ(踊子草)には2種類ほど存在しています。
2種類の近縁種
オドリコソウ(踊子草)の近縁種の2種類は「ヒメオドリコソウ(姫踊子草)」と「ホトケノザ(仏の座)」です。これらの近しい仲間も北海道から沖縄にかけて生息するのか、開花の季節などの特徴をご紹介します。
ヒメオドリコソウ(姫踊子草)の特徴
ヒメオドリコソウ(姫踊子草)の学名は、Lamium purpureumです。別名でサンガイグサ(三階草)と呼ばれています。帰化植物のヨーロッパ原産の越年草で、高さは10~25cm程度、茎は四角形です。都市部に生息して、小型の葉は暗紫色、花は紅紫色です。秋ではなく、主に春の季節で時期は3月~5月で、全体に小形のためこの名がつけられたのかもしれません。
ホトケノザ(仏の座)の特徴
ホトケノザ(仏の座)の学名はLamium amplexicauleです。別名でサンガイグサ(三階草)とも呼ばれて、高さは10~30cmの越年草です。日常生活に近いところに存在し畑や道端に生え、北海道以外の本州・四国・九州・沖縄に自生しています。春夏秋冬どの季節でも咲いているイメージがありますが、開花時期は3月~6月です。長さ1~2cmの葉は扇形の円形で、対生です。和名のホトケノザ(仏の座)は、対生する葉を仏が座するところに見立てたのが由来です。ちなみに、七草のホトケノザとは別物です。
オドリコソウ(踊子草)・ヒメオドリコソウ(姫踊子草)・ホトケノザ(仏の座)を比較
「オドリコソウ(踊子草)」「ヒメオドリコソウ(姫踊子草)」「ホトケノザ(仏の座)」の3種類は、近しい仲間だけあってよく似ています。明確な違いはあるのでしょうか?ここでは、オドリコソウ(踊子草)と2種類の仲間の違いについて詳しく見ていきましょう。
オドリコソウ(踊子草)と近縁種の2種類の違い①
仲間とはいえ、生息している場所は異なります。オドリコソウ(踊子草)は野山や野原など、自然の中にしか生息しません。しかし、仲間のヒメオドリコソウ(姫踊子草)・ホトケノザ(仏の座)は人間が住んでいる住宅地に生息していて、日常生活の中でも見つけられます。一方、オドリコソウ(踊子草)は、野山など自然豊かな場所に行かなくてはいけません。
オドリコソウ(踊子草)と近縁種の2種類の違い②
オドリコソウ(踊子草)は、もともと日本が生息地で、北海道から本州に生えている在来種の多年草です。しかし、他の2種類は外来種で越年草なのです。ヒメオドリコソウ(姫踊子草)は、明治時代にヨーロッパから日本に入ってきて、今では北海道から本州まで全国に生息範囲が広がっています。
オドリコソウ(踊子草)と近縁種の2種類の違い③
3種類とも、四角い茎のシソ科です。生息地域だけでなく、サイズや蕾にも違いがあります。オドリコソウ(踊子草)は高さが30~50㎝、ヒメオドリコソウ(姫踊子草)は10~25cm、ホトケノザ(仏の座)は10~30cmです。オドリコソウ(踊子草)だけ、2種類に比べて一回り大きいことがわかるでしょう。また、唇型花と閉鎖花で分かれていて、蕾が違うのです。蕾が開いて花が咲くイメージがありますが、閉鎖花は蕾のまま、蕾が開かない花なのです。面白い違いといえるでしょう。
まとめ
オドリコソウ(踊子草)の特徴や花言葉・名前の由来を解説してきました。賑わうように花の咲く様子が、明るい花言葉を生んだのでしょう。2つの近縁種は街中など身近に生息していますが、オドリコソウ(踊子草)は自然が多いところに行く必要があります。機会があれば、北海道などの自然豊かな場所に足を運んで、花の咲き方を比べてみるのも面白そうです。
- 1
- 2