雑草図鑑(13選)夏〜秋によく見るイネ科雑草の特徴・見分け方!

雑草図鑑(13選)夏〜秋によく見るイネ科雑草の特徴・見分け方!

道端や庭に生えているイネ科雑草は、秋になると穂がついた姿へ変わります。穂がつくことでどんな種類かわからなかった雑草も見分けやすくなるでしょう。この記事では、秋によく見かけられるイネ科種類を中心に特徴と見分けるポイントについて写真をまじえて解説します。

記事の目次

  1. 1.雑草が見分けやすくなる夏~秋
  2. 2.雑草の見分け方のポイント
  3. 3.よく見る雑草の種類図鑑①オヒシバ
  4. 4.よく見る雑草の種類図鑑②メヒシバ
  5. 5.よく見る雑草の種類図鑑③アメリカスズメノヒエ
  6. 6.よく見る雑草の種類図鑑④シマスズメノヒエ
  7. 7.よく見る雑草の種類図鑑⑤ネズミノオ
  8. 8.よく見る雑草の種類図鑑⑥メリケンカルカヤ
  9. 9.よく見る雑草の種類図鑑⑦ニワホコリ
  10. 10.よく見る雑草の種類図鑑⑧セイバンモロコシ
  11. 11.よく見る雑草の種類図鑑⑨ススキ
  12. 12.よく見る雑草の種類図鑑⑩オギ
  13. 13.よく見る雑草の種類図鑑⑪ダンチク
  14. 14.よく見る雑草の種類図鑑⑫エノコログサ
  15. 15.よく見る雑草の種類図鑑⑬チカラシバ
  16. 16.身近な雑草を探してみよう!

よく見る雑草の種類図鑑⑩オギ

画像出典:筆者撮影

基本情報

学名 Miscanthus saccharflorus
英名 silver banner grass(シルバーバンナーグラス)
分類 ススキ属
形態 多年草
開花期 9月~10月
分布 北海道から九州 中国、ロシア

特徴

オギは、沼や川辺に生息する1.0~2.5mほどの背の高いイネ科雑草です。オギは地下茎で繁殖しているため、河原で群生しているのをよく見かけられます。このような点はススキにはない広がり方ですが、共通点はオギもススキと同じようにかやぶき屋根の材料として利用されていたことです。

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見分け方

ススキとオギ

ススキ(左)・オギ(右)
画像出典:筆者撮影

オギはススキに似た雑草のため、混同されやすいイネ科雑草です。しかし、写真のススキとオギを見比べると、左側のススキより右側のオギのほうがふわふわしています。これは、小穂の付け根からでている白い毛によるものです。ススキよりオギのほうが長く、オギは遠目からみると白色や銀色の穂に見えます。そのほか、オギは地下茎で繁殖するため花茎が集中する箇所がありません。

シロガネヨシとの見分け方

パンパスグラス

画像出典:筆者撮影

シロガネヨシは、別名パンパスグラスといわれるシロガネヨシ属のアルゼンチン原産帰化植物です。こちらもススキに似た雑草で白っぽい穂をつけていますが、草丈がとても高く2~4mほどに成長します。茎が太く、穂の長さもあることで見分けるのは容易です。シロガネヨシはその見た目の雄大さから、切り花やドライフラワーとして利用されています。

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よく見る雑草の種類図鑑⑪ダンチク

画像出典:筆者撮影

基本情報

学名 Arundo Dona
英名 Spanish Reed(スパニッシュリード)
分類 ダンチク属
形態 多年草
開花期 8月~11月
分布 関東地方以西 中国、熱帯アジア、インド、地中海沿岸

特徴

ダンチクは、海岸部に生える4mほどの背の高いイネ科雑草です。茎は硬く節があり、中は空洞で竹に似た植物です。ダンチクは、種から繁殖せず地下茎のみで広がっているため、ほとんどの個体が同一遺伝子のクローンといえます。また、体内に毒素が含まれており、昆虫や動物の食料にもならない、自然界ではほかの動植物と関与しない存在です。

人はダンチクをオーボエやクラリネットのリード部分に使ったり、サバのなれ鮨を包むために葉を用いたりと活用しているよ。

見分け方

ダンチク

画像出典:筆者撮影

ダンチクの穂は、茎の先端部分から長さ30~70cmほどの枝を出して小穂をつけます。写真よりも生育した状態になると、小穂が斜上に起立して、ブラシのような穂になります。そのほかの見分け方としては、非常に太い茎を見ることもできますが、海岸部で見かけられる大型のイネ科雑草ということもポイントです。

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よく見る雑草の種類図鑑⑫エノコログサ

画像出典:筆者撮影

基本情報

学名 Setaria viridis
英名 green bristle grass(グリーンブリストルグラス)
分類 エノコログサ属
形態 一年草
開花期 6月~10月
分布 北海道から九州 北半球のほとんどの地域

特徴

エノコログサは、別名ねこじゃらしで有名な背の低い道端の雑草です。夏から秋にかけて、ふわっとしたねこじゃらしのような穂をつける姿を全国あちこちで見かけられます。この穂が子犬(えのころ)の尾に似てることが名前の由来です。古くは食用として利用されており、雑穀である粟の原種とされている雑草です。

見分け方

エノコログサ

画像出典:筆者撮影

エノコログサの穂は花茎の先端に緑色の小穂をつけ、基部から毛がでています。この毛が硬く外側を向いているため、ねこじゃらしのようなモサモサ感を出しています。エノコログサの穂が長く下に垂れる種類は、アキノエノコログサというやや大型のイネ科雑草です。

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よく見る雑草の種類図鑑⑬チカラシバ

チカラシバ

画像出典:筆者撮影

基本情報

学名 Pennisetum slopecuroides
英名 dwarf fountain grass(ドワーフファウンテングラス)
分類 チカラシバ属
形態 多年草
開花期 8月~11月
分布 北海道から沖縄 アジア周辺 オーストラリア

特徴

チカラシバは、50~80cmほどの草丈がやや高い雑草です。日当たりのよい場所であれば、公園や空き地、草原で見かけられる雑草で、硬い毛の穂がブラシのようにも見えます。また、名前のとおり力をいれても抜けず、根がよく張ったたくましいイネ科雑草です。

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見分け方

チカラシバの穂

画像出典:筆者撮影

チカラシバの穂は、エノコログサと異なります。やや大きめの小穂の根元から、いくつもの針のような毛がでているのが写真でわかるでしょう。小穂の色が茶色くなると、緑色の持ち手に黒っぽいブラシがついている姿になります。この針のような毛が服や動物の毛にひっつき、いつのまにか種を持ち運ばせようとします。

身近な雑草を探してみよう!

出典:筆者撮影

日本で見られるイネ科雑草だけでも200種類以上あり、紹介した13種は全体のほんのわずかです。雑草は庭や道端、どこでも見られるものばかりですが、種類を絞って探してみるとなかなか多くを見つけるのは大変です。雑草の生態に興味がある方は、秋の散策をしながらどこにどんな雑草が生えているか探してみるのはいかがでしょうか。

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dodon
ライター

dodon

農業普及指導員経験者。得意分野は農畜連携と牧草生産。草と農業者とのたたかいは有史以来おこなわれております。

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