キンシバイ(金糸梅)とは?名前の由来や特徴・育て方をご紹介!

キンシバイ(金糸梅)とは?名前の由来や特徴・育て方をご紹介!

梅雨の季節に美しい黄金色の花を咲かせるキンシバイ(金糸梅)は、どのような特徴をもつ植物でしょうか?キンシバイ(金糸梅)という名前はどこからついたのでしょうか?キンシバイ(金糸梅)の花の時期や咲き方、名前の由来や育て方、園芸品種も合わせて紹介していきます。

キンシバイ(金糸梅)とは?

黄色い花が印象的なキンシバイ(金糸梅)は、どんな花でしょうか?「金糸梅」という名前はどこからついたのでしょうか?花の時期はいつ頃でしょうか?キンシバイ(金糸梅)の基本情報を紹介します。

キンシバイの基本情報

学名 Hypericum patulum
オトギリソウ科
オトギリソウ属
原産地 中国
開花期 5月~7月
花の色 黄色
別名 ピペリカム クサヤマブキ(草山吹)

江戸時代

キンシバイは中国原産の半常緑低木です。日本に持ち込まれたのは江戸時代中期で、その頃から観賞用として栽培されてきました。緑の葉と黄色い花が人気で、近年では庭木としてだけでなく、公園や街路樹としても栽培されるようになりました。また、切り花や華道でも利用されています。

ヒペリカム

「ヒペリカム」は、オトギリソウ科オトギリソウ属の植物で世界に490種も存在します。近年では、その中で園芸種として栽培されているキンシバイやビヨウヤナギなどの種類が「ヒペリカム」と呼ばれることもあります。

名前の由来

キンシバイ「金糸梅」という名は、黄色い雄しべの様子が「金の糸」のように見えることと、少しうつむき加減で開ききらない5片の花びらの様子が「梅」に似ていることからつけられました。

花言葉

明るく元気な黄色い花や、雄しべの様子から「太陽の輝き」「きらめき」という花言葉があります。また、キンシバイは花びらが開ききらない様子から「秘密」という花言葉もあります。

キンシバイ(金糸梅)の花

基本情報がわかったところで、キンシバイの花の時期や大きさや形、開花の様子、雄しべと雌しべの様子、葉のつき方、実のつき方、冬の様子など、花の特徴をさらに詳しく見ていきましょう。

花の時期

梅雨の季節に入る6月頃から7月の中頃までが、キンシバイの花の時期です。梅雨のうっとしい季節にも美しく黄色い花を次々に咲かせ、道行く人を楽しませます。また、初夏の青い空にも黄色い花が鮮やかに咲き、目を引きます。

花の特徴

キンシバイの花の大きさは2cm~3cmで他の仲間に比べると小さめです。色は美しい黄金色です。雄しべは花の中心に60~80ほど集まり、5つの束になっています。長さは5mmから9mm程度です。その真ん中にある雌しべは根元が膨らみ、長さは雄しべとあまり変わりません。雌しべの柱頭は5つに分かれています。

キンシバイの開花の様子

キンシバイは、枝の先に少しうつむき加減に花を咲かせます。開花しても花びらが開き切ることはありません。また、梅の花びらに似た5枚の花びらは、ややふっくらと丸みをおびています。キンシバイの花びらには切れ込みがないか、または、なだらかな切れ込みがわずかに見られる程度です。

ボタニ子

ボタニ子

梅雨の季節に開花する黄金色のキンシバイ!元気をもらえそうですね♪

キンシバイ(金糸梅)の葉

キンシバイの葉の大きさは、2cmから5cmで長く細い楕円形をしています。少し赤みのある枝に2列対生というつき方で規則正しい並び方をしています。キンシバイの葉は秋には赤く紅葉します。

2列対生(にれつたいせい)とは?

2枚の葉が同じ場所に向き合ってつくつき方を「対生(たいせい)」といいます。キンシバイのように同じ面に2列に並んでつくつき方を「2列対生」といいます。

ボタニ子

ボタニ子

キンシバイの葉は、きちんと並んでお行儀がいいんですね♪

キンシバイ(金糸梅)の実

キンシバイは花が終わり、秋になると実をつけます。雌しべの中が複数の部屋に放射線上に分かれ、熟すと部屋ごとに割れ目ができます。そして実が熟すと割れ目が裂けて種が飛び散ります。このような果実の種類をさく果といいます。

ボタニ子

ボタニ子

キンシバイの実は、5つの部屋に分かれて種を飛ばす「さく果」なのですね!

