ビワの概要
夏のはじまり、オレンジ色をしたまんまるのビワを目にすることが多くなります。オレンジ色の皮をむくと、さらに鮮やかなオレンジ色をした実が現れます。とても甘くみずみずしいビワ。先ずはこのビワの特徴からご紹介しましょう。
ビワの木の特徴
ビワはバラ科ビワ属の植物です。バラ科の植物だからでしょうか。花の香りはとても良いものです。花の色は白く、枝の先端部分に群がって咲くのが特徴です。木はとても硬いのが特徴の1つです。葉は長楕円形をしており厚く硬く、表面がでこぼこしています。
ビワは自家結実性
また、ビワは自家結実性の果実です。自家結実性とは、木1本で実を付けることが可能な品種のことです。自分の花粉で受粉をし、果実をつけます。
名前の由来は楽器の「琵琶」から
ちなみに、「ビワ」という名前は葉の形が由来しており、「楽器の琵琶」に似ていることから名付けられたものです。
ビワの実の特徴
ビワは綺麗なオレンジ色をした、甘い果実です。実の表面には、うぶ毛と白い粉を付けているのが特徴です。実のわりに大きな種がいくつもあり、食べることができる果実の部分は少なめに感じてしまうかもしれません。新鮮なビワの見分け方としては、オレンジ色が濃く、皮にハリがあり、ヘタがしっかりとしていて、表面にうぶ毛と白い粉が付いたものが良いとされています。
ビワの旬
ビワの旬は栽培されている場所によって若干違ってきますが、4月~6月頃が一番多く出まわっています。このため、ビワは夏の季語として用いられてきました。また、花は11月頃から咲くため、冬の季語として用いられています。
ビワの生産地は?
ビワの出荷量が一番多いのは長崎県です。出荷されている量の約60%位の割合を占めています。次いで千葉県で多く収穫されています。最近ではハウス栽培もされており、1年を通して楽しむことができるようになりました。
苗木からの育て方
苗木からの育て方をご紹介します。早くビワの実を収穫したい!という方には、苗木から育てることをおすすめします。
苗木の植え付け
ビワは中性から弱酸性で、水はけの良い土を好みます。石灰と窒素分を必要としますので、簡単な方法としては牡蠣殻石灰を使用すると、pH調整も簡単にできます。土質はどのようなものでも構いません。鉢植えには、赤玉土と腐葉土を用意しましょう。根は酸素を好むので、苗木を深く植えないことがポイントです。枝が曲がって生育しないよう、支柱を立てることも必要です。
苗木から育てた時の収穫までの流れ
苗木を植えてから、収穫までの流れをまとめてみました。育てる時の目安にしてください。
1年目 | 苗木を植える |
3年目 | 樹高が高くなってくるので剪定をする |
5年目~6年目 | 収穫できるようになります |
種からの育て方
ビワの大きな種。この種を育て、実を収穫することもできます。ですが、苗木から育てるよりは収穫までに年月が必要です。種から植えた場合は、収穫までにおよそ8年~10年程かかります。観葉植物のように鉢植えで楽しみたい方には、種から育てる事をおすすめします。
種の植え付け
種を植える時期は、4月から5月頃の暖かくなってからが最適です。種は果肉を落とし、良く洗って綺麗にします。土は土作りでご紹介したように、赤玉土と腐葉土を用意し鉢植えにしましょう。3号くらいの植木鉢に土を入れ、表面から3cm位の所に埋めると発芽しやすくなります。鉢植えで育て、10号の植木鉢の大きさまで成長したら、地植えにすることをお勧めします。
種から育てた時の流れ
種を植えてから、収穫までの流れをまとめてみました。育てる時の目安にしてください。
種植えから1ヶ月 | 発芽します |
2年~3年目(4月~6月頃) | 初めての植え替えをします※ |
4年~5年目 | 剪定をして、枝を間引きます |
8年~10年目 | 花が咲き、実がつく頃です |
挿し木での増やし方
挿し木とは、今あるビワの木を活かして増やし、育てる方法です。挿し木をすると、元の木の性質をそのまま引き継ぐことができます。
挿し木での育て方
挿し木にする枝の長さとしては、10cm~15cm位がおすすめです。挿し木の枝の切り口は斜めに切り落とします。鉢植えにする前に、1時間~2時間水に浸け、水をたっぷり吸わせることがポイントになります。発根するまでは鉢植えをおすすめします。植木鉢に赤玉土と腐葉土を用意し、挿し木をします。その後は植木鉢全体に、ビニールをかけます。
挿し木で育てたときの流れ
挿し木をする時期としては、3月または6月~7月頃が適しています。
挿し木をして6ヶ月 | 発根します |
3年~4年目 | 樹高が高くなってきたら剪定します |
7年~8年目 | 収穫できるようになります |
発根後、地植えにする場合は根の周りの土は落とさずに植えるようにしましょう。
出典:写真AC