香りで有名な沈丁花
沈丁花は樹高1~1.5mで、冬の間も葉を落としません。丈夫に見えますが、根を土の中深くまで張らないため乾燥に弱い植物です。花びらの表が赤く、裏が白いツートンカラーの花の品種、また白い花の品種が主に流通しています。どちらも甘い芳香が特徴の品種です。
三大香木と称されるにおい
2月~3月ころのまだ肌寒い季節に、沈丁花の甘い香りが漂い始めます。沈丁花はその強い香りから、夏のクチナシ、秋の金木犀とならんで三大香木と呼ばれています。また、強い香りが特徴の三大香木のなかでも、沈丁花はどの木よりも香りを遠くへ届けられるそうです。
100種類以上の香り成分
沈丁花の香りの成分は複雑で、100種類以上のたくさんの成分から成り立っています。なかでもリナロールやシトロネロールの成分は、聞いたことがある方も多いでしょう。リナロールにはリラックス効果、シトロネロールは華やかな甘い香りから虫を引き寄せる効果があります。
沈丁花の香りはアロマや香水に使える?
残念ながら、沈丁花はその香りそのものを使用した香水やアロマは製造されていません。製造していない理由は、天然の精油成分の抽出が難しく、安定して抽出できないからです。そのうえ、毒性も強いことから、沈丁花の天然のにおいをアロマや香水には利用できません。
モイストポプリで長く香りを楽しむ
沈丁花の香りはモイストポプリで楽しめます。一般的なポプリは、乾燥させた植物の香りを楽しむものです。しかし、沈丁花は乾燥をさせると香りが飛んでしまうため、半生の状態で塩を使って保存します。この保存方法が、モイストポプリです。上手に保管すると、長く甘いにおいを楽しめるのです。
モイストポプリの作り方
- 花を摘み、新聞紙などに広げて1時間くらい乾燥をさせる
- 塩と花を交互に瓶に詰める
- 口いっぱいまで詰めたら密閉をして1カ月冷暗所でねかせる
沈丁花の香りのアイテム4選
沈丁花そのものを香料として使用するのは難しいのですが、その香りをイメージして作られたアロマグッズは豊富です。沈丁花の香りを季節問わずいつでも楽しみたい人は、アイテムをチェックしておきましょう。
①練り香水 うさぎ饅頭
沈丁花
参考価格: 985円
「練り香水 うさぎ饅頭」は、半生菓子をイメージした沈丁花の香りの練り香水です。同じ三大香木の金木犀や、桃の香りもあります。かわいらしいフォルムで、すべて集めたくなってしまう人もいるでしょう。
ボタニ子
白いうさぎのお菓子みたいだね!プレゼントに喜ばれそう。
②バスオイルSeasons of Japan【Heavenly Aroom】
バスオイル
参考価格: 660円
Heavenly Aroomの「バスオイルSeasons of Japan」は、日本の四季がモチーフのバスオイルです。浴槽に入れると乳化し、白く優しい香りが漂う湯船に変わります。さわやかなレモンなどの香りのトップノートから、甘い沈丁花のミドルノートへの変化がリラックスタイムにぴったりですよ。
➂ルームディフューザー ダフネフラワー【Antica Farmacista】
ルームディフューザー ダフネフラワー
参考価格: 10,667円
「ルームディフューザー ダフネフラワー」は、沈丁花の香りを追求し、7年の歳月をかけて作られました。特徴は、スティックがゆっくりと沈丁花の香りを広げていくところです。アイテムの特徴から、ゆったりと香りを楽しみたいスペースで使うのがぴったりです。インテリア性も高いため、お気に入りのアイテムになるでしょう。
ボタニ子
スティックの本数を変えて、香りの調節ができるのも便利なポイントだね!
④ダフネアロマオイル【NOTO】
ダフネアロマオイル
参考価格: 1,760円
NOTEの「ダフネアロマオイル」は、沈丁花の香りをイメージして作られたアロマオイルです。ほかの香りとブレンドし、フレグランスとして使うのもおすすめですよ。同シリーズの「サクラ」とあわせると、日本的な奥ゆかしい香りを楽しめます。
沈丁花の育て方のポイント
自分で育てた沈丁花で香りを楽しむのもおすすめです。モイストポプリにも使えますよ。育て方のポイントを押さえれば、香りを楽しみながら栽培できます。
植え付け
新芽が伸び始める2月下旬~3月の初春か、花も終わり暑さも落ち着く10月ごろの秋に植え付けます。沈丁花は植え替えを嫌がるため、大きめの鉢に植え付けをして植え替えの回数を減らすようにしましょう。土は水はけのよい土を使用します。
置き場所
沈丁花は日光を好みますが、根元に日が当たってしまうと根が傷んでしまうため、西日が当たらない場所に置きます。陽射しの強くなる季節には、株元に背丈の低い花を寄せ植えして遮ってもよいですね。寄せ植えをする花も植え替えなくても育つ丈夫なものにするなどして、沈丁花の繊細な根を傷めないように注意してください。
増やし方
沈丁花は種ができないため、増やしたい場合には挿し木で増やしましょう。時期は花が終わり成長期に入る5月~6月です。5月~6月には新しい芽が伸びてきます。新しい芽を切り取って新しい用土に挿し木しましょう。春は陽射しが強い日も多いため、乾燥させないように注意してください。
沈丁花の香りを楽しもう!
沈丁花そのものの香りを抽出することは難しいとされています。しかし、モイストポプリやバスオイルなどの沈丁花をイメージした香りアイテムなら、季節問わずいつでも香りを堪能できます。よい香りのアイテムは、プレゼントとしても喜ばれるでしょう。リラックスタイムには、ぜひ沈丁花の香りに浸ってみてください。
出典:写真AC