冬の様子

キンシバイは耐寒性の強い花木ですが、寒冷地では、冬の季節は落葉して越冬します。暖地では冬の季節でも半落葉か、または落葉せずに越冬します。

園芸品種(ヒペリカム・ヒドコート)

キンシバイには、花や葉に特徴のある交配種があります。特に代表的な種類として、ヒペリカム・ヒドコートが有名です。キンシバイよりも大きく華やかなことから人気が高く、公園や街路樹にも植えられています。ヒペリカム・ヒドコートについて見ていきましょう。

ヒペリカム・ヒドコート

ヒペリカム・ヒドコートは、キンシバイの園芸品種で、同じ花とされることもあります。タイリンキンシバイ(大輪金糸梅)とも呼ばれていて、見た目もとてもよく似ています。ヒペリカム・ヒドコートの花の時期や開花の特徴などを詳しく見てみましょう。

ボタニ子

ボタニ子

キンシバイとヒドコートって、ホントにそっくり!どこが違うの??

花の時期と開花の様子

ヒペリカム・ヒドコートの花の時期は、キンシバイと同じ梅雨の季節から夏の季節までです。花は上向きか横向きに開花し、花びらは大きく平開します。花びらは5枚で、それぞれの花びらには切れ込みがあります。

花の大きさと色

開花時の花径は、7cmから8cmでキンシバイに比べて華やかで大きな花を咲かせます。花の色はキンシバイに比べると、少し赤味のかかった鮮やかで濃い黄色です。

雄しべと雌しべ

ヒペリカム・ヒドコートの雄しべは60本ほどが束になって5つに分かれています。雄しべの長さは、花びらの半分以下の短さです。雌しべは雄しべの真ん中に1本で柱頭は5つに分かれています。雌しべの長さは雄しべよりも長いです。

ヒペリカム・ヒドコートの葉の特徴

ヒペリカム・ヒドコートの葉には、キンシバイとは別の特徴があります。ヒペリカム・ヒドコートの葉は細長い楕円形で、つき方はキンシバイの2列対生に対し、十字対生でつきます。秋には赤く紅葉します。

十字対生とは?

キンシバイの葉が同じ面に2列に並んだ対生(たいせい)に対して、ピペリカム・ヒドコートの葉のように対生した葉が90度ずつねじれてつくつき方を、十字対生(じゅうじたいせい)と言います。

ボタニ子

ボタニ子

なるほど!キンシバイの葉は対生(たいせい)で、ヒドコートの葉は十字対生(じゅうじたいせい)なのね!

ヒペリカム・ヒドコートの実

ヒペリカム・ヒドコートは秋に実をつけます。実の大きさは1cmほどで卵のような形をしています。実の先端には、長い花柱が残っています。

冬の様子

ピペリカム・ヒドコートはキンシバイと同じく、耐寒性が強く、暖地では落葉せずに越冬します。寒さの厳しい寒冷地では、落葉して越冬します。

その他の品種(トリカラー・西洋キンシバイ・ビヨウヤナギ)

キンシバイには、ヒペリカム・ヒドコートのほかにも交配種の「トリカラー」が存在します。また同じオトギリソウ科でよく似た仲間の「西洋キンシバイ」や「ビヨウヤナギ」が存在します。順番に見ていきましょう。

トリカラー

トリカラーは、白と赤味のかかったピンク色の葉の斑が美しいキンシバイの交配種です。特徴的な白とピンクの葉が人気です。花の大きさはキンシバイよりも小さめで、花のつき方も少なく、育て方が難しいとされています。

西洋キンシバイ(ヒペリカム・カリシナム)

西洋キンシバイ(ヒペリカム・カリシナム)は、キンシバイよりも雄しべが長く数も多いことが特徴です。雄しべが美しく華やかなことから、ヒメキンシバイとも呼ばれています。花の色は、キンシバイよりも黄色が濃く、開花すると花びらが開き切ります。

