蓬莱柿（ほうらいし）とは？味・旬な時期などの特徴や育て方を解説！

蓬莱柿とは、日本で育てられているイチジクの品種の1つです。「日本いちじく」や「南蛮柿」とも言われています。蓬莱柿は、江戸時代に中国から伝来しました。その当時、イチジクは不老不死の薬として扱われ、仙人が住む不老不死の土地を「蓬莱」と言われていたことにちなみ、この名前がつけられています。

蓬莱柿は、霜や地面の凍結には耐えられないため日本全国では栽培できず、中部より西の関西や中国、九州などで育てられています。市販されている蓬莱柿は地植えで栽培されていますが、家庭では鉢植えで育てることもできます。

蓬莱柿は、そのままかぶりつくのもいいですが、ちょっと手を加えると違う味わいも楽しめます。この章では、蓬莱柿の食べ方やおいしい実の見分け方を紹介します。

蓬莱柿は、8月～10月が旬です。日持ちがしないので、買ってすぐ実が新鮮なうちに食べましょう。保存する時は、ポリ袋にいれたりラップに包んだりすると、実の乾燥を防ぎおいしさを保てます。冷凍したり乾燥させたりすると長期間の保存も可能です。

蓬莱柿は、200種を超えるともいわれるイチジクの品種の1つです。イチジクのプチプチした食感や味は、品種によってさまざまな違いがありますが、蓬莱柿の味にはどのような特徴があるのでしょうか。

蓬莱柿は、イチジクの特徴的なプチプチした食感を持っていますが、熟してくるとねっとりとした食感も加わります。また、蓬莱柿はイチジクの中でも甘みが強く、酸味がほどよくある上品な味です。皮が薄いので皮をむかずにそのまま食べることもできます。

蓬莱柿は、全体が濃い赤褐色で、果皮に張りと弾力があり、香りが強いものがおすすめです。蓬莱柿は、熟してくると実のおしりの方が裂けてくる特徴があります。大きく裂けている実は完熟しているので、早く食べましょう。

蓬莱柿はそのまま食べてもおいしいのですが、傷むのが早いため、熟れすぎる前にジャムやコンポートにするのもおすすめです。そのほか、サイコロ状に切って他の野菜と混ぜたサラダや生ハムと一緒に食べる前菜など、おかずとしても食べられます。

蓬莱柿は、受粉せずに実をつけるよう品種改良されています。そのため、実からとった種では発芽しないので、蓬莱柿を家で育てるときは、苗木から育てることが一般的です。苗木の育て方は難しくなく、初心者でもおいしい実を実らせることができます。この章では、蓬莱柿の苗木の育て方について解説します。

蓬莱柿の苗木は、園芸店やインターネットで販売されています。苗木は、地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えでは、樹を大きく育てて多くの実を収穫できるメリットがありますが、根を横に張るので樹の場所をとることと、収穫までに時間がかかるデメリットもあります。一方、鉢植えは、場所を取らずコンパクトに植えられて、地植えよりも短い年数で実を収穫できることが大きなメリットです。

蓬莱柿の苗木の植え付けは、樹木の休眠期が明ける3～4月に行うとよいでしょう。草木が芽生え始める頃が目安です。気候が落ち着いている10～11月も、苗木が育てやすくおすすめです。夏や冬は苗木の生育に適した気候ではないので、植え付けは避けてください。

蓬莱柿の植え付けには、水はけがよく保水性のある用土が最適です。初心者の方は、果樹専用用土の利用をおすすめします。自分で植え付け用土を作る際は、赤玉土や鹿沼土に腐葉土を混ぜると蓬莱柿の成長に適した用土になるので、トライしてみましょう。元肥として肥料を混ぜ込むのを忘れないでください。

蓬莱柿は乾燥に強いので、こまめに水やりをする必要はありません。鉢植えの場合、表面の土が乾いて来たら水やりを行ってください。実をつけている間は水分を必要とするので、土の状態の観察を忘れないようにしましょう。地植えの場合、基本的に水やりの必要はありませんが、夏に雨が降らない日が続いたら水を与えましょう。

蓬莱柿を丈夫に育ておいしい実をつけるためには、肥料をしっかり与えることが大切です。苗木の植え付け時にも、元肥を忘れないように施してください。イチジクの肥料には、有機性肥料がおすすめですが、成長が悪いときは、即効性のある液体肥料を与えましょう。

蓬莱柿には、数回にわけて肥料を与えます。まず12～1月に樹を成長させるため、次に6～7月に実をつけるための養分として、最後に9～10月に実をつけた樹の回復目的で肥料をあげてください。

蓬莱柿の肥料は、樹の幹近くではない根の先端部にあたる部分に与えてください。肥料は、直接土に置いても、10cmほど掘り起こした土に混ぜ込んでもかまいません。