キングサリとは
キングサリとはマメ科の植物で和名もそのまま「金鎖」と書きます。藤の花のような見た目をしていて、別名は「キバナフジ」とも呼ばれるほどです。大きく育ったキングサリが優雅に花をつけている様子は圧巻です。おとぎ話の世界に紛れ込んでしまったかのような美しさがあります。この記事ではそんなキングサリの開花時期、育て方や増やし方、剪定方法などについてご紹介していきます。
キングサリの開花時期
開花時期は5月ごろとなります。開花が始まると一斉に黄色の美しい花が藤のように垂れ下がり圧巻です。まさに金色の鎖のような見た目の花をしています。
キングサリの樹高
キングサリの樹高は育て方にもよりますが平均で7m、大きく育てば10mほどにもなります。枝葉が伸びて茂るスピードは比較的速いですが、幹が太るのは遅い傾向にあります。風などで倒れてしまわないように若木の間は支柱を使ってやるのがいいでしょう。
枝が柔らかいので育て方次第ではフェンスやアーチを作ることもできる
つる性の植物ではないのですが、枝が柔らかく誘引しやすい植物です。ヨーロッパなどでもキングサリは親しまれており、庭園のフェンスやアーチとし画像のようにてうまく利用される例が多々あります。
キングサリの育て方
では実際のキングサリの育て方を見ていきましょう。花が咲かないといった悩みも目にしますが、剪定のタイミング、肥料の配合に気を付ければ避けることができます。初心者にも育てやすいので基本の育て方を押さえれば素直に育ってくれる植物です。
土壌環境
さほど土壌環境を選びません。極端に乾燥していたり、やせた土壌でなければ植え付けは可能です。使用する用土は赤玉:腐葉土が2:1の割合になるようにブレンドするか、市販の培養土をそのまま使用してもかまいません。
植え付け
植え付けの時期は3月~4月、温暖な地域であれば11月、12月でも可能です。若木で根がしっかり貼っていないときに寒さに当たると枯れてしまう恐れがあるので気温を気にしながら植え付けを行いましょう。植え付けの際には用土にマグアンプなどの遅効性肥料を混ぜ込みます。根がついてしまえば、キングサリは耐寒性が高い植物なので本州から北海道でも育てることができます。
植え替え
キングサリは植え替えにはあまり向かない植物です。庭などに地植えする際は場所をよく考えてから植え付けるようにしましょう。どうしても植え替えが必要な場合は若木(5年前後)の間に行ってしまうのがよいでしょう。植え替えを行う際は根を傷つけないように慎重に行います。
肥料
花が終わったあとに少量の化成肥料、冬の2月ごろに株本に堆肥が基本の施肥になります。キングサリを育てるうえでの注意事項としてはチッソ肥料が多すぎると花が付きにくくなり、花が咲かないおそれが出てきますので、リン酸とカリウムが主体の肥料を選ぶようにします。
水やり方法
あまりに乾燥した土地ではこまめに水をやることが必要ですが、そうでなければさほど頻繁にやらなくても十分大きくなります。葉がカサカサして反り返ってしまっているようであれば水が足りていませんので、様子を見ながら水やりを続けましょう。
剪定方法
若木の間は木に勢いがあるので徒長枝が出やすい傾向にあります。枝の不自然な箇所からひょろひょろと間延びした枝が出たり、株本から「ひこばえ」と呼ばれる枝が噴出してくることがあります。こういった枝はその枝の根元から剪定してしまって構いません。そのほかの枝は風通しを良くするために軽く切る程度の剪定に抑えておけば、後は自然な樹形に収まっていくでしょう。
ただし新芽が付く7月以降は剪定を控えよう
キングサリの新芽はつくのが早く、その年の花が終わり、新しい枝が伸びてきたところに新芽が作られます。その時期が大体7月になります。これ以降に剪定を行うと来年の開花期に花が咲かない恐れがありますので注意しましょう。
仕立て方
冒頭で述べたようにキングサリはつる性の植物ではありません。支柱を用意すれば勝手に巻き付いていってくれるわけではありません。藤棚のように仕立てたい場合は、藤棚となる支柱に枝を結んで誘引してやります。古い枝で少し硬い場合は麻ひもを用いて優しく引っ張ってやればやがて形が整ってくるでしょう。
仕立て方のポイント:誘引する時期は花が終わった後
新芽を傷つけてしまうと来年花が咲かないといった問題が起こることもあるので、花が終わってすぐのタイミングで行うのが好ましいです。
出典:写真AC