ビヨウヤナギ

ビヨウヤナギはキンシバイと同じオトギリソウ科、オトギリソウ属で中国原産の半落葉低木です。黄色い花が大きく美しいことと、葉がヤナギのような形で垂れ下がっていることから、「美容柳」「美女柳」と呼ばれています。中国の長安の都の名前から「未央柳」などと呼ばれることもあります。中国では、美しい雄しべの様子から「金糸桃」と呼ばれています。

花の時期と開花の様子

ビヨウヤナギの花の時期は、6月から7月にかけてです。直径5cmほどの黄色い花びらを5枚大きく開きます。雄しべの数が非常に多く、またとても長くて華やかです。西洋キンシバイに比べると長い雄しべはゆるやかにカーブしています。寒さには比較的強く冬でも暖かい場所では常緑のまま越冬します。寒さの厳しい場所では落葉し越冬します。

キンシバイとの見分け方

特に見分け方の難しいキンシバイとヒドコート、西洋キンシバイとビヨウヤナギの見分け方を表にしました。

見分け方
キンシバイ 花は小さめで開き切らず下向きに咲く。雄しべは花片より短く密集し、雌しべと長さがほぼ同じ。葉は2列対生。
ヒドコート 花は大きめ全開し上か横向きに咲く。雄しべは花片の半分以下の長さで密集し雌しべは長い。葉は十字対生。
西洋キンシバイ 花片が細く大きい。花片よりも長い雄しべの数は非常に多く同じ高さでまとまっている。葉は対生。
ビヨウヤナギ 花片はやや大きく細い。雄しべは花片よりも長くゆるやかにカーブしている。葉は十字対生。

ボタニ子

ボタニ子

次に見かけた時は、私にも違いがわかりそうです♪

白いギンバイカ(銀梅花)

キンシバイとは別の品種ですが、キンシバイに似ていると言われ花に白い花を咲かせるギンバイカがあります。白いギンバイカについて紹介しましょう。

ギンバイカの特徴

ギンバイカは、フトモモ科ギンバイカ属の常緑低木です。白い梅のような花を咲かせることから、「銀梅花」とつけられました。また、ヨーロッパでは白い花が結婚式などでも使われる縁起のよい木とされ、日本でも「祝いの木」とも呼ばれています。

花の時期と開花の様子

ギンバイカの花の時期は、5月から7月の初夏から夏の季節です。ギンバイカは、開花すると白い5枚の花びらを開きます。長く白銀色に輝くたくさんの雄しべが特徴的で、とても華やかです。また、ギンバイカの白い花は食べることができます。サラダなどに入れるとさわやかな香りと白い花がアクセントになります。

ボタニ子

ボタニ子

ギンバイカの白い花って食べることができるのですね!サラダを作ってみたいな♪

ギンバイカの葉と実

ギンバイカは、マートルとも呼ばれ精油成分を含んだ葉のフルーティな香りが人気です。秋から冬にかけてブルーベリーにも似た小さな実をたくさんつけます。甘い香りがして食べることもできますが、そのまま食べると苦みが強いので、乾燥させてスパイスとして使われることが多いです。

キンシバイ(金糸梅)の育て方(基本)

キンシバイは、庭植えで育てやすい植物です。植え付けに適した時期や場所、その方法、土や肥料の選び方、水やりなどキンシバイの育て方を詳しく見ていきましょう。

植えつけの季節と方法

キンシバイの植え付けに適した季節は、3月から5月にかけてです。9月から10月の秋の季節もおすすめです。鉢植えの場合は、苗よりも1回りか2回り大きめの鉢に植え付けます。地植えの場合は、苗よりも1回りか2回り大きめの穴に植えます。苗の周囲にたっぷりと水をやり、土と根をなじませます。

日当たり

キンシバイは、日当たりのよい場所で元気に育ちます。強い花木で半日陰の場所でも育ちますが、日当たりの悪い暗い所では花のつき方が悪くなるので気をつけましょう。

水はけと通気性がよい土が適しています。土壌は選びませんが、栄養分の多い酸性の土の方が育ちやすいです。腐葉土を混ぜると元気に育ちます。土を混ぜて作る場合は、鹿沼土4、赤玉土3、腐葉土3の割合で混ぜます。

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水やり

鉢植えの場合は、乾燥したらたっぷり水やりをします。庭植えの場合は、特別な水やりは必要ありませんが、乾燥が苦手なので、気温の高くなる夏の季節は、朝、または夕方に水やりをします。

肥料

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植え付けを行うときには、ゆっくり効くタイプの緩効性化成肥料を土と混ぜます。その後は、3月と9月から10月にかけて同じ肥料をあたえます。

キンシバイ(金糸梅)の育て方(増やし方)

キンシバイは、大きく成長しやすい花木で、挿し木や株分けでも簡単に増やすことができます。挿し木や株分けに適した季節やその方法を見ていきましょう。

挿し木

キンシバイは、挿し木で増やせます。挿し木に適した時期は5月から6月です。枝を10cm程度切り、30分ほど水につけておきます。その後、赤玉土など挿し木用土に挿します。葉は4枚ほど残し、蕾は落としておきます。水やりをたっぷりとおこない、乾燥しないように日陰に置きます。

株分け

キンシバイは、株分けでも増やせます。株分けは、3月から4月頃、または、9月から10月頃の植え付けや植え替えと同じ時期におこないます。株を丁寧に掘り上げ適当な大きさにハサミで切り分けます。ハサミは消毒したものを使いましょう。

キンシバイ(金糸梅)の育て方(剪定)

キンシバイの育て方のポイントの一つに剪定があります。そのままでもある程度の樹形を保ちますが、大きく育ちすぎたり、横に飛び出して伸びてしまうこともあります。ここでは、美しい樹形を保つ育て方として剪定の時期や方法を見ていきましょう。

剪定の時期と方法

枝の伸びた3月頃、または9月から10月頃が剪定をおこなうのに適した時期です。剪定は樹形を見て形を整えていきます。枯れた枝や、花が咲かなくなった古い枝は、基部から切り取ります。株を大きく育てる場合は、浅めに切り込みます。

キンシバイの樹形

キンシバイは、自然のままの樹形でも美しいので、横に伸びすぎた枝を剪定するくらいで整います。株を小さいままで置きたい場合は、3月に株元から20cmから30cmあたりの高さで切り戻しても構いません。

自然樹形とは?

自然界では、樹木は日当たりよく養分を取り込んで生育しやすいよう、樹木ごとに同じような姿を形成します。この自然な樹形を自然樹形といいます。キンシバイにおいても本来の樹形を保とうとするので、元の樹形を念頭に最低限の剪定をおこなうと生育しやすい樹形に整えることができます。

ボタニ子

ボタニ子

そういえば、公園で見かけるキンシバイって、ふんわりカーブを描いていますね。それがキンシバイにとって一番自然な樹形なんですね♪

キンシバイ(金糸梅)の育て方(枯れる)

キンシバイは、比較的育て方が簡単で初心者向きの庭木とされていますが、枯れてしまうこともあります。キンシバイが枯れる原因には、水やり、日当たり、スペースが考えられます。枯れる原因について、ひとつずつ見てみましょう。

水やりが原因

土が乾いたままの状態が長く続くと葉が枯れる原因になります。特に暑く乾燥する真夏や鉢植えの場合は気をつけます。反対に湿度の高い梅雨のころは、水やりのしすぎに気をつけます。株の中から蒸れてカビが発生し枯れる原因にもなります。

日当たりが原因

キンシバイは、日当たりのいい場所を好みます。半日陰でも育ちますが、全然日当たりのない場所では花もつかなくなり、枯れる原因にもなります。鉢植えの場合は日の当たる場所に置き、庭植えの場合も日の当たらない場所は避けます。

鉢植えが原因

キンシバイは、生育に十分な広さがあれば元気に育ちます。成長が早いので、鉢植えで購入した場合は早めに植え替えをします。小さな鉢のままでは育つスペースがなくなり弱ってしまいます。

まとめ

梅雨の季節にも美しく元気な花で、公園や街路でも人気のキンシバイ。育て方も簡単で、初心者でも安心して育てることのできる花木です。黄金色のキンシバイを、ご自宅のお庭でも育ててみませんか。

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