ヒメツルソバの概要
ヒメツルソバは、ピンク色のまん丸としたかわいらしい形の花を咲かせる多年草です。花壇の寄せ植えだけでなく、庭のグランドカバーやロックガーデンなどに利用されています。繁殖力が強く、放任で育てても次々と増殖していくのが特徴です。そのため、グランドカバーとして植えてはいけないケースもあるので注意しましょう。
基本情報
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 5cm〜15cm |
花の色 | ピンク、薄紫、白 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花時期が長い、庭のグランドカバー、初心者向け |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
特徴
ヒメツルソバは、ポンポンのように丸い花を咲かせます。咲き始めは白色をしており、どんどんとピンクに色付いていくのが特徴です。葉にはV字模様の斑点が入っており、葉の美しさを楽しむ「リーフプランツ」としても親しまれています。
ヒメツルソバの花言葉は?
ヒメツルソバの花言葉は「愛らしい」「気が利く」「思いがけない出会い」です。ピンク色のコンペイトウのようなかわいらしい花を咲かせる様子から「愛らしい」という花言葉がついたといわれています。
ヒメツルソバの名前の由来は?
ヒメツルソバは「姫蔓蕎麦」と表記されます。咲き姿や葉の形が「蔓蕎麦」という海辺に自生している植物に似ており、サイズが小さいので「姫蔓蕎麦(ヒメツルソバ)」という名前がついたのが由来です。
ヒメツルソバをグランドカバーとして植えてはいけない?
グランドカバーとして植えてはいけない理由➀繁殖力が強い
ヒメツルソバは繁殖力が強く、茎を伸ばして増殖していくのが特徴です。ヒマラヤが原産ですが、日本でも半野生化しており、雑草扱いされる場合もあります。グランドカバーとして植え付ける場合は、増殖して欲しくない場所まで侵入する恐れがあるので注意しましょう。
グランドカバーとして植えてはいけない理由➁生命力が強い
ヒメツルソバは生命力が強く、コンクリートの隙間や岩場にも茎を伸ばして成長していきます。除草剤を利用して駆除しても構いませんが、木やほかの植物の近くにヒメツルソバを植えていると、除草剤は使用できません。
グランドカバーとして植えてはいけない理由③根絶が困難
ヒメツルソバは地上部が枯れ込んでも、地下茎が生きていれば、春に新芽を伸ばします。表面だけを駆除しても、完全に根絶するのは難しいので注意が必要です。
ヒメツルソバの育て方①時期
植え付けから開花までの時期
植え付け時期 | 3月〜5月 |
植え替え時期 | 3月〜5月 |
肥料の時期 | 3月〜5月 |
剪定の時期 | 5月〜12月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月〜11月 |
栽培スケジュールカレンダー
ヒメツルソバの育て方②栽培環境
栽培方法
プランター・鉢植え・露地
ヒメツルソバは、庭植えでも鉢植えでも育てられます。花壇の寄せ植えにする場合は、草丈が低いので、ほかの植物よりも前面に植え付けるのがポイントです。茎を伸ばしたり、こぼれ種で増殖したりするため、レンガやブロックで仕切ってから植え付けましょう。鉢植えの場合は、株間を15cm〜20cmほどあけて植え付けてください。
育てる場所
室内・屋外/置き場所・日当たり
ヒメツルソバは、日当たりと風通しのよい場所で管理します。耐陰性があり、ほかの植物が育ちにくい半日陰でも育てられるのが魅力です。庭木の株元や、建物の陰になるような場所でもすくすくと育ちます。しかし、完全な日陰では花付きが悪くなるので注意しましょう。室内の場合は、レースのカーテン越しの窓辺で育てるのがおすすめです。
葉が黄色く変色する原因は?
日当たりの悪い場所で育てると、葉が黄色く変色したり、ポロポロと落葉したりする場合があります。日光が全く当たっていない可能性があるため、日当たりのよい場所に移動させて様子をみましょう。
用土
ヒメツルソバは、用土にこだわらなくても問題なく育ちます。市販されている「草花用培養土」や「山野草用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒と腐葉土をよく混ぜ込んだ用土を使用してください。
ヒメツルソバの育て方③管理のポイント
水やり
地植えでヒメツルソバを育てている場合は、降雨のみで十分です。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥してから水やりをしましょう。ヒメツルソバは丈夫な植物のため、水の与えすぎや水切れで枯れる心配はほとんどありません。
肥料
ヒメツルソバは、肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし、成長が滞っている場合には、3月〜5月にかけて、規定の分量よりも薄めた液体肥料を株元に適量与えましょう。植え付けの用土に、あらかじめ緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおくのも有効です。
花付きが悪くなる原因は?
ヒメツルソバは、肥料を与えすぎると肥料やけを起こしたり、花付きが悪くなったりします。そのため、初心者は肥料を与えずに育てるか、元肥のみで追肥をしないのがおすすめです。
害虫対策
ハダニ
ハダニは、やや乾燥している時期に発生しやすい害虫です、葉の裏側などの見つけにくい場所に寄生するため、発見が遅れると大量発生している恐れがあります。ヒメツルソバの成長に必要な栄養分を吸汁するので、発見したら早めに殺虫剤を散布して駆除しましょう。水が苦手な性質を利用して、定期的に葉水をするとハダニの発生を予防できます。
病気対策
灰色カビ病
灰色カビ病は、カビが原因で発生する病気です。感染した部分が、灰色の楕円形状に変色するのが特徴で、放置すると腐敗がはじまり悪臭を放つようになります。灰色カビ病に感染した部分は、薬剤を散布しても治せません。ほかの部分への感染を防ぐためにも、早めに切り取って処分しましょう。
ヒメツルソバの育て方④詳しい栽培方法
苗の選び方
ヒメツルソバをポット苗の状態で購入する場合は、葉につやがあり、花芽のたくさんついている苗を選びましょう。葉の裏側までしっかりとチェックして、病害虫被害を受けていない健康な苗を購入してください。
植え替え
地植えでヒメツルソバを育てている場合は、植え替えの必要はありません。鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐために、毎年植え替えます。根についている古い用土を払い落とし、根が傷んでいる部分を取り除いてから、ひと回り大きな鉢に植え替えてください。
植え替えのタイミングは?
植え替えは、植え付けと同じ3月〜5月に行います。真夏や真冬に植え替えると、上手に根付かない恐れがあるので避けてください。
剪定
ヒメツルソバは5月〜12月の間ならば、気になったときにいつ剪定しても構いません。発育旺盛のため、放任で育てると茎が伸びすぎたり、葉が込み入ったりします。そのため、こまめに切り戻し剪定をしながら育てるのがポイントです。また花後の花がら摘みもして、株を清潔に保ちましょう。
夏越し
ヒメツルソバは暑さに強く、多少の葉焼け程度では枯れないので、夏越しに必要な作業はとくにありません。開花時期は4月〜11月ですが、真夏には花が少なくなる場合があります。秋になり涼しくなると、また花が増えてくるのが特徴です。
冬越し
ヒメツルソバは耐寒性があり、-5℃まで耐えられる植物です。葉に雪や霜が当たると、葉が茶色く枯れ込んでくる場合もありますが、根が残っていれば枯れる心配はありません。春になると、また次々と芽吹いてくるので、そのまま冬越しさせてください。
増やし方
挿し木
ヒメツルソバの挿し木に適した時期は、3月〜5月です。剪定で切り取った健康な茎を使用しても構いません。先端から10cmほどの長さで切り取り、下についている余分な葉を取り除いてください。赤玉土などの挿し木用の用土に挿し、発根するまで水切れに注意して、風通しのよい日陰で管理しましょう。
種まき
ヒメツルソバは放任で育てると、こぼれ種でどんどんと増えていくのが特徴です。しかし、自分の思い描く場所に増やしたい場合は、花後に種を採取して増やしていきましょう。種を採取する場合は、花がら摘みをせずに立ち枯れるまでそのまま育てます。立ち枯れたら花茎から切り取り、軽く振って種を採取してください。
ヒメツルソバの購入先
花苗 グランドカバー ポリゴナム(ヒメツルソバ)トレー苗
参考価格: 2,980円
トレー苗タイプのヒメツルソバで、広い場所への植え付けに向いています。秋になると、葉が紅葉するのが特徴で、ピンク色のかわいらしい花を次々と咲かせるのが魅力です。
花色 | ピンク |
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おすすめ度 | ★★★★★ |