はじめに
野菜の中には秋まきを推奨はしていても、周年栽培が可能なものや、寒さに強くてトンネル栽培をすれば冬からでも種まき、植え付けできる野菜があるんです。今回は、家庭菜園で簡単に育てることができる野菜について、育て方を詳しくご紹介します。
冬でも植えることができる野菜①カブ
カブについて
科目 | アブラナ科 |
連作障害 | 出にくい |
生育に最適な気温 | 15℃~20℃ |
適正土壌酸度 | pH5.5~6.5(酸性に弱く、石灰分をやや好む) |
収穫までの期間 | 基本的に1カ月 温暖地で秋トンネル栽培の場合3カ月かかることもある |
品種 | 金町コカブ、耐病ひかり、聖護院大丸蕪、本紅赤丸蕪など |
家庭菜園での簡単なカブの育て方
時期について
種から育てる場合、おすすめの時期は8月下旬~10月の上旬とされていますが、1月~4月にかけても種まきが可能です。苗から育てる場合には11月下旬~12月上旬に植え付けを行います。
防寒対策に、ビニルフィルムや寒冷紗をすることをおすすめします。プランターに支柱を四隅にさすか、トンネル用の支柱をさし込み、ビニルフィルムを被せてプランターの端を洗濯ばさみで留めれば完成です。
種まき
土に10cm~15cmの間隔をあけて溝を2本つくります。溝に1cmほどの間隔で種をまいて土を軽くかぶせます。5日ほどで発芽します。水をこまめにあげましょう。カブは水やりが大事です。土の表面が乾く前にこまめに水やりをしましょう。大カブでは、乾燥させてしまうと裂根しやすくなってしまいます。
肥料
カブは肥料が不足するとスが入ってしまうので、肥料をやるタイミングがとても大切です。1回目は双葉が出そろったときに元肥をやり、その後20日おきに追肥をします。1回の肥料の量の目安は20g~25gです。葉の色が薄い場合は、500倍の液肥を5日に1回かけるといいです。
間引き
間引きは主に3回ほどです。1回目は双葉が出そろったときに2.5cmの間隔になるように、2回目はカブ同士がくっつく直前に7cm程度の間隔があくようにします。3回目も10cmほどの間隔があくように行います。間引きの途中で違うプランターに植え付けて大きく育ててもよいですね。
収穫
直径が10cmになったら収穫しましょう。それ以上育てると裂根してしまいます。
ボタニ子
アブラムシやアオムシなどが発生することがあります。葉の裏を時々確認して、水で流すか、手で取ってくださいね。
冬でも植えることができる野菜②小松菜
小松菜について
科目 | アブラナ科 |
連作障害 | 出にくい(連続多回作や他の野菜との混作も可) |
生育に最適な気温 | 15℃~22℃ |
適正土壌酸度 | pH の数値ではないが、腐植質(堆肥)の十分含んでいるとよい |
収穫までの期間 | 春どり夏どりで1カ月、秋どりと冬どりで半月ほど |
品種 | おそめ、浜美2号、きよすみなど |
家庭菜園での簡単な小松菜の育て方
時期について
代表的なのは秋まきですが夏の暑い時期を除けば年間通して栽培が可能とされています。ビニルトンネル栽培すれば大丈夫でしょう。
種まき
標準サイズのプランターに10cm~15cmの間隔をあけて溝を2本つくります。溝に1cmの間隔で種をまき、薄く土をかけたら完了です。発芽まで毎日水やりを忘れずにしましょう。4~5日で発芽します。室内で濡らしたスポンジに切れ目を入れて発芽させてから植えつけてもよいです。
ボタニ子
アオムシやハダニなどが発生することがあります。虫を取ったら、虫に食われた葉も切り取りましょう。
肥料・間引き
主に2回間引きます。1回目は種まきから1週間を目安(双葉が開くころから本葉1、2枚)に3cmの間隔に間引きをします。2回目は本葉が4~5枚になったら5~6cmの間隔で間引く。この間引きの後に化成肥料10gを列と列の間にまき、土と混ぜ合わせてください。週に1回1000倍の液肥でもよいです。土が乾燥したら、容器の底から流れでるくらいしっかりと水をやりましょう。
収穫
草丈が25cm~30cmになったら収穫できます。
冬でも植えることができる野菜③エンドウ
エンドウについて
科目 | マメ科 |
連作障害 | 出やすい |
生育に最適な気温 | 幼苗は寒さにとても強いがサヤは寒さに弱いので注意 |
適正土壌酸度 | pH7.0(酸性にやや弱く石灰分をやや好む)pH6.4ぐらいまでなら可 |
収穫までの期間 | 6カ月ほど(秋にまいて春に収穫) |
品種 | 赤花つるなし、兵庫絹莢、成駒三十日絹莢など。大きくスナップエンドウとサヤエンドウにわかれます |
家庭菜園での簡単なエンドウの育て方
時期について
種まきは秋に1回です。関東地方では10月下旬~11月上旬とされていますが、温暖な地域では遅めにまくとされています。ビニルトンネルで保温すれば12月からでも栽培できます。
種まき
エンドウもプランターで育てることができます。エンドウは連作を嫌いますので、前年にマメ科を栽培した土を使わないでください。13cm程の間隔をあけて1ヶ所4粒種をまき、種の3倍程度の土をかぶせます。種の3倍の深さの穴を掘って種をまいてもかまいません。苗も販売されていますので、まだ残っていれば植え付けての栽培もできます。水耕栽培すると若い苗を豆苗として食べられます。本葉2枚に育つまでビニルトンネルや寒冷紗で保温しましょう。
間引き・肥料
本葉2枚程度になったら、2本に間引きます。この時に元肥をまきます。その後20日ごとに2回追肥します。1回の肥料の量は20gほどです。寒さ除けに株もとに藁を敷いてもよいですね。
支柱立て
プランターに支柱を立ててツルを誘導してもよいですし、網を使ってツルを巻き付けるのも簡単でおすすめです。
ボタニ子
立ち枯れやうどん粉病に注意!そのために葉を間引いて風通しを良くしてください。
収穫
- キヌサヤエンドウ:開花から20日~25日で収穫できます。柔らかいうちに収穫しましょう。
- スナップエンドウ:マメが膨らんできたら収穫しましょう。
出典:pixabay