その他の品種(トリカラー・西洋キンシバイ・ビヨウヤナギ)
キンシバイには、ヒペリカム・ヒドコートのほかにも交配種の「トリカラー」が存在します。また同じオトギリソウ科でよく似た仲間の「西洋キンシバイ」や「ビヨウヤナギ」が存在します。順番に見ていきましょう。
トリカラー
トリカラーは、白と赤味のかかったピンク色の葉の斑が美しいキンシバイの交配種です。特徴的な白とピンクの葉が人気です。花の大きさはキンシバイよりも小さめで、花のつき方も少なく、育て方が難しいとされています。
西洋キンシバイ(ヒペリカム・カリシナム)
西洋キンシバイ(ヒペリカム・カリシナム)は、キンシバイよりも雄しべが長く数も多いことが特徴です。雄しべが美しく華やかなことから、ヒメキンシバイとも呼ばれています。花の色は、キンシバイよりも黄色が濃く、開花すると花びらが開き切ります。
ビヨウヤナギ
ビヨウヤナギはキンシバイと同じオトギリソウ科、オトギリソウ属で中国原産の半落葉低木です。黄色い花が大きく美しいことと、葉がヤナギのような形で垂れ下がっていることから、「美容柳」「美女柳」と呼ばれています。中国の長安の都の名前から「未央柳」などと呼ばれることもあります。中国では、美しい雄しべの様子から「金糸桃」と呼ばれています。
花の時期と開花の様子
ビヨウヤナギの花の時期は、6月から7月にかけてです。直径5cmほどの黄色い花びらを5枚大きく開きます。雄しべの数が非常に多く、またとても長くて華やかです。西洋キンシバイに比べると長い雄しべはゆるやかにカーブしています。寒さには比較的強く冬でも暖かい場所では常緑のまま越冬します。寒さの厳しい場所では落葉し越冬します。
キンシバイとの見分け方
特に見分け方の難しいキンシバイとヒドコート、西洋キンシバイとビヨウヤナギの見分け方を表にしました。
花 | 見分け方 |
キンシバイ | 花は小さめで開き切らず下向きに咲く。雄しべは花片より短く密集し、雌しべと長さがほぼ同じ。葉は2列対生。 |
ヒドコート | 花は大きめ全開し上か横向きに咲く。雄しべは花片の半分以下の長さで密集し雌しべは長い。葉は十字対生。 |
西洋キンシバイ | 花片が細く大きい。花片よりも長い雄しべの数は非常に多く同じ高さでまとまっている。葉は対生。 |
ビヨウヤナギ | 花片はやや大きく細い。雄しべは花片よりも長くゆるやかにカーブしている。葉は十字対生。 |
ボタニ子
次に見かけた時は、私にも違いがわかりそうです♪
白いギンバイカ(銀梅花)
キンシバイとは別の品種ですが、キンシバイに似ていると言われ花に白い花を咲かせるギンバイカがあります。白いギンバイカについて紹介しましょう。
ギンバイカの特徴
ギンバイカは、フトモモ科ギンバイカ属の常緑低木です。白い梅のような花を咲かせることから、「銀梅花」とつけられました。また、ヨーロッパでは白い花が結婚式などでも使われる縁起のよい木とされ、日本でも「祝いの木」とも呼ばれています。
花の時期と開花の様子
ギンバイカの花の時期は、5月から7月の初夏から夏の季節です。ギンバイカは、開花すると白い5枚の花びらを開きます。長く白銀色に輝くたくさんの雄しべが特徴的で、とても華やかです。また、ギンバイカの白い花は食べることができます。サラダなどに入れるとさわやかな香りと白い花がアクセントになります。
ボタニ子
ギンバイカの白い花って食べることができるのですね!サラダを作ってみたいな♪
ギンバイカの葉と実
ギンバイカは、マートルとも呼ばれ精油成分を含んだ葉のフルーティな香りが人気です。秋から冬にかけてブルーベリーにも似た小さな実をたくさんつけます。甘い香りがして食べることもできますが、そのまま食べると苦みが強いので、乾燥させてスパイスとして使われることが多いです。
出典:写真AC