エビネ(海老根)とは?春咲き・夏咲きなどの種類や特徴をご紹介!

エビネ(海老根)とは?春咲き・夏咲きなどの種類や特徴をご紹介!

エビネ(海老根)は、ラン科の常緑の多年草です。ジエビネとも呼ばれ、さまざまな花の色の種類が存在する人気の植物です。この記事では花の名前の由来や春咲き種、夏咲き種等の種類に分けて特徴を説明します。エビネを育ててみようという方は、ぜひ参考にしてください。

記事の目次

  1. 1.エビネとは?
  2. 2.エビネの種類
  3. 3.初心者でも育てやすいエビネ
  4. 4.まとめ

エビネとは?

出典:写真AC

エビネ(海老根)はエビネ蘭とも呼ばれ、蘭らしい楚々とした姿や色の多さから多くの園芸家に愛されています。愛好家の間ではジエビネという名前でも呼ばれています。蘭というと手間がかかりそうな印象を持たれやすいですが、エビネの場合は、庭に植えっぱなしで栽培されていることが多いようです。ここでは、そんなエビネの特徴について見ていきましょう。

エビネの特徴

形態 多年草
原産地 日本、朝鮮半島南部、中国東部から南部(春咲き種)、アジア、オセアニアの熱帯から亜熱帯にかけての湿地(夏咲き種)
草丈 30~50cm(春咲き種)30~100cm(夏咲き種)
開花期 4月~5月(春咲き種)7月~9月(夏咲き種)
花色 白・ピンク・赤・オレンジ・黄・緑・紫・茶
耐寒性 ふつう(春咲き種) 弱い(夏咲き種)
耐暑性 ふつう
日当たり 日陰でも育つ
栽培難易度 初心者でも育てやすい

春咲き種と夏咲き種では、エビネが好む気候がかなり違っています。日本で市場に出回っているのはほとんどが春咲き種です。

エビネの名前の由来

出典:写真AC 


エビネは、なぜ「海老根」という名前なのでしょう。実は、土の中に隠れた球根のようなバルブが10個ほど連なっており、その形が海老に似ていることが由来です。順調に育つとバルブを株分けして増やせます。毎年大きくなっていくバルブで、増やすのはそれほど難しくはありません。

エビネの歴史

エビネは、かつて日本各地の広葉樹林の厚く落ち葉が積もったところに自生していました。しかし、エビネ蘭として蘭のブームのときに乱獲されたり、土地開発があったりしたせいで個体数が減ってしまったといわれています。近年、市場で見られるのは園芸種として育てられたエビネです。自然に自生しているエビネはそっと見守ってあげたほうがよいといえるでしょう。

エビネの種類

出典:BOTANICA

園芸種で流通しているエビネには、いくつか品種があります。ここでは、開花時期による特徴の違いをご紹介します。住まいの場所や栽培の目的に合わせて種類を選びましょう。

春咲き種のエビネの種類

出典:写真AC 

春になり暖かくなるとにょきにょきと新芽が伸びてきて、4月ごろから次々に開花します。ヤブエビネともいわれます。キエビネは文字どおり黄色い花を咲かせ、ジエビネと呼ばれる普通のエビネより大型の花を咲かせます。キリシマエビネ、ニオイエビネといった春咲き種もあり、いかにも山野草らしい風情のある姿が魅力です。

初心者におすすめの種類は春咲き種

春咲き種のジエビネ、キエビネなどは、環境さえ合えば初心者の方にも扱いやすい種類といえるでしょう。しかし、キリシマエビネ、ニオイエビネは一定の低温が保たれる場所を好むため、栽培難度が高めです。ゴールデンウイークのころには各地で愛好家が自慢のエビネを持ち寄ったエビネ展が開かれます。栽培に興味があれば、足を運んでみるのもおすすめです。

夏咲き種のエビネの種類

出典:写真AC 

夏咲き種はアジア地域の熱帯多雨林に自生する種類で、日本は北限です。ツルランが主に夏咲き種として知られていますが、暑い場所を好み、冬の寒さが苦手で栽培は春咲き種よりも難しいといえるでしょう。しかし、ツルランとオナガエビネを交配させてできたリュウキュウエビネという種類が多く流通しています。このエビネは冬の温度管理ができれば栽培は可能です。

初心者でも育てやすいエビネ

出典:写真AC 

エビネ蘭は蘭の仲間ですが、神経質な植物ではないため環境さえ整えれば育てるのは難しくありません。初めての方もぜひチャレンジしてみてください。

地植えで咲かせよう

もしもスペースが許すなら、地植えでエビネを育ててみましょう。名前の由来のバルブが成長し意外に簡単に増えて、春の訪れを告げてくれる花畑を作れます。植える場所は、風が強く当たらない日陰を選んでください。風が通り抜けやすいところは苦手です。壁のきわなど空気のあまり動かないところを好みます。また、湿気を好むため、乾かさないように気をつけましょう。

来年もきれいに咲かせよう

花がしおれたら、花茎を取り除くのを忘れないようにします。放っておくと病気の原因になり、株ごと枯れてしまうことがあります。他の新芽を傷つけないようにそっと取りましょう。来年またきれいに咲いてくれるようにするコツです。

水やりは控えめに

水やりは地植えの場合はそれほど気にしなくても大丈夫です。夏になって湿気が強すぎるとかえって弱めてしまうことになりかねません。夏の間は葉が大きくなり、生き生きとした様子を見せます。このときに、地中のバルブが大きくなって次の春に花を咲かせる準備をしています。

まとめ

出典:BOTANICA

エビネ蘭は胡蝶蘭のように豪華な姿ではありませんが、清楚な姿は多くの愛好家を惹きつけています。単色でシンプルな花の集まりにしたり、カラフルな花畑にしたりするなど、さまざまな形で楽しめるでしょう。切り花で部屋に飾ってもおしゃれですよ。ぜひ、エビネを育てて、生活に合った楽しみ方を見つけてください。

さるさ
ライター

さるさ

美味しいものが好き、健康な暮らしが好き、温かな心が好き